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11月の鈴虫は…

いつもの投稿とは全然関係ない私個人のエッセイです。離婚して1年9ヶ月、やっと自分に向き合える余裕ができてきました。

都会のオアシス、ビオトープ

立川にあるプレイミュージアムに行ってきました。といっても、観てきた展覧会の話ではなく、近くにあったビオトープのお話です。

ミュージアムはグリーンスプリングスというオシャレな建物の中にあるのですが、ビルの中に緑がある名前通り都会のオアシスのようなところでした。

エスカレーターで建物の上に上ると、そこは緑広がる公園のようで、水面が鏡のような都会的な噴水池があったり、木や緑が沢山あったり、池までありました。緑を囲むようにオシャレなカフェやレストランやお店が並んでいて、休むスペースもたくさんあって、なんとも癒やされる素敵な空間でした。

ミュージアムの帰りに、ビオトープエリアの景色を楽しもうと池に渡された橋を渡りました。よく見ると、植えられている植物は珍しいものばかりで目を惹きました。池に浮かぶ蓮まで変わった種類で、とことんこだわり抜いたビオトープということが分かりました。

心癒されながら足を止めた瞬間、虫の声に気づきました。鈴虫でした。『すごーい』と思った瞬間、『あれ、待てよ?』となりました。

だって今は11月も半ば。虫の声を聞かなくなってから大分経っています。教室で飼われていた鈴虫もとっくにいなくなっていました。

どういうことだと、目を凝らしましたが、日が暮れ始めていたので、虫は見つけられそうにありません。よく考えると、やはり時期的に不自然です。

昔行った京都の鈴虫寺を思い出しました。そこのように温度調節をして人工的に孵化させた鈴虫であれば、一年中なかせることは可能です。

『人工孵化の鈴虫かあ…』 

そんなことを考えながら耳を澄ましていると、とにかくあっちこっちから大合唱が響いてくるのです。どんだけ放されてるのか知りませんが、なんだか都合が良すぎる気がしました。

何も考えなければ、めちゃめちゃいい雰囲気ですが、考え始めてしまった私は、草陰にスピーカーが仕込まれていそうな気がしてなりませんでした。そういえば、ディズニーランドのカリブの海賊もいい感じで虫がないてたけど…

でも、ここはビオトープ。エンターテイメントと言えないこともないかもしれませんが、なんだかがっかりしてしまいました。『やっぱりなんでも、ほどほどが大事だなあ』と思いながら、冬を感じる静かな道のりを帰ったのでした。

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