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小説 開運三浪生活 85/88「乾坤一擲」

広大の二次試験を翌日に控えた二月二十四日、文生は広大がある東広島市内の旅館に泊まった。一昨年前、一浪生として初めて広大を受験した時にも泊まった西条荘という、家族経営の小ぢんまりした旅館だった。宿の女将さんは文生のことを憶えてくれていたのかどうか怪しかったが、「今度こそ受かりんさいよ」と温かく励ましてくれた。

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