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玉ねぎとワカメの酢の物「化痰和え」

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2人分程度
玉ねぎ:1/2個→スライスして塩もみ(しなくても大丈夫。新玉ねぎならなおさら)
ワカメ:乾燥タイプなら小さじで山盛1杯→水で戻す
いりこ:4匹→ごく少量の水でふやかした後刻む
砂糖・酢:適量 三杯酢があれば、それでも可
・梅干しはお好みで

作り方は、上記を和えるだけです。コツと言えば、いりこを刻んだのから出る出汁と馴染むように、食べるかなり前に作るのがお勧めです。
たくさん作って2日目だと、ワカメがとろっとして、また違う味わいです。
簡単すぎてすみません。

玉ねぎ
辛/温 肺 和胃降気・清熱化痰

ワカメ
は実は、効能が分かりません。似たところで、「海藻」「海苔」がありますが、共通しているチカラは「消痰」と「軟堅」。共通して帰経しているのは肝・腎です。なので、その辺りになるかなと思います。軟堅は塩味のチカラでもあるので、これは間違いなく持っていそうです。

2つのメイン素材に共通するのが、痰への効果。
痰と言えば、咳痰の痰や、関節に溜まる水、頭重感の素でもあります。また、経絡や血脈に乗っかって、巡りを邪魔することも。そうなると、理気や活血を頑張っても効果が出にくくなります。痰対策としては、化痰で散らして利水することで洗い流す方法を取りますが、ぶよぶよと、のらりくらりな感じで居座り続けることが多いです。
また、瘀血と入り混じることで、脂肪やセルライト、腫瘤などにもなり、やっかいさは気滞や瘀血より上とも言えます。
そこで、活血を同時にしてみましょう。という雰囲気で登場するのがお酢です。ここでいう酢は、今のような透明に近い酢ではなかったかもしれません。うちでは、坂元くろずを使っています。酸味がとがってなくて、使いやすいと思います。(坂元さんからの利益供与はありません)


酸苦/温 肝・胃 消食化積・活血散瘀

肝に入るので、血だけでなく巡りが良くなりそうな気配がします。消食というのは、「(胃の中に残ってしまっている)食べ物を消す」チカラです。胃もたれしやすい方は、酢を使ったお料理がいいかもしれませんが、そのまま飲むのはかえって胃に負担になるので注意です。
玉ねぎの「和胃降気」というチカラとも通じるものがあります。こちらも、「傷んだ胃を和ませ、上に上がろうとする気を降ろす」というチカラです。胃は「降濁」と言って、食べ物の残渣を下(小腸の方)へ降ろす働きがあるので、胃が弱るとこれができにくくなります。そこで、胃を和ませることで、その降濁の働きを復活させ、同時に気を降ろす、ということになります。余談ですが、玉ねぎは、清熱のチカラを持つのに温性、という不思議なところがあります。全身へは温め系として働き、胃や肺では清熱する、ということなのかなと思います。


酸渋/平 肝・脾・肺・大腸 生津・渋腸止瀉・止咳化痰
下痢止めに梅丹の梅エキスを使う方、多いと思いますが、薬膳的にも言われているチカラなんです。で、生津は、見るだけで(梅干しという音だけで)涎がでるのでイメージしやすいですね。
そしてここでも化痰が出てきました。が、この化痰はいわゆる喉元の痰についてのチカラと読むのが適当かなと思います。とはいえ、頭重感のある時にこめかみに梅干しを貼る民間療法もあるので、喉元以外の痰にもいい場合もありそうですね。

と言うわけで、少しずつ違うチカラを持つ、痰対策の食材をまとめた一品でした。新玉ねぎのシーズンなら塩もみなしでも。また、ワカメの旬のシーズンは折角なので生ワカメでも。
また、お酢を柑橘系の果汁にすると、理気のチカラが加わって、ほぐれた痰が流れやすくなる可能性も。春は色々な国産柑橘類がお目見えする季節ですので、色々アレンジして楽しんでください。

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