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雑記 303 100年を生き続ける雛人形達

一年に一度、納戸の木箱から出される雛人形。

私の知らないこの家の人。
女の子の健やかなる成長を願って、と、その人のお母さんの、そのまたお母さんが、選んで贈ってくれたであろう雛人形。

今では、我が家では、骨董品のひとつとして、
一年に一度目覚めて頂く。
もう雛人形としてのお役目は果たし終わっている。

どのくらい前のものだろうか、という話になるが、
義母が1920年生まれで、その時にはあった、というから、さらにひと世代前のものだろう。

手を触れれば崩れていく様子なので、取り扱いには注意が必要。
お役御免になった人形を並べることについては、賛否両論あるとは思うが、縁あって、まだ我々の手元にある。
恐らく二度の大戦も、木箱の中で経験し、世の移り変わりを見てきた。最近では見かけない人形の作り方で、上品でもあり、一年に一度、世の中を見て頂くのも良いかと思われる。

平和な世が来ますように。人々が平安に過ごせますように。

箱の中に敷いてあった新聞は、1981年3月14日のものだった。若花、千代富士、高見山、琴風、など懐かしい名前が並ぶ。
政治面には、レーガン大統領の記事と写真が。
ああ、そんな時もあった、と、思わず新聞に見入るが、当時の新聞の文字は、今に比べ、とても小さい。
びっしり、無駄なく、紙面を覆い尽くしている。
今の人間が読むとしたら、一面を読むのに、かなりの苦労が要り、時間もかかるだろう。

しばらくの間、雛人形の面々は、我が家のリビングで、御休憩頂くことに。

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