雑記 109 神保町古本屋街のカレー屋

画像1 神保町スマトラカレー『共栄堂』。ここのカレーは、そもそもは明治初期に始まったらしい。関東大震災も経験して、ここに店を構えたのはいつ頃だったろうか。私が神田神保町の交差点角の出版社で働いていた頃は昼によく行ったものだ。
画像2 ポークカレーが950円だが、今それほど値上がりしているようには思えない。
画像3 メニューに店の由来を記してある。新宿中村屋でもカレーが始まり、集った人々は同じような時代の同じような人々であったようだ。カレーは、それなりに異国文化の背景を持ちつつ入ってきた料理で、今のようにポピュラーなメニューになるまでには、長い年月がかかった。
画像4 一旦広まってしまうとカレーは人気となり、カレー屋は便利な憩いの場所となった。古本屋を回って本を手に入れ、それを持って店に入る。本の頁を捲りながらカレーを食べたに違いない。神保町にはカレー屋が多い。本を読みながら食事することは、あまり行儀のいいこととは思えないが、今日もまたスマホ画面に目線を釘付けにしてカレーを食べている人が多い。これが神保町スタイルで、店主はニコニコとして不満など感じない様子。このような無礼も、高下駄を履きマントを纏ったかつての学生にとってひとつのハイカラなスタイルであったのだろう。
画像5 カレーを食べた後は、喫茶店に。この辺の喫茶店は、関東大震災を経験し、大戦の空襲に遭いながら、焼け残ったものもある。『さぼうる』も古色蒼然として、半世紀以上の歴史がある。この辺りには木造の他、石造りの穴蔵のような店も。
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画像7 コーヒーカップは厚みのある白いカップで、当初のスタイルを極力崩さない。
画像8 支払いは、現金のみ。床にもテーブルにも、ここに座った人々のその時がしみついているように感じられた。古い時代には、雪の降る寒い日に使われたであろう暖炉が、静かに店内を見ている。
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