和歌山4市町に「緊急安全確保」 愛知など「線状降水帯」 関東も大雨(2023年6月2日)

各地で大雨になっていて、命の危険が迫っているとされる警戒レベル5の緊急安全確保が和歌山県4つの市町に出されています。2日夜から3日にかけ、よりいっそうの警戒が必要です。

■和歌山4市町に「緊急安全確保」

 川からあふれ出した水が住宅街に流れ込みます。

 撮影者:「流れもすごい。川から水があふれることは今までなかった」 

 2日午前11時半すぎ、警戒レベル5の「緊急安全確保」が発令された和歌山県海南市。

 日方川の様子を写した河川カメラの映像です。住宅街を流れるこの川。すぐ横には高校もあります。通勤通学の人たちが行きかう午前8時すぎ、危険を伴う水位には見えません。ところが、たった1時間で橋の欄干ぎりぎりまで増水。その後、さらに激しい雨で30分後には橋の上にまで川の水位が上がってしまいました。

 海南市と和歌山市を流れる亀の川でも氾濫。午後2時すぎ、まだ橋の欄干が見えるほどですが、住宅地の方にカメラを振ると、川沿いに止められた車はすでに水に浸かっているのが確認できます。
 
 正午すぎ、線状降水帯の発生が発表された和歌山県。県南部・太平洋に面する新宮市では、強風とともに激しい雨が地面にたたきつけます。住宅街の道路も冠水。まるで川のような状況に。和歌山市内も、2日朝から強い雨となりました。マンホールからは水が…。市内の県道は、近くにある水路からあふれた水で冠水し通行止めに。

 鉄道にも影響が出ています。和歌山電鉄貴志川線ですが、線路に水が入り込み運休になっています。

■各地で最大級の大雨 川の氾濫も

 沖縄を直撃した台風周辺の湿った空気が列島に停滞する梅雨前線に流れ込み、大気の状態が不安定になりました。

 高知でも危険なレベルにまで雨は降り続きました。高知県の西部・大月町は道路が冠水。近くに係留していたボートは流され、車は水没寸前です。
  
 黒潮生物研究所・吉岡武瑠さん:「(トランクは)閉まっていたが、通電して勝手に開いた。ハザードも勝手に点灯。こんなことになるとは」

 午前5時前の高知市の中心部を映したカメラ。夜明けとともに雨足は強まり、視界は白く包まれます。そして、午前8時すぎ、高知県に線状降水帯の発生が発表されました。

 高知県を流れる四万十川。いつもは穏やかな川の様子は一変しました。まるで濁流のような流れです。川に掛かる沈下橋。近くに住む人の生活に欠かせない橋ですが、降り続く雨で、川は急激に増水。橋は通行止めになりました。

 四万十ドラマ広報・佐竹貴子さん:「対岸の集落の方は遠回りして出勤・外出していると思う。不便だと思う、通れないと」

 高知県内では、約7万人に避難指示が出されました。

 徳島市内も断続的に雨が降り続きました。対応に追われる警察官。吉野川の水位は今にもあふれそうなレベルにまで達していました。四国では3日にかけて150ミリの雨が予想されています。

 台風と梅雨前線の影響で大荒れの天気となった近畿地方。午後1時すぎ、奈良県でも線状降水帯が発生。大和郡山市の地蔵院川。2日朝から急激に増水し、昼ごろまでに2メートル水位が上昇。県は洪水の可能性が高まっているとして、注意を呼び掛けています。

 奈良公園では、観光客の傘に入れてもらったシカが東屋へ。人間とともに、雨をしのぎます。

 大阪・堺市。アンダーパスへつながる道路は、冠水状態。
 
 近所の人:「5メートル超えたら怖い」「(Q.普段は)普段は1メートルもない」

 堺市は石津川が氾濫の恐れがあるとして、午前11時35分、周辺住民に避難指示を出しています。

 土砂降りの雨に見舞われた駅。雨水は線路にまであふれ出します。大阪の南部・貝塚市を走る水間鉄道は、午前10時すぎ、線路が冠水し運行がストップしました。懸命な復旧作業を行い、約4時間後に運転は再開しました。

 大雨は大阪の都市部でも…。市の中心部を流れる川は今にもあふれそうです。さらに、大阪市内のホームセンターは駐車場の車が身動きがとれない状態になりました。

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