「才能が無い」で書くのを止められたら。

 「才能が無い」という言葉はとても甘い。
 その言葉に全部の責任を乗せられるから。自身の努力不足、気力の減退、適当さ――そういうモノを、自身の「頑張らなかった」を全てその言葉で解決できる、とても甘い言葉だ。

 でも負けてしまってもいいんじゃない? って最近はよく思う。

 だってさ、そうは言っても君は毎日書く、時間を削って、本当は誰かと遊びたかったりゲームしたかったり、時には早く眠りたいし映画だって本だって読みたい。そういう時間を削って書く。書いたモノはどれくらいの人が読んでくれる? 
 それを考えると、「楽しい事」を人生の中心にしてもいいんじゃない? って思う。

 「何者にもなれなかった自分を許せない」

 って思うかも。まぁいいじゃない、書いても書かなくても。なのに、何で書くのを諦められない、書き続ける?

 他の人たちの作品や、人気のあるモノを見て、君はどう思う。「なーんだ、大して面白くないな」「自分とそんなにレベル変わらなくね?」って思ったりするじゃない?
 それでも、君の作品は読まれないし、人気も出ない。散々だ。そうなったらきっと、「書く事から離れても良い」って思う。そんな時はこう言おう。

 「あーあ、それでもやっぱ、才能が無いんだろうな」

 それでまた、書きたくなったら戻ってきて書いたっていいじゃない。日曜大工がいるなら日曜小説家でもいいじゃない? 
 思ってるより伸びない小説を許せないから他の人気作品も許せない、そんな自家中毒で苦しむなら、本か映画でも見てぼーっとしてよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?