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気づきの輪をつくろう|DesignShip2021参加レポ

はじめまして。
web制作会社のデザイナー1年目、ヤタです。

最近自分が今後どうありたいのか、何を目指したいのかが明確に掴めず。絶賛迷子中です。なにか指標になるような刺激を求めて、道の表札を探すような気持ちで、先日、DesignShipに参加しました。
興味深いお話ばかりでとても刺激になった気がします。

中でも個人的に印象に残った部分をピックアップしていきます!

今デザインにできること/深澤直人

今デザインに出来ること

気づきの輪
自分が何か気づいていることは、ほかの誰かも気づいていることが多い。
「自分だけじゃなかったー!」と感じられる場があると、気づきに自信を持つことができる。このような集合的無意識はすなわちDesign Thinkingであり、これが形成されれば、「創造(共感を得ることを生み出すこと)」に直結していく。

気づける人たちが集団になると、このように大きな創造の場が形成されていくことがとても面白いです。思い返すと、大学のゼミ活動などもこれに当てはまっていたのかもしれません。何かしら共有の場があったり、デザインを学ぶ者同士のコミュニケーションは刺激的でした。 当時はこれにそのような価値があることに気づけなかったのが残念です、、

現在は社内でユニットという制度があるのですが、必ず週1はコミュニケーションの場が設けられています。ここでは案件での発見や工夫または悩み、クリエイティブに関するような共有を行っています。このような場の価値を最大限に活かせるように、私も日々アンテナをはってインプットし、気づきを拡散するよう意識したいと思います。


日常生活を共にする当事者と共創するアクセシビリティツールのデザイン/鈴木一平

日常生活を共にする当事者と共創する

カッコいい…!

なんだ…?!なんだあれカッコいい…!!!
私も使ってみたい!!!!

一旦、見ていただきたい。

まずなんといっても、プロダクトがカッコよくて引き込まれてしまいました。
「See-Through Captions(シースルーキャプションズ)」という、透明の画面に話者が話していることが文字となって字幕のように表示されていくプロダクトです。透明だからこそ、画面を注視しても相手の顔が見えて、コミュニケーションへのやさしさを感じました。

元々ろう者とのコミュニケーションのためにつくられたもので、このような文字の表示はコロナ渦のあの聞こえにくいアクリル板を通したコミュニケーション時や、翻訳ツールとしても機能する可能性が実験を通して見出され、ターゲット層が逆に広まっていったそうです。実際に、科学館や市役所の受付で実験を行なっており、博物館でこのプロダクトを持った人に案内されるとそれだけでサイエンス感というか、科学館への体験までも変化がありそうです。ほんとに実際見てみたい。科学館に常設されたら絶対案内してもらいたい~~~!好奇心が止まらないです。

考察や研究を通して、自然な形で行われていったインクルーシブデザイン、面白いです。過程でうまれた思わぬ視点に気づき、大事に拾っていくことでいいモノが出来ていく…。「気づき」とはジャンル問わず、どんな過程においても大事なものですね。

今できることでリリースする
シースルー・キャプションズの透明の画面に白っぽい文字が背景次第では見えにくい、というフィードバックがあったそうです。そこで鈴木さんは、話者が黒い服を着ることによって視認性を上げる対応を素早く行いました。画面の開発などではなく、今すぐに対応できることは即実行してリリースする。効率的ですし、コストも少ないアイディアに驚きました。


オルビスが体験を通して伝えるブランドの価値/小椋浩佑

オルビス

言葉の変化は、とらえ方も変化する。
オルビスのリブランディングのお話。
まず冒頭でブランドフィロソフィーについてのお話がありました。
老いに抗って美しくなっていく「アンチエイジング」に対して、本来の美しさを引き出す、多様な美しさを。と考えられた「スマートエイジング」。なんだか現代的で、時代にマッチした言葉だなと感じました。アンチエイジングと聞くと、若者はまだ使わなくていいやつか、、って考えて手をだそうとは思いません。しかしスマートエイジングなら、これ私も使える、、?!ってなりそうです。少し言葉が変化しただけで、ターゲット層までもが変わりそうですね。

体験を通して、ブランドの価値を感じてもらう。
リブランディングをしていく中でのインタビューにて、スキンケアがどんなものか詳しく知らないことが浮き彫りに。実際にその場で体験してもらうと「え~すご~い!」という驚きの反応があったようです。このインタビューからまずは体験をして頂くことが大切だ、と体験に特化した店をつくることに。
化粧品やスキンケアなどの体験型店舗って、自分の悩みに合ったものをその場で提案してもらえて試せるのでめちゃくちゃ楽しいですよね~。知識もつきますし。友人と一緒に行っても楽しめます。私と友人とでは全く違った提案がされますし、自分に合ったものを買える喜びがあります。機会があれば、オルビスの体験型店舗にも行ってみたいです。

お話を聞いていると、店内へのこだわりもひしひしと感じました。1階は誰でも体験できる空間、2階はより知識が高まるような構造。照明も太陽光を表現されてたり…繊細です。このこだわりを通して、ブランドの価値観を感じます。


ブランドの価値を示すために
このようなブランドにとって未知への投資は、どんなに良いなと思うものでも躊躇してしまいがち。しかし、新しい価値に投資するのは恐怖を感じることですが、ブランドにどんな価値があるのか示していくのもインハウスの大事なところだそうです。


デザインと言葉と/尾形真理子・岡室健

デザインと言葉と

このセッションは対話方式で、リアルタイムなやり取りを感じることができました。ルミネの広告をデザインしたことについて、お二人が対談します。

言葉の力とデザインの力
コピーがはじめにあってから広告をデザインするより、デザインが選考で、あとからコピーを考えたほうがいいかもね。というお話がありました。
言葉があるとデザインが言葉に寄って行ってしまう、ゴールが決まってしまうと岡室さん。絵にないことを言葉にした方が広がっていく、と尾形さん。
それほどまでに、言葉がもつ力というのはとても強いのでしょう。私は言語化が苦手で、言葉よりもイメージが先行する人です。たしかに先に言葉を提示されていたら、「なるほど」と即自分のなかで納得しますね。言語化された事象は、イメージ状態特有の曖昧さを失うので納得感があります。しかし、この感覚でデザインが決まってしまうと、広告のイメージの広がりが狭まってしまうかもしれません。
言葉の持つ力とデザインが持つ力が、良い塩梅で混じり合う秘訣を覗き見している気分です。

対話で行われる思考の整理
今回事例としてお話されていたLUMINEの広告は、女性がラーメンを食べている写真に「泣いたのはわたし、泣き止んだのもわたし」というコピーが添えられている広告でした。女の子たちには前を向く力があるよ。といったイメージをつくっているようです。
はじめはどうしてラーメン食べているんだろう、、と思っていたのですが、お二人が対談していくうちにそれが元気をチャージ方法のメタファーだということが明らかになっていきました。リアルタイムで解き明かされていく「それって(自分にとって)何だったんだろう」という、対話によって整理されていく思考や問いかけを感じて痺れました、、
対話による思考の整理は、おそらくどちらも「気づける人」でないと見逃してしまいそうです。このように、繊細に拾うためにもやはり気づきを意識していきたいところです。



おわりに。


自分がどうありたいのか、どうなっていたいのか。私はいまだにこの問いになかなか答えられずにいます。将来像を考えるには、あまりにもいろんなことに興味があるからかもしれません。今回、様々なジャンルのお話を聴きました。一貫して存在したキーワードは「気づき」。どんな道を選択しても、これは重要な力だと言えます。
「気づける人になる」ということも、今回の様々なセッションを通して見えた目標かもしれないです。

おそらく参加したみなさんも気づける人になりたい!意識していきたい!と思うのではないでしょうか。私もこの輪の一人になって、気づきの輪を広げていきたいです。


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