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推しと共に歩めよ🟠〜恋人たちの世界〜🟠

タロットの恋人たちの札をエデンの園のアダムとイヴにしたのはウェイトのグッジョブだったと思う。

このカードが出ると、伝え方に少し気を使う。
恋人たちは恋愛成就のカードではない。
選択、迷いの世界。
その向こうにある精神的自立を求められるカードだからだ。

カードの描写では、アダムはイヴをみているが、イヴは天使を見上げている。
親に問うようにその答えを無邪気に待っている。
「わたしはこれでいいのかしら、この人でいいのかしら。」と。
けれど天使は静かに目を閉じて黙っている。
イヴには蛇が近寄り、まもなくふたりは林檎を食べる。
そして、エデンの園を追放されることになる。

現実世界のエデンの園とは、あたかも実家や家系だ。
林檎は知恵の実であり、それを食すことは、自立、成長の時だ。
「自分で決める」
腹を括らなくてはならない。
血縁や地縁ではない、人生のパートナーを自らが選び、手を取り合って、親元から旅立つときが近づいてきた。
そして選ぶのならば。
裸になったアダムとイヴが一歩を踏み出すのは、茨の道なのだ。

ひと昔前は、パートナーというと「異性」を指していた。
わたしはこれからの時代は、その定義はもっと広くていいと思っている。
同性でもいい、友人でもいい、文化や芸術やスポーツでもいい、学問でもいい、ペットでもいい、それによって、自分が生き生きと社会と繋がれるなにか。
恋人のように「好き」を土台に情熱を傾けられるなにか。
自分が本気で心に決める、なにか。
パートナーは、必ずしも「異性」である必要はなく、それぞれの「推し」を選択していく時代になればいいと思う。

楽園を追放され、自らが選んだ、
その道は決して平坦ではないだろう。
その荒野を、推しと共に歩めよ。
エデンの園から遠く離れ、自由と幸せを求め、新しい楽園目指して、推しと共に、どこまでも歩んでいってほしい。

〜Universal Waite Tarot〜
国:アメリカ
アートワーク : メアリー・ハンソン・ロバーツ
メーカー:U.S. GAMES SYSTEMS, INC./U.S.A.
カードサイズ:120×70mm


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