雑記 692 コンサート三昧

画像1 コロナが5類になって、7月、大変な勢いでコンサートのお知らせが来る。皆我慢していた、待っていた、是非来てくれ、と言うわけ。今日も四つの団体からお誘いが来たが、身体は一つ。音楽への興味と浮世の義理を慮って、まず、マチネのリコーダーコンサートへ。テレマン、バッハ、ヘンデル、マラン•マレ、クープラン、と盛りだくさん。アンコールに、再びヘンデルで、聴く方も真剣勝負だから、終わった時にはずっしりと身に来る満足があった。
画像2 終わった後、直ぐに溜池山王のサントリーホールへ。東京少年少女合唱隊70周年記念コンサート。開場を知らせる、玄関扉の上のカラクリ人形のファンファーレに間に合い、中へ。楽しみではあるが、19時に始まって、一体何時に終わるんだろうか、と不安がよぎる。
画像3 70周年なんだから、気合いは入っている。あれもこれも聴かせたい、聴いてもらいたい、という意気込みが肌で感じられる。
画像4 合唱は、清らかのひと言に尽きる。無理をさせない発声で、少年少女にふさわしい清潔さ。聴いていて、身体に清水のように染み込んでくる。けれど、1日に2度フルコースのフレンチを、食べるのに似て、どんなに美味しいものでも、ほどほどで切り上げたくなる。そりゃ、1日に二つもコンサートに行く方が悪いけれど、仕方がなかったのだ。
画像5 六本木一丁目の駅。アークヒルズのあたりは、建物が、素晴らしいデザインの建築で、ガラス張り。こんなところで働けたら、いつも背筋を伸ばして歩き、仕事は、テキパキこなす。今そう言うかどうかは知らないけれど、キャリアウーマンとなって、着るのはもちろん、紺色のスーツ、となるだろうな……。
画像6 ホールから外に出ると、湿気が凄くて、雨が降ったのか床は濡れていた。地下鉄に揺られ、四ツ谷で乗り換えて、新宿で再び乗り換える。少しでも歩く距離を短くしたい、と新宿西口に出て、西武新宿駅まで歩く。大ガードのところで信号待ちになり、振り返ると細い道の上に「思い出横丁」のネオン。昔テレビで、朝の時間帯にウゴウゴルーガという不思議な番組をやっていて、それにこの横丁が出ていた。背筋を伸ばしたキャリアウーマンから、一挙に、横丁の酔っ払いに格下げになって、こちらの方が自分には気楽だな、と思う。
画像7 西武新宿駅で電車に乗り、時間を見たら、22:22。むっ!ゾロ目のエンジェルナンバーだ。その意味は、夢は叶う。You can do it. 早く家に帰って風呂に入ろう。1日に二つコンサートになんか行くもんじゃない。どちらも素晴らしいコンサートだけれど、受け取る私のほうが、腹一杯になってしまった。案外、貴族や金持ちの人は、春も夜もフルコースを食べて、食べ物の美味しさが、分からなくなっているかも知れない。

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