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2020

2020年、世界各国では、感染症が流行し、人口が密集している都市は次々とロックダウンに陥った。

政府が次々と、緊急事態宣言や外出制限を行う中、人々も感染リスクを警戒し、外に出なくなった。

まさに、情報を得る手段は、ネットしかなくなったのだ。
これは、一気にパラダイムシフトが起こったと言える。
今まで、支配的だった。電車の吊り広告や、街なかの大型ディスプレイや看板は、意味のない置物と化した。

毎日、5感で感じる情報は、生きるための信号だ。
生き抜くための情報は、膨大な情報過ぎて、一人の人間では対処しきれない。
意図して整理された情報は、読み取りやすい分、思わぬうちに一つの主観に沿って、自分の意見も構築されていく。
そんな、切り取られた情報は、情報競争社会の中で過激になり、権威的になり、閲覧数を稼ぐために不安を煽るようになる。

無料のプラットフォームと広告掲示機能を揃えたマッチングアプリケーションに我々は、同じ情報を永遠とインプットされ続けている。

繁栄を築いていく巨大IT企業。
高度経済成長期、知らず知らずに蝕んでいた河川、重大化してから発覚した公害病。

なにかに侵されながらも、気づかないふりをして、気づいたときには重大な事故になっているのは、良くも悪くも人間の癖だが、今回はどんなことが起こるのだろうか。

最近は、モノではなく、実態のないコトに価値が移っている。
人類はまた虚栄を見続けているのかもしれない。

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筆者が2020年から約1年間、小説執筆前の助走機関として書き溜めた500字程度のショートショート集。作品に昇華していく前段階の着想が散りば…

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