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普通になりたい③

2 精神科

精神科へ連れて行かれた。
いつものように学校の制服を着て
車に乗ると何故か近所に住む叔母が乗っていた。
そして車は当たり前のように大きな病院に
吸い込まれていった。
騙されたと抵抗したけど、
暴れたせいで順番早めにされたのかも
しれない。
すぐに呼ばれ診察室に入った。
中には奇妙な風貌のおじいさんが居り
手首を見せてと言われ見せると
『うわぁ、ひどいね』
その一言が無性に癇に障り、
私は暴言を吐きながら診察室を
飛び出した…のだろう。
興奮しすぎて覚えていませんが。

その後、母の送迎で通学しながら
自宅で服薬を続けていたが
睡眠導入剤の影響で口は異常に乾き
授業中も眠く
怠くてたまらないくせに
じっとしていられなかった。
割と好きだったはずの本が読めなくなり
ろれつが回らない怪しい存在であったため
友達と関わる事を避けた。
癇癪を起こす気力もなく
みるみる太り、
飼われた家畜のような状態で
もう本当に生きている意味ないと感じた。
夜眠るのも、朝目が覚めるのも
最高に憂鬱な毎日。
もしかしたらという淡い期待を抱いて
手首を何度も切った。
でも首を吊る勇気などない私は
母に頼んだ。


『どうか入院させて下さい』

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