見出し画像

【アート】光と影に色彩を加えて未来を描く①-ウィリアム・ターナー

今日は国立新美術館で開催中の
「テート美術館展 光 LIGHT」をご紹介。

この展覧会は
イギリス「テート美術館」のコレクションから
「光」をテーマに作品を厳選

18世紀末から現代アートと約200年間の
芸術家の独創的創作、光に注目した展示会。
「光」というキーワードとともに
選ばれた作品たちが展示されています。
この展示会には
たくさんのインスピレーションがありました。
気にいった絵を何編かに分けてご紹介します。

まずはターナーから。
一番最初の展示説明にこんな文章がありました。

「創世記」によると、神が最初に行ったことは光の創造である。
旧約聖書と新約聖書のなかでは、光は善・真実・純粋を表し、
闇は悪、破壊を意味する。(中略)
芸術家たちは深い精神性を帯びる場面を表現するために光と闇を描き、
それらを直接的に、かつ比喩にも用いる表現を追求したのです。
闇の中できらめく光は苦しみの中の希望を示しています。

テート美術館展 説明から

最初はいくつか宗教っぽい展示がありましたが、
第一展示室奥には、すでに光、明るい絵画が。
それは
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851年)の
風景画です。


イギリスで「光の画家」と呼ばれたターナーは
44歳のとき(1819年)にイタリアに行っています。
イタリアの明るい陽光と色彩に魅せられ、
旅行後の作品には、すぐに影響が現れます。
大気と光の効果を追求することに主眼がおかれ
そして彼の絵画はだんだん抽象化されていくのです。
ゆえにターナーは印象派より30年前の印象派とも言われています。

ターナーは作品に
光と闇にプラスして、
空気・大気の効果を捉えるために
寒色と暖色を組み入れました。
彼の「陰と闇-大洪水の夕べ」には
光と影だけではなく
大洪水にのまれるであろう動物などが
絵画の下に描かれていました。

ターナー 「陰と闇 ‐大洪水の夕べー 1843年

大洪水の夕べ、それなのに、
悲惨さや悲しさが絵画から感じられないのは
光のせいなのでしょうか。
光が何か温かい未来を予測しているような
。。。。

撮影し忘れたのでネットから拝借
ターナー 「光と色彩(ゲーテの理論)ー大洪水の翌朝-創世記を書モーゼ 1843年

ターナーの作品は、
光と闇、すなわち善と悪に、
多角的な明るい未来を光とともに組み入れた

そんな作品でした。

つづく。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?