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インサイドセールスにおける商談の量から質に転化させていく過程

※ヘッダー写真は、弊社の忘年会で某番組の「格付けチェック」のパロディをオンラインで完全再現したスクリーンショットです。忘年会のクオリティ高い


こんばんは〜 @eijiyatagai です。Noteを書くのは1年ぶりになってしまった。重い腰を上げて記事を書いているのは、LAPRAS Advent Calendar 2021 の一貫として書いているからです。書く!と公言したら逃げられなくなるので良いですね。
ちなみにアドベントカレンダー上では12/25にリリース予定でしたので3日遅れのリリースです😂笑


ちょうど年の瀬にこの記事を書いており、LAPRASで自分がこの1年で何をやってきたのかを振り返る良い機会になっています。1年前に書いた👇この記事も懐かしい。

これは誰のための記事か?

これはインサイドセールス、いや、インサイドセールス問わずTHE MODEL型のSaaS営業に携わっているマーケティング、フィールドセールスなら1度は考えたことのある商談の質と量についての記事です。特に自分が知見があると領域ではありませんが、LAPRASのセールスチームではここに注力した2021年であったことから、これを見ていただいた方に一事例を提供できれば良いなと。

これは何について書く記事か?

- DO
   - なぜ商談の質と量について向き合おうと思ったのか
   - 何をやったのか
   - どういう示唆があったのか
   - どういうネクストアクションが組まれたか

- Do NOT
    - LAPRAS SCOUTにおける実際の具体的な受注率
    - LAPRAS SCOUTにおける実態の具体的な商談基準
(個別では一部お伝えできるかもしれませんが、記事には載せられません!)


示唆サマリー

1. 結局はBANTなど一般的なフレームワークで語られない「自社サービスにとっての受注の因子」を1つ1つ分解させていく
2. 商談の質を考えることがゴールではない
3. 
MECEに整理して受注率を評価することは難しい

前提1. LAPRAS SCOUTのセールスチームの状況

LAPRAS社では、日本ではまだ珍しいホラクラシー組織で、めちゃ簡単に言うと各役割が完全に明文化されてます。

👇 現在の組織体制がこちらから見られますので、興味ある方は覗いてみてください!

我々のいるセールスサークルはこんな感じです。

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セールスチーム自体は7名で、下記役割をロール毎に分担・兼務しています。

- フィールドセールス:4名
- インサイドセールス:2名
   - SDR:1名
   - BDR:1名
   - パートナーセールス:2名
- マーケティング:3名
   - ウェビナー企画:3名
   - Webマーケティング:2名
   - リードナーチャリング:1名
・・・・後は細かいロールなので略

ほぼ全員が色んなロールを兼務しており、その時々の状況や課題や理想像にあわせて組織図を柔軟に変更しています。特徴で言うと、我々のセールスチーム配下にマーケティングチームが含まれていることでしょうか。


前提2. 商談数がコロナ後順調に右肩上がりに増えてきた

我々の商材であるLAPRAS SCOUTは、サービス提供先が人材業界ということもあり、コロナ直後は採用ニーズがなくなり案件化数が大きく落ち込みました。(そんな状況ど真ん中に私はLAPRAS社に入社しました。良い思い出)

が!

その後、キレイな右肩上がりで案件数が増えていきます。


■月間商談数推移

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今見たら、月間商談数は1.5年前に比べて商談数が2.5倍になっていました。

まじか!!と思う一方で、最近は『知り合いの人事からLAPRAS SCOUTが良いと聞いた』という問い合わせが増えており、プロダクト力が上がって来ているからこその商談数と思います。弊社の開発チームの皆さんに感謝、そして口コミに勝るマーケティング手法はないな・・・と。


前提3. アポイント量が増えすぎた悪影響が出てきた

ここがいきなり大事なポイントだと思うのですが、「商談の量が増えたから商談質を考えるようになった」という至極当たり前の課題に直面しました。

実際に弊社のチームでも、商談が増えたことで下記のような課題感が出てきたのです。

■フィールドセールス観点
「どう頑張っても受注できない商談に時間が割かれてしまう」:フィールドセールスのキャパシティに限りがある

■インサイドセールス観点
「商談数の目標は達成したのでインサイドセールスはバンザイ!でも受注率が思わしくなく売上は未達!」:商談数の目標が結果的にKGI(弊社だと売上)に結びついていない

■マーケティング観点
「いや短期に受注しないとはいえど、フィールドセールスの上手な商談で相手に態度変容を促すことができれば、長期的に受注する可能性は0ではないんだから、極力商談した方が良いよね?」:受注までのリードタイムを加味したい→受注率がブレる


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このスライドだけで様々な議論が出来そうですが、、笑 
セールスチームも数名でやってきた我々も、下記施策に取り組むべきフェーズになってきたという背景があります。

- 受注可能性の高〜低について言語化・一般化を進める必要がある
- 商談をひとくくりで捉えることは難しく、「直近で受注を狙うクロージング目的の商談」〜「中長期的に受注を狙うためのマーケティング目的の商談」まで目的が分かれる→それぞれの目的に応じてネクストアクションが変わる


やったこと:商談・失注・商談評価を定義する

1. 商談化の定義

商談化に関しては、インサイドセールスがやりがちな悪い例として「相手が商談をしたがっているから、とりあえずフィールドセールスと商談の日程調整をしよう」 ということではないでしょうか? LAPRASでも以前このようなオペレーションを取っていましたが、現在は先方課題がLAPRAS SCOUTで解決可能でなければ、その期待値調整の上商談を組むようにしています。

■商談定義ドキュメントの冒頭部分だけ

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2. 失注の定義

失注に関しても明文化しておかないと、受注リードタイムがブレたり、フィールドセールスが失注させず自分のパイプラインに残したままで正しいアクションが取られないことがありますよね。営業あるあるだと思います。絶対に自分でなんとかしたいフィールドセールス vs さっさと失注にして自分から掘り起こししたいインサイドセールス 的な。笑

■失注の定義と対応フロー

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3.  商談評価の定義

これが本記事の目玉と言える箇所かもしれませんが、LAPRAS社では商談をS~Dの5段階に分けて評価することを開始しました。

■商談評価の定義
S:商談時点で受注角度50%~
A:商談時点で受注角度20%~50%
B:商談時点で受注角度5%~20%
C:商談時点で受注角度0%~5%
D:劇的な変化がない限り受注は望めない

■BANTに基づいた条件作成

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※完全非公開にてお願いします・・・!笑

ここで弊社が気をつけたポイントが3つ。

💡 POINT
・解釈のブレがないよう出来るだけ定量的に記載する
商材特性を考慮した自社独自の条件を策定する
・定義だけではなく、改善と運用をセットで考える

特に商材特性を考慮した自社独自の条件、というのがとっても議論し甲斐があります。BANTやSPINなど、営業の一般的なフレームワークでは語れないのは面白いですね。
BANTを用いて例をあげるとするならば、「決裁者が出てきて予算があって導入時期が即日予定なら受注角度は50%」と胸を張って言えるものでしょうか?そんなことないですよね!あくまでも自社商材のの受注に必要な因子を言語化することはネットでググってもヒットしないので、自分たちで考える必要があります。我々もまだまだ議論中でありますが・・・。


示唆とネクストアクション

1. 商談の評価をすることがゴールではない

商談を評価することがゴールではなく、セールスチーム全体で受注の総量を高めていくこと、各ロールに落とし込むと、フィールドセールスが受注率をあげていくこと、インサイドセールスが受注角度の高いアポイントを供給すること、マーケティングが中長期的に受注するリードをナーチャリングしていくこと、がゴールになると思います。

実際にLAPRAS社では、今回の商談評価の整理をきっかけに下記施策が走り出しています。これらの施策が今回の商談評価の整理によって、解像度が上がった、またチームメンバーで認識が揃っている状態で施策を実行できています。

- 商談評価がS(受注角度50%)の失注要因の潰しこみ、振り返り
- 商談評価がA(受注角度5~20%)の受注率が想定より悪く、どうすれば受注できるか?
- 評価がSの商談をフィールドセールスが失注させた際に、インサイドセールスがどういうタスクの持ち方をすべきか?
- 商談評価B~Dをマーケティングがどうナーチャリングしていくべきか?

※これらの施策が実際どう数字に影響したのか、を2022年中に記事にしたいな・・・!


2. 受注率の高いアポイントだけ供給できれば苦労しない

「じゃあS~A評価の商談を月X件供給すれば良いんでしょ!」みたいなことではなく、そんなことが出来れば苦労しませんw


実績値が蓄積されてくると、より精度の高い受注予想・現実的な未来のフォーキャスト作成が可能になってきます。そこで目の当たりにする差分が「S~Aアポ足りない(受注角度の高い商談が足りない)」ということです。まぁ良い商談が既に十分足りている企業なんて、ほんの一握りだと思います。。。

私が思う営業の価値は、①ターゲットにあった顧客を確実にクロージングすること は当たり前で、②リードタイム長い顧客をどう受注するか ということにあると思っています。つまりは弊社でいうB~Dアポイントとどう関係を構築していくかがセールスチームの腕の見せどころなのではないでしょうか。ここを来年のテーマにしていくぞ!


3. MECEに整理して受注率を評価することは難しい

リードスコアリングに共通するかもしれませんが、受注に対しての因子を正確に整理することが出来るほど現実は甘くない、というのが今年私がチャレンジした結果です。

リードが山のようにあるtoC向けサービスや業界業種に関係ないHorizontal SaaS、大企業のセールスなのであれば十分なデータから受注を出していけるとは思いますが、多くのスタートアップやベンチャーの場合、プロダクトも変わるしターゲットも変わるしで十分なデータが揃っていないことが大半だと思います。

そこで我々は、顧客を複数のペルソナに分けて捉えていくプロセスを実行中です。MECEにするかどうかを気にせず。

■ほぼお見せできないペルソナ分けブレストの写真

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ざっくり業界、業種、会社フェーズ、課題感の4つの観点から複数のペルソナを作り、そのペルソナに対してBANT条件だけではない商談シナリオを変えられるようチームで学びを昇華しています。例えばシード〜アーリフェーズの企業ならこういう提案が良いよね、この業界はこう特殊だからこう提案していくのが良いよね、などなど。
この類の振り返りは、最初からMECEにやろうとしすぎないこと、まずはチーム全員がイメージしやすいペルソナから議論を深めていくことがとてもハマりました。もっとドキュメント化を進めて新入社員がすぐにキャッチアップできるように2022年は頑張りたい。



以上です!総じてLAPRASセールスは現状の整理が飛躍的に進んだ1年だったなと思います。ここから上手く改善を仕立てて実行していく、そしてまた改善することで成果を仕組み化することが我々の来年の使命と思っている次第です。来年2022年で、この領域の改善が進んだNoteを書けるように頑張るぞ!!

皆さん、良い年の瀬をお過ごしください!



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