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総合病院と町のお医者さん

世の中の進歩につれて、どんな分野でも専門細分化ということが行われるようになってきました。医学などもその一つの例で、今日ではいろいろな分野に分かれ、それに伴って、そうしたものを網羅し、高度の器具、施設を備え、たくさんの病床をもった大きないわゆる総合病院が多くなってきました。けれども、そうした総合病院だけでことを足りるかというと、決してそうではありません。その何十倍という数の町のお医者さんがあって、それぞれに多くの患者さんを診ているわけです。精密な検査がいるとか、大きな手術だとか、長期の療養を要するとか、そういう場合には総合病院に行くけれども、日常のちょっとした病気やケガは近所のお医者さんにみてもらう。いわゆるかかりつけのお医者さんで、一人ひとりの患者の体のことをよく知っているし、場合によっては往診もしてもらえるわけです。

また、そういうお医者さんは、日ごろから健康のことについて忠言してくれますし、健康以外のことでも相談役になってくれます。いわば家庭のよろず相談役というわけです。そのように、町のお医者さんは、総合病院ではできない大きな役割をしてくれると思うのです。

総合病院と町のお医者さんとが両方あり、それぞれの役割を果たしているから、社会全体として医療がスムーズにいっているわけです。こういう姿は、何も医療の場合だけでなく、お互いの商売についても言えることではないかと思います。お客様の立場としては、どちらにしてもそれぞれの良さがあって、両方ともなくてはならないものだということになります。役割を十分考えて、お客様とほんとうに密接に結びついた、お客様に喜ばれる血の通ったサービスをしていくことが何よりも大切ということになるでしょう。そして、こういう役割を大切にするということは、社会全体として、いわゆる流通問題を考えていく上でも大事だと思うのです。

★今日の気づき★

ついなんでもやってしまおう、引き受けてしまおうと考えてしまいます。この『総合病院と町のお医者さん』を意識すると、何を仕事として進めていけば良いか明確になることに気がつきました。地域社会では、いろいろな仕事をしている会社があるので、そもそも得意としている仕事はその会社にお願いし、地域で手がつけれていない仕事を進めていくことが共存共生になるし、地域社会の発展につながる。そこを感じながら新しい事業をどう展開していくか考え、世の中のお役に立ち続けていこ〜と今日も多くの気づきをいただきました。

感謝感謝 拝 -商売心得帖 松下幸之助より-

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