Q思考 ウォーレン・バーガー(2)

なぜ、賢いビジネスパーソンが大失敗をしでかすのか?

失敗は、経営者が無能だからではない。問題を抱えていた企業の大半は、すでに優れている製品をもっと良くするためにイノベーションに力を入れていたが、世の中を変えるほどのイノベーションの本当の芽は低価格市場に生まれているということ。技術がどんどん進化していく市場の中で、値段が高く、仕組みが複雑で、利用する人が限定されている製品を手頃な値段で使いやすくすると、大衆市場が一気に口を開けてゲームのルールが変わってしまい、既存のトップ企業を倒せる可能性が生まれてくる。そんな時代が始まっていた。

優秀なのに「まっとうな選択」ができない。会社は、最優良顧客に買ってもらえるように優れた製品をつくり改良していくべきか、それとも既存顧客のだれも見向きもしない粗悪品をつくって、利益率も犠牲にすべきか?」まっとうなビジネスリーダーであれば前者を選ぶだろう。けれども、この一見論理的な選択が、会社の将来性にフタをしてしまった。

最優良顧客へ向けてサービスの向上をはかりつつ、一方で時代の変化を感じながら、常に先を読み、技術開発、能力開発を続けておくこと。が重要だと気づく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?