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絶対安心の境地

どんな場合にも絶対安心の境地というようなものはあり得ないのではないかという気がするのです。商店といわず、問屋さんといわず、メーカーといわず、そしてまた今日だけでなくいつの時代であっても、みな同じことではないか、それぞれの立場、それぞれの時代の中で、いろいろむずかしい状態に直面して、心配したり不安の念をもったりしているのではないかと思うのです。そして、そういう中で、それぞれにそうした心配や不安と戦い、努力して道を切りひらいているのだと思います。

心配もなく、努力もせずしてうまくいくということであれば、それはまことに結構ですが、そんなことはないのがほんとうだと思います。だから、皆さんが、流通界のさまざまな変化の中でいろいろ思い悩んだり、心配されたりするのは、これは当然あっていいことだと思うのです。

むしろそういう変化の中にこそ、生きる境地というものが見出されてくるのではないでしょうか。いろいろ心配があって、それで困った困ったということで敗北主義に陥ってしまってはいい知恵も出ませんが、かといって何の心配もなければ、人間努力もしないし、進歩もしない、お店の経営にも筋金が入らないということになります。

だから、どんな変化があろうと、どんな世の中になろうと、必ず生きる境地というものがあるという信念に立つ。そして、そうした変化の中でよりいっそうお得意のため、需要家のためを考えた新しい商売の行き先を、小さなお店は小さなお店なりに、大きなところは大きなところなりに考え生み出していく。そういうところから、今日の流通革命についても対応の道がひらけ、それがお店の繁栄にもつながってくると思います。そういう努力の中に、あるいは絶対安心の境地があるかもしれません。

★今日の気づき★

『絶対安心の境地』を無意識に求め、ここを軸に考え行動しているような気がします。人間の本能なのでしょうか?そもそもここは『絶対安心の境地』はないとわかった上で考え行動していくと、いつも見えなかったことが見えてきそうな気がします。そうすると不思議と苦しい、辛い、困った、、、などの気持ちにならないことを体感できます。苦しい、辛い、困っていて良い。ここがスタンダードとして今日から行動していこうと思います。今日も多くの気づきをいただきました。

さぁ〜今日の利他の心ではたらきますか!!感謝感謝 拝 

-商売心得帖 松下幸之助より-

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