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荒波を切り鎮める「浪切不動明王」

見えない世界を伝える神社ナビゲーター市口哲也です。

「不動明王」といえば、大日如来の化身ともいわれ、不浄なものや煩悩、因縁を、その剣で断ち切り、炎で焼き尽くす、という厳しいイメージがあります。

高野山の南院「浪切不動尊」のご本尊は、弘法大師(空海)の自作で、唐から帰国する際、荒波を切り鎮め、大師を救ったという伝承があります。

本堂外陣の天井には、八大浪切龍王の天井絵があり、鳴龍(なきりゅう)と呼ばれます。外陣の中央で手をたたくと、音が響きます。

浪切は、猿田彦大神のご神徳である「みちびき」や「みちひらき」に通じるものがあり、また、大きな龍神さまがおられる、この浪切不動尊は、私にとっては、とても親近感のある、お不動さんです。

厳しいというよりは、包み込まれ、また励ましてくださる、やさしい雰囲気を感じるお不動さんです。

ウイルスや災害という荒波を、何とか切り鎮めてもらいたいです。

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