雑記 530 ミシンキルトの世界

画像1 キルト、というとパッチワークキルトを思い浮かべるが、知人が誘ってくれたキルト展は、ミシンキルト、という種類のものだった。
画像2 手で縫わず、ミシンを使って、布地に、気ままな模様を、描いていく。
画像3 こちらは縫込みが少ないほう。どれも、これでもかこれでもか、というように、ここも、あそこも、どこも空間はそのままにはしておきません、という意気込みが感じられる。どれほどの材料を揃え、どれほどの時間をかけるか。専用の部屋をひとつ確保し、その部屋に入ったら、もう、その人ひとりだけの世界。外界とは完全に遮断されるに違いない。
画像4 構図も色も自由。
画像5 隙間という隙間をミシンのステッチで、埋めて行く。
画像6 中央部の年輪のような模様の外側の隙間にも小さな丸が縫われている。自動でイニシャルの刺繍が出来るミシンがあるので、丸も設定で自動的に縫えるのかと思ったが、とんでもない、全部手で調節して縫うのだ、と制作者に叱られた。道を極める、というが、他者を一切入れない孤独な修行の世界に似て、丸の形を縫っている人の様子は、鬼気迫るものがあるよう感じられる。そのステッチを目で追って、私はとてもとても自分には出来ない、という感嘆と尊敬の気持ちになる。手芸、という呼び名は、正しくそれを表しているのだろう。

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