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基礎音楽理論のお話し②【モーダルインターチェンジ】

さて、前回モーダルインターチェンジについてお話しさせていただきました。今回はですね、その補足をさせていただきます。

というのも「これ結局どうやって使うん?」という疑念が浮かびまして、それを考えてみたらそれをちゃんと説明してないなって思ったんで改めてこの場で書かせていただきます。

まず、前回のモーダルインターチェンジ、「モードにもダイアトニックコードはあるんだよ」っていうのを書きました。

そしたら「じゃあなんでこれ説明してんの?コードによってスケール変えたら良くない?」みたいな疑問浮かぶと思うんですよ。そりゃそう。でもそんなコード毎にスケール変えてたらダイアトニックコードの範疇のコードでもスケール変えちゃう考え方になっちゃうしそしたらめっちゃ忙しいし頭がパンクすると思うんですよね。

要は「何を基準にダイアトニックコード以外のコードだなって判断するのか」っていうことです。

これを説明するにはダイアトニックコードのインターヴァルを

I II III IV V VI VII

っていうので表して説明しないといけませんね

モードダイアトニックコードインターヴァル

こんな感じでしょうか。さて、なぜこういう書き方が必要だったのか疑問があると思うんですけどこれには単純ですが大事なルールがありまして。

モーダルインターチェンジにはこの数字を当てはめて、使いたいコードとその機能を他のモードのダイアトニックコードから引っ張ってくるというのがこの技法の種だからです。

つまり、メジャーキーは

I IIm IIIm IV V VIm VIIdim

ですがこの中のコードだけで作ったら何か物足りない...そんなとき、別のモードのコードを使いたい。じゃあただ使えばいいかというと「コードのインターヴァルを意識せず」使ってるとなってしまうので「そのノンダイアトニックコードは何のモードのダイアトニックから引っ張ってきたの?」というのを説明できるもしくは意識して使える。またはそのモードの響きをいつでも繰り出せるようになる。こんなの知ってて損があるわけありません。僕は知ってて得もないことを調べるのが好きなんですがこれは得があるでしょう。

例えばクリシェ。これはクロマチックで上昇下降する動き(これはちゃんとした説明ではないです)例えば

Am Ammaj7 Am7 Am6

みたいなコードの動きです

または

Am E/Ab G D/F#

みたいなコードの動き。

これ、どっちがモーダルインターチェンジだと思います?

ぶっちゃけどっちもですが今回に関しては通常のモーダルインターチェンジということで二番目ということにしときましょう。

キーはAマイナーです

AmこれはAマイナーキー。そりゃそう。トニックコードです。

E/AbこれはAメジャーキー。もしくはAリディアンキーになります。

GこれはAマイナーキー。場合によってはAミクソリディアンキーにもなります。稀ですが。

D/F#これはAメジャーキー。もしくはAドリアンキー。

なぜこうなるの?

それぞれのコードは各モードのダイアトニックに対応してます。上に書いた数字とコードファンクション(コードの機能。マイナーとかメジャーとか)と照らし合わせると多分理解していただけるんじゃないかと思います。また、オンコード(分数コード)もそれに然りです。

このコード進行でじゃあ何弾けばいいの?

そりゃあAマイナーペンタが一番かっこいいですよ。万能だもんペンタって。でも今はそれを理論的に考えようっていうトピックなので理論的にいきましょうよ。

とはいえ、この場合マイナーメジャーマイナーメジャーを繰り返せばいけます。しかしよりコード感を出すにはマイナーリディアンマイナードリアンです。

なぜかというと最初はマイナーでいいとしてE/AbはAがルートで考えるとAmaj9、Eはmaj7として機能が働くのでEのmaj7はD#,つまりAでいうと#11の音。つまりリディアンのサウンドなのでAのリディアンスケールが弾けます。Gはマイナースケールのダイアトニックのb7のコードなのでマイナースケールでいいでしょう。D/F#はこのコードだけで見るとマイナースケールの範疇ですがドリアンですとこの場合のDのコードの機能、つまりD7のコード感を出すことができます。D7のM3rdの音はF#、7thの音はCなのでAのドリアンスケールのm3rdとMaj6が入ってるわけですね。説明すると難しいですねこれ。

これだけでなく、その他様々なコードを当てはめられます。それどころかそもそものキーをモードとして曲を書くこともできます。例えばよくあるのがドリアンキー。どこでも使われています。

Am7 D7のコード進行なんてどこにでもありますよね。コード表記を数字で表すと

Im7 IV7

となります。これはドリアンキーの表記です。ちなみにこの数字の事をディグリー(Degree)と言います。

では今日はこのあたりで失礼させていただきます。次回はメロディックマイナーのモードについて話そうかなと思っております。


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