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狂言に学ぶビジネス交流術

10/23まちなか寺子屋「狂言に学ぶビジネス交流術」は、狂言師の井上松次郎さんとラジオパーソナリティの川本えこさんの対談形式で和やかに始まりました。会場は普段入れない能楽堂稽古室で、マイク無しでもおふたりの朗々とした声が響き渡ります。

まずは能と狂言の違いからお話が始まり、音楽劇であり儚い悲劇で感情を揺さぶる能と、会話劇であり日常のほっこりした笑いで和む狂言、違う性質のものを交互に上演する事で観客が気持ちをリフレッシュして次の演目を観られる狙いもあったそうです。
其々の得意分野で互いを補い合う俯瞰的な見方も、ビジネスの場で大切な事かも知れません。



そしてお話は、狂言の上演されてきた場所や時代背景、発声やイントネーション、古来から伝わる美しい日本語から、日本語独自の文法まで、演者さん目線の「自分本位でなく相手に伝えるため」の話し方へ移ります。
川本さんもラジオのお仕事の際、AMとFMでリスナーへの聴こえ方が違うので話し方を変えたり、短い尺では先に感情や結論を伝える工夫をされてるとの事で、時代背景もジャンルも異なる「伝える事のプロ」のおふたりが、伝えたい人達に寄添って技を磨いてらっしゃる事に温かい気持ちになります。


2時間に渡る講義でしたが、端々で笑いがおこり、お客様も夢中になって聴いておられ、こうして時間を早く感じるのは「井上さんの普段の話し方にも狂言独自の間の取り方が入っている事」に秘密があるのではと話す川本さん。リズムと間と呼吸を大切にした狂言の話し方は、お話にメリハリを生み、聞き手に納得したり切替えたりする時間をくれているのかも知れませんね。
実技として、狂言の抑揚や川本さんが本番前にされる舌のストレッチ等も教えていただき、楽しい時間は幕を閉じました。

井上さんは「言葉は日常で聴く事で身に付いていくもの」とお話されていました。観劇やラジオを楽しむ事で、ビジネスシーンに限らず相手に伝わる話し方の発見もあるかも知れません。
昨日から開幕したやっとかめ文化祭、当日に観劇可能なプログラムもありますので、多くの方々に楽しんでいただき、日常に役立ててもらえたらと思います。
そうして日常の中で形を変えながら先達の知恵や文化が受継がれ、次代が更に楽しくなれば嬉しいです。

レポート:近藤加奈子  写真:あいちゃん

■レポートしたプログラム

■まちなか寺子屋


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