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名古屋の文化と出会い・学び・伝えるコミュニティ「やっとかめ大使」とは?

「やっとかめ文化祭DOORS」の運営をサポートする、ボランティアスタッフ「やっとかめ大使」。名古屋の歴史や文化、伝統芸能を楽しみながら、多くの人にその魅力を伝えるために、イベント全体を支え、共に楽しむ方々です。

今回の記事では、具体的にやっとかめ大使はどんなことをするのか、やってみた感想や、大使としてやっとかめ文化祭に関わる醍醐味などをインタビュー。

やっとかめ文化祭DOORS全体のコミュニケーションを担当しているディレクターの高橋さん、やっとかめ文化祭DOORSの事務局であり、大使経験のある3人、菅原さん、横井さん、丹羽さんにお話を伺いました!

やっとかめ文化祭DOORSの楽しみ方の一つ

ーー本日はよろしくお願いいたします!やっとかめ文化祭に参加したことがある人なら、やっとかめ大使のこともイメージできると思うのですが、参加したことない方だと具体的にどんなことをするかわからない方も多い気がしていて……。そもそも、やっとかめ大使ってどんなことをするのでしょう?

高橋さん(以下、高橋):やっとかめ文化祭を楽しみながら、主に情報発信や当日の運営をサポートいただく役割です。具体的には、受付やまち歩きの時には後ろから付き添って安全の確保を行う、興味のありそうな方にパンフレットを渡して、簡単なご案内をいただくなど、プログラムを安全に運営するためにも動いていただきます。

難しいことは全然なくて、やる気さえあれば笑、本当に簡単でして、ガイダンスを最初に受けて、プラス現場で簡単な指示を受けたらできる内容です。

ーー当日のサポート以外に、先ほどおっしゃっていた情報発信のような、noteの執筆もありますよね。

菅原さん(以下、菅原):そうですね。記録と発信用に、当日の写真もやっとかめ大使が撮っています。カメラもライティングもものすごく専門性を求めているわけではないですし、誰しも得意不得意ってありますよね。シフト制ですし、個人の希望はできるだけ考慮して決めるようにしています。

僕は、やっとかめ大使とは「やっとかめ文化祭の楽しみ方の一つ」だと思っていて。お客さんで参加するパターンは誰でもできますが、少し運営側に入って、一緒に作っていく楽しさもあったり、本来は有料のコースでも、運がいいと見学できたり、講師や演者、ガイドさんと近いのでお話が聞けたり……そういった、やっとかめ大使“だからこそ”の特典も楽しみ方の一つになると思います。

ーーそれはやっとかめ大使だからこその旨みですね……!やっとかめ文化祭当初から、やっとかめ大使がサポートしていたのでしょうか?

高橋:やっとかめ大使は文化祭の2年目から始まりました。私がディレクターになるにあたり、「ボランティアで楽しみながら運営・サポートできる仕組みをつくってもらえないか?」と相談があったのがきっかけです。

ーー最初からやっとかめ大使は集まったのでしょうか?運営する中で、大変だったことも多いのでは……?

高橋:1年目からいろんな方が集まってくださったんです。やっとかめ大使の活動は、厳しいルールなどに縛られるより、自ら気づいて動いてもらうのがいいんじゃないかと思い、
活動する中で自分たちの役割や目的に気づいてもらうようにしました。そうして徐々に、やっとかめ文化祭の理念に適った方が集まってくださるようになりました。

知らない世界に飛び込む第一歩

ーー高橋さん以外の皆さんは、「やっとかめ大使」を経て、今の運営役になったと伺いました。皆さん、どのようなきっかけでやっとかめ大使を知り、応募に至ったのでしょうか?

横井さん(以下、横井):大ナゴヤ大学に携わっている時に、やっとかめ文化祭の存在を知りました。名古屋の伝統文化をもっと知ってみたいと思い、やっとかめ大使に応募しました。
丹羽さん(以下、丹羽):私は東京から名古屋に引っ越してきたタイミングで、まちなかで狂言をやっているところに出会ったんです。「なんてことだ!」って驚きましたね笑。元々、狂言や歌舞伎、落語が好きだったので、まちなかで見られたことがうれしくて。その翌年からは私もやっとかめ大使とお客さんの両方で、やっとかめ文化祭に参加しました。

丹羽さんは、現在は県外在住のためオンライン参加

高橋:丹羽さんみたいな、名古屋と縁がなかったけれど、偶然出会ってもっと知りたくなった方が関わることも多いですね。伝統文化について詳しいから携わる方は少数派です。名古屋市内に住んでいて、名古屋の文化にちょっと興味があったり、名古屋のことをもっと知りたい方が、参加理由として多い印象です。

菅原:僕も大ナゴヤ大学に携わっていて、やっとかめ文化祭のことを知りました。札幌出身の僕にとって、自分が生まれ育った街と違う名古屋の文化に、なんとなく面白そうと思い、運営側にも関われる、やっとかめ大使に応募しました。

ーーやっとかめ大使と参加者、両方で参加される方が多いんですね!それでもやっとかめ大使という役割で、やっとかめ文化祭に関わる魅力ってなんでしょうか?

丹羽:参加者だと興味のあるプログラムをいくつかに絞って参加すると思いますが、やっとかめ大使だと自分が興味のないものにも出会えるチャンスがあります。私は1年目に自分の興味のあるものを中心に楽しみました。2年目、3年目と年数を重ねていくうちに、自分の興味関心から少し離れた分野に携わることや触れることも増えて、それが実は自分の大事にしたいものだったりして。自分だけでは広げられないものに出会えるチャンスだと思います。

ーー自分の興味関心が、どんどん広がっていく感覚っていいですね。菅原さんと横井さんはどうでしょう?

菅原:それでいうと、伝統文化の入り口として、「まずやってみる」ことができるのは面白いなって思いました。単純に伝統芸能って初心者だったらどう観たり体験していいかってわからないじゃないですか。料亭にいく機会もないですし、芸妓さんに会いに行こうってならないですし……。自分とは違う世界の第一歩って勇気が要りますが、やっとかめ大使だと参加のハードルが下がるのが、良いところだと思います。

横井:私は「自分事」として関われるのが醍醐味だと思っています。やっとかめ大使としてやっとかめ文化祭に携わることで、以前よりも名古屋の文化や歴史に興味を持つことができます。伝統芸能や文化に接するハードルは低くなるので、少し興味ある世界を経験できますし、菅原さんのおっしゃるように、一般の参加者ではなく“やっとかめ大使”なので、少しだけ内側の人間だからこそ、知らない世界でも入りやすさもあります。

丹羽:そうそう、自分事としてやっていくと、知り合いがめちゃめちゃ増えます!料亭のプログラムを経験した後に、次回自分が行くとやさしくしてもらったり、喫茶店に行ったらお菓子が出てきたり笑。本当に自分の街になっていく感覚です。

ーーちょっと距離が縮まるみたいな?

丹羽:そうですね、名古屋の人になれるイメージです。私はやっとかめ大使って、「名古屋の文化の担い手」だと思っているんです。伝統芸能を受け継ぐ人って、その家に生まれた方だったりしますよね。でも、そうじゃなくても広めることができる。私たちの活動が少しでも次の世代に繋がっていて、語り部を担っているなと感じています。

ーー現状、良いところしかない気がしているのですが、実際に活動してみた現状にギャップはありましたか?

菅原:事前のオリエンテーションである程度内容を把握できたので、あまりギャップはありませんが、たまに活動のあまりないプログラムがあって笑。ほぼお客さん同様に楽しめました。働く気満々でいくと、意外と量があまりなかったことは稀にありますね。

丹羽:私は「こんなにいろんな人が働いてるんだ!」って驚きました。一つのプログラムを完成するためにはもちろん、現場にいるスタッフもいますし、それを管理している事務局がいたり、ディレクターがいたり、スポンサーの方と連携をとったり、他にも参加してくださる方もたくさんいます。やっとかめ文化祭に携わって、名古屋を好きな人がこんなにいるんだって思いました。

友達の友達に名古屋の面白さを伝えるように

ーーここまでは前年度までの話を伺いました。ここからは今年度のやっとかめ大使についてお話できたらと思います。今年はこれまでと違うところはありますか?

高橋:まずはやっとかめ文化祭自体がちょっと進化して、「やっとかめ文化祭DOORS」って名前になりました。いろんな方々がそれぞれ文化への扉を開いて、さらに名古屋の文化に出会ってもらいたいなという思いを込めています。ベースは変わらないんですけど、コンセプトの部分がさらに昇華されました。

菅原:毎年の違いでいうと、プログラムが毎年変わるので、今年はどんな出会いがあるか楽しみですよね。

横井:そうですね、一つのプログラムでいろんな文化を知れるんです。参加1年目から僕は癖になってしまって。「来年はどんな講座があるんだろう?」みたいな、毎年違うので楽しみです。一期一会なんですよね。

ーー実際、どんな人がやっとかめ大使に向いているとか、どんな人と一緒に活動したいとかってありますか?

高橋:どんな人でもぜひ。名古屋に興味を持ってもらえる方ならいいかと思います。条件よりもみんなが気持ちよく参加できるような気配りができる方がいいかな。

菅原:シフト制なので、ご自身のお仕事の都合に応じて、参加の度合いは調整できます。事前のアンケートで、各々の興味関心のあることや得意不得意などをできる限り考慮して、プログラムの担当を決めています。やっとかめ大使は「働く」って感じでもなく、そういった義務感でやるというよりかは、それぞれの思いを大切に、純粋に参加しながら名古屋の良さを知ってもらえたらと思います。

横井:名古屋の文化に少しでも興味がある方が向いていると思います。名古屋を好きになったり、楽しんでもらうことが大前提で、その経験をまた家族や友人など、周りの人たちに語りついでもらえたらいいなあと思っています。

高橋:最初のオリエンテーションで皆さんにお伝えしているのが、「友達の友達に楽しんでもらう」ように振る舞ってくださいということ。他人は遠いし、友達だと少し距離感が近い。友達の友達にこの街を紹介するくらいが、ちょうどいい距離感なんですよね。

名古屋のことを好きになって、少しでも持ち帰ってほしい。やっとかめ文化祭だからといって、無理やり文化的な文脈や芸術的な文脈に乗せることはせず、純粋に「名古屋っていいよね」って思ってもらえるように接していただければと思います。

いかがでしたか?やっとかめ文化祭を知らない方にとっては、もしかしたらとっつきにくい世界かもしれません。でも全然大丈夫。まずは自分が楽しむこと、そして友達の友達に楽しんでもらう気持ちで。やってみて合わないことだってあるかもしれません。でも一人でも多くの方が、名古屋っていいなと思ってもらえるように、やっとかめ大使という役割で参加していただけたらうれしいです。

ということで、ここまでご覧いただき、ありがとうございました!

今年のやっとかめ大使の募集はこちらのリンクより。少しでも興味がある方は、気軽にお申し込み、お問い合わせくださいね。また、過去のやっとかめ大使の方々が執筆したイベントレポートはコチラから読むことができます! どの記事もかなりリアルな内容が掲載されているので、参考にしてみてくださいね!

執筆&撮影:fujico


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