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Melty

蒸し暑いですね。もう夏みたいです。

こんにちは、やとわです

Meltyという曲を作りました。千慧さんとの制作です!
少しずつ、着実に変化していく日々の感情をそのまま閉じ込めたような曲です。

辛かったこと

今まで僕は作品を通して、過去の、幸せで綺麗な瞬間を描いてきました。記憶には綺麗だったーとか楽しかったーみたいな気持ちがたくさん残っています。その全てが大切です。

でもそこには苦しかったこと、悩んだことが確かにありました。胸が苦しくなって、もうこの関係性から逃げてしまいたいと思うことが何度もありました。そんな相手が大切だからこその辛かった思い出が無かったことになって、記憶の彼方、脇道に捨てられていってしまっていることに気付いた時、それを作品にして残すべきだと思いました。今まではそのことに気付きもしませんでした。

僕は昔から何か辛いことがあると、誰にも相談できずに抱え込むことがありました。今でもそれが耐えきれなくなると、溢れてしまうことがあります。ネガティブなことを言葉のまま受け取ってしまうのは悪い癖です。

名前を呼ぼうとしても、一歩手前でブレーキがかかってしてしまう。大切にしたいのに、目を見て話すことができない。「なんであんなことを言ってしまったんだ」と自分の言葉を思い出して後悔する。その人のために悩んだり、もどかしく思ったことも、忘れてはいけない大切な感情なんだと思うようになりました。

「陶器みたいな呼吸合わせてみたって 恐ろしいのは変わらない私だ」には相手を通して自分を見つめてしまう自意識を表現しました。

自分が辛いと思ったことを理解して、忘れようと押し込めるのではなく、偽らずに寄り添っていくこと。それが僕にとって自分を救うことで、Meltyの歌詞ではそれを大切にしてみようと思いました。

千慧さんとMelty

「Melty」は千慧さんと一緒に作りました。千慧さんは過去「Angel」「Snow」でもイラストを描いてくださっています。


「Snow」の制作で、お互いに考えを伝え合って制作することの面白さに気づいてから、僕はすぐにでもまた千慧さんと一緒に作りたいと思っていました。誰かに理解してもらうこと、お互いを理解しようとすることは、どうしようもなく楽しくて。

「Melty」は、たくさんお話をして、自分の思っていること、見ているものを共有しながら制作をしました。本当に貴重な経験だったなと思います。

ということで、千慧さんにわがままなお願いをして、今回の作品制作について語っていただきました。

1.初めて「Melty」を聴いた時はどんな感想を抱きましたか


千慧:第一印象はこんな感じです

2.イラストを描くうえでどのようなことを意識していましたか。


千慧:曖昧な雰囲気を、色の置き方で表したいなと思いました。とくに手前の男の子のぼんやりしているところなどがそうです。
女の子の青色がすごく綺麗で好きだなとなりました。

『お揃いの夜で君に会えたら』の部分をイメージしました。「会えたら」とあるので実際に会っているわけではありません。なのでお揃いの夜を想像している女の子だけはっきりさせるように描かせていただきました。

3.いつもイラストを描く時に大事にしていること、また「曖昧さ」とはどのようなものだと思いますか。


千慧:そこまでなにかに囚われて絵を描くということはあんまりないような気がします。とにかく絵を描くのが好きだということだけです。

「曖昧さ」は見る人に委ねられる表現だと思います。私の描くイラストには、どこで・どんな名前で・なにをしている人なのかという情報がどこにもないと思います。なので見る方によって感じる空気感も違うと思います。私はその明確じゃないものが自分を自由にしてくれると思っています。そんな表現を愛しています。

4.千慧さんにとって「自分を救ってくれること」は何だと思いますか。


千慧:何よりも絵を描くことが自分の救いになります。絵を描くことが楽しいので、つらいことも痛いことも全部描いて消化します。
その中で、自分にとって大切なもの(洋服、靴、植物など)を沢山描いて飾り付けをして美しい記憶として残します。

5.千慧さんは絵画がお好きですよね。誰から、どのような影響を受けていると思いますか。


千慧:絵画すきです。特にジェームズ・ティソが好きです。

影響を受けている部分は主に「場面」です。もしこの場所に自分がいればここに座るだろうな、みたいなことをイメージしながら描きます。

自分だったらこうするのにな、が沢山あるので、それが尽きるまで描き続けると思います。


たった3、4週間でも、僕は千慧さんとのコミュニケーションからたくさん得るものがあって、今回「Melty」を完成させるにあたっては欠かせない存在だったと感じています。

話題は好きな映画、絵、音楽のこととか。ハリーポッターとジブリの話になった時は、お互いに思い入れもあって盛り上がりました。「炎のゴブレット」はセドリックがかっこいいこと、「死の秘宝part1」は仲が悪くなるのは少し心が苦しくなるけど、そこからさらに結束する3人がいい!という話をしました。

アニャ・テイラー・ジョイの話になった時は「クイーンズ・ギャンビット」を一気に最後まで見ました。主人公のベスがチェスで次々敵を倒して進んでいく爽快感と、重厚な人間関係の描写の描き方が良かったです。

普段生活する中でどんな景色を見ているのか。それがお互いの作品にどう影響しているか。そんなことが少しずつわかっていきました。

一緒に物作りができて嬉しいです。


まだ言葉にしたことのなかった感情を作品に込めました。また一つ自分を理解できた気がします。これからも曖昧に変化していく気持ちに名前をつけて残していきたいです。

やとわ・千慧


ps>映画「旅立ちのとき(running on empty)」おすすめです。


春野 
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