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この悪縁に祝杯を

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最近、笑ってますか?人生に疲れていませんか?そんなあなたに、クスリと笑える、異世界転移コメディ!あなたの人生に、ほんの少しのエスプリを! ※この文章は、効果を保障するものではあ…
このマガジンは、小説「この悪縁に祝杯を」まとめたものです。 これを購入すれば、わざわざ記事を探す手…
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2019年10月の記事一覧

当たるも八卦当たらぬも八卦

「ん?君だれ?」

「えっ、いや誰ってこっちが聞きたいんですけど。というかここなんなんですか?」

「冗談だよ。あれあれ?涙目になってない?大丈夫~?」

「はっ?なってねーし。なんなんだあんた!」

「だから、神だってさっきから言ってるじゃん。理解力が足りてないのかニャーン?」

 なにこの自称神様腹立つ。

「ここが何処かってのもさっき言ったよねぇ。神前の間。そのまんま、神様に謁見するための部

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捨てる神あれば拾う神あり

「あの・・・・・・。」

「?うわっ!?くさっ!!ちっ!!!」

 そう吐き捨てると、お爺さんは舌打ちしながら足早に走り去っていく。

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同じ穴のムジナ

 それから、他人の嫌悪の目に晒されながらなんとか水場までたどり着いたアスハを待っていたのは、現代の管理された浄水道等ではなく、穴を掘り造られた穴に縄の着いた桶を投げ込み水を組む所謂井戸であった。

「・・・・・・まあ、ね。さすが異世界。特に期待はしてなかったよ。」

 その呟きが聞こえたのかどうなのか、井戸を囲う柱からこちらを伺う影があった。

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どんぐりの背くらべ

 少女に聞いた話では、何かに躓いて、転んだと思ったらそこには竜車の馬が落として行ったフンが放置されており、そこに思いっきり飛び込んでしまったという事であった。

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郷に入っては郷に従う

 なんとか、汚れを落としたあと、とりあえず生きるために仕事を探すことにする。

「と言ってもなぁ、どうしようかな。」

 こんな世界に着の身着のままで放り出されたアスハにとっては直近の課題である。

 そんなアスハの目に、目を引く金髪の少女が映る。
 どうやら、その少女は酒場に入って行くようだった。

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