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編み目をたぐる日

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水野さんとのマガジン「編む*」と、その裏面
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2019年2月の記事一覧

きっと今、不安な君へ

山茶花にメジロが来ている。空は晴れて、暖色の西日が彼らの羽を照らしている。もう午後の3時だよ。一日が、気がつくと過ぎてしまっている。

小さな庭には、いくらかの樹を植えた。引っ越して来た当初は、さほどの賑わいはなかったが、4度目の冬を迎えて随分“らしく”なって来たように思う。家は中古家だったから、もともと何本かだけ、古い樹がある。山桃、万作、杏、さつき、そして山茶花。僕はそこに、月桂樹、梔子、藤、

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編む* 夜の影は穴みたい

書き損じた夜の手紙は
隣の山羊にたべさせて
だれにも知られないうちに
だれにも見られないように

いつもの草を食むその口は
僕のいけない言葉の束を
やわらかく細かくして
平気な顔をして飲み込んだ

けれど隣の山羊はその夜から
ぐるぐる踊るようになるものだから
にぎやかすぎて僕はすっかり眠れずに
今夜もまた君におやすみを言えない

あくびとため息から生まれた童話のような
ちょっと昔の話をしようと思う

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編む* ぺりりぺりりと春がはがして、

不意に低速になった列車が音もなく
レールの上を滑るとき
車窓を臨む私の前をゆっくりと
白梅の花が通り過ぎて行きました

花びらの落ちる様子を想像したら
はらはらと泣いている
君の頬を流れた泪の音を思い出したよ

頬に梅の花びらを貼り付けて
どこに向かっているのかしら
このかなしみは

私はそれらが乾いた頃に
おべんとつけてどうしたの?なんて
冗談を言いながら
ぺりりぺりりとはがしてあげることくらい

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