Nancy Pelosi

米国の文化から政治まで知るためにThe New Yorkerを読むことをお勧めします。政治関連の記事も興味深く読めるので、徐々に米国の政治的な動向まで理解できるでしょう。まあ、私にはいまさらですが、英語の勉強にもってこいですよ。

まずもって、「House Speaker」という言葉を知らなかった、下院議員ね。「Senator」は知っているのに、House Speakerの意味を知らなかった自分が情けない。少し調べてみると、米国の場合、下院議員は上院議員と同等のパワーバランスを保っているんですね。Nancy Pelosi氏は、トランプ政権時代の大統領の敵対者として際だっていた人物だったことを、この記事を読んで知りました。こういう人物が政界から去ってしまうということも、米国の政治の不安定さを垣間見ているような気がします。

彼女の夫は、トランプ氏の過激支持者に襲われて頭部にかなり酷い怪我を負ったようだ。その表現として、「a hat conceal the serious head injuries he sustained this fall…」という文があるが、ここにある「sustaine」の使い方は知らなかった。「被害や損失を被る」という意味がある。ちゃんと使えるようにしましょう。

そして、「There is no doubt Speaker Pelosi will go down in history as our nation's greatest Speaker」で最初のパラグラフは締めくくられているが、「go down in history」という表現を知っておこう。歴史に刻まれるって事で、彼女は自画像が残される程の人物だった。

米国の政治は、民主党と共和党の⒉大政党体制であったが、それぞれが過激にけなし合うこと無く反対意見を戦わせることができていた昔をノスタルジックに感じているそうです。

「過激にけなし合い(outright disagreeable)」の説明としての次の文章が分からなかった。「a barb at the present G.O.P. leadership, with whom Pelosi is barely on speaking terms.」
まず持って、1つのセンテンスに2語以上知らない単語があると、文章を推測する能力も激減してしまう。まず、「barb」だが、「棘のある言葉やいやみ」という意味で、「G.O.P.」は「Grand Old Party」で、共和党の別名。そして、「on speaking terms」は「話をする間柄」という意味ですが、ここの文章のように否定語を伴うと、「口も利かない冷たい関係」になる。

「It was a pointed reminder of the degraded state of the House Republicans, increasingly in the thrall of right-wing extremists whom Boehner has derided as "political terrorist.”」 今回の選挙で、下院で共和党が過半数を占めたので、来年の1月から下院のトップは、共和党のトップ、Kevin McCarthy氏が、Pelosi氏に取って代わって下院議長としてまとめる事になるけど、この文章は同じ共和党の下院議員の率直な言葉である。「in the thrall of」は、「束縛された状況で」、「deride」は、私が知っている単語に当てれば、「mock or mockery」って事になる。それにしても、「right-wing extremists」の存在は怖いですよね。過激な思想が台頭すれば、世界は混乱に陥ることになるでしょう。

私は全く知らなかったのですが、彼女は女性初の下院議長として長年勤めただけでなく、1987年に民主党員として初当選して下院議員を続ける中で、民主党の代表でもありました。今回の選挙で共和党が過半数を取ったことで、退くことになったそうです。娘がプロデュースした「Pelosi in the House」というドキュメンタリーがHBOから公開されたのですが、私も見たいですね。この記事を読むだけで、Pelosiさんのファンになるぐらい、魅力的に書かれているからです。

このドキュメンタリーフィルムで彼女は、当時のドナルド・トラップ大統領と対峙しているところが象徴的に描かれています。「glass-ceiling shattering」と賞されています。この意味は、次のページを参照してください。

彼女を称える文章が続きます。「If you think a woman can't beat Donald Trump, Nancy Peloci dose it every single day.」いやあ、このドキュメンタリー見たいですね。

彼女の政界での業績や出来事を振り返る中で、最も悲惨な状況は、2021年1月6日のトランプ支持派の暴徒によるアメリカ連邦議会議事堂への襲撃事件ですね。ここで使われている英語、「the Capitol」とか「pro-Trump mob」の説明は次のページで詳しく解説されていました。参考にしてください。

ちょっと付け加えるとすれば、連邦議会議事堂襲撃事件は1812年以来の出来事だそうです。

この記者は、2014年にPelosi氏にインタビューをしていて、その当時、民主党は下院で負けたので、彼女は年齢も考えて党首を退こうと考えたそうです。しかし、自分の業績が全く評価されていない思いが強く、Timeマガジンの表紙に載ったことが無いことに強い不満があり、成し得ていない仕事が残っていると感じたという事です。史上初の女性下院議長ということになぜ気づかないのか?彼女の後に下院議長にった共和党のBoehner氏(男)は、Timeマガジンの表紙を飾り、同じように上院議長のMitch McConnell氏(男)も表紙を飾っている。彼女は、自分の為ではなく、女性として二流として認識されてしまうのは正しくないと感じたそうだ。

トランプ政権時代に彼女は認められることになった。2018年の秋にTimeマガジンの表紙を飾り、トランプの弾劾手続き中の2020年1月に再び表紙を飾った。連邦議会議事堂の男どもは、5人と子どもと9人の孫を持つ母親を甘く見積もっていたのでしょう。不機嫌な大統領に立ち向かう時に、反抗的な子ども達を相手にしてきた多大な経験は、絶大な力があることが示すことになった。

ドキュメンタリーフィルムの中で彼女は言う、「People get tired, You can't get tired. You can never get tired.」政権中央における現実主義者にとって、大口を叩く思想がもてはやされているが、Pelci氏はそうすることに優れていて、女性はしばしば最上の支配力を示さなければならない状況にあると説明があるが、ここで、「the backwards-and-in-heels way」という表現が出てくるけど、この意味がさっぱり分からない。

少し調べていると「Backwards and in Heels」という本があるけど、この事を言っているような気がする。映画業界で女性の立場を確立した女性の話だからだ。こういう表現に使われているところを見ると、ベストセラーになったんじゃないだろうか。時間があれば読んでみたいです。

彼女の支配力の認識が遅れてしまって、Pelci氏にも、彼女の愛した民主党にとっても大きな犠牲をもたらしてしまった。今年の秋の選挙直前に夫が襲撃を受けてしまったことで、彼女が民主党の党首から退く決心をしたのは明らかだ。

Pelci氏が激しく抵抗していた共和党の過激派の後退なんか程遠い状況で、とうとう下院も今回から共和党が支配することになる。ということは、悪評で有名なMarjorie Taylor Greene氏が極めて大きな影響を及ぼすことになる。彼女の事も全然知らなかったのですが、過激なトランプ支持派なんですね。

こういう状況下で、Nancy Pelosi氏に見合うタフさを持った男が、どちらの党にしろ存在するのか?こういう風に記事は締めくくられているが、最後にまた分からない表現が、「to fill Nancy Pelosi's stiletto shoes」だけど、どういうニュアンスなんだろう。The New Yorkerは難しい。

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