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【マッチング理論】でわかる!マッチングモデルの成功イメージ

こんにちは。スマート法律相談の弁護士の勝部です。

近年、マッチングビジネスが流行りです。

マッチングビジネスとは、財やサービスの売り手(供給者)と買い手(需要者)を結びつける(マッチングする)ビジネス一般のことです。
自社で商品やサービスを売る必要はなく、需要者・供給者を結びつけるだけで収益が得られるので、「美味しいビジネス」「自分もやってみたい」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、マッチングビジネスが収益を上げるためには、マッチングという経済行動によって世の中の問題解決につなげたり、よりよい消費行動を促す必要があります。

今回は、こういったことを考える際に役立つ、「マッチング理論」についてご説明をしたいと思います。

マッチング理論

マッチング理論とは、様々な好みや希望を持つ人々同士をどのようにマッチさせ、限られた資源をどのように配分するかということを研究する理論である。様々な国家や社会に「制度疲労」が目立つ中、既存の市場や制度を分析する従来型の経済学と一線を画し、制度をどのように設計するかを究める「マーケットデザイン」の研究とも言える。2012年のノーベル経済学賞は、このマッチング理論を研究する米ハーバード大学のアルビン・ロス教授と米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のロイド・シャプレー名誉教授が受賞した。

マッチング理論では、安定性戦略耐性パレート効率を備える制度設計が主な研究対象です。

安定性とは、マッチングの結果に満足する人が多いことを指す概念です。
マッチングの形態には、一対一、一対多、多対多といった形態がありますが、いずれの形態においても、マッチングの結果に不満を持つ当事者が少ない方が、システムとして安定していると考えます。

戦略耐性とは、当事者が自身の希望を出す際に嘘をつくインセンティブがないことを指す概念です。
例えば、第一希望でマッチングできなかった場合、次に選ぶ対象がすべてなくなっているのであれば、「無理して第一希望に本当の希望を書かず、安全策として第二、第三希望を第一希望として意思表明しよう」という動機が生まれます。
このような行動に出る人が増えてくると、正確なマッチングができません。
そこで、そのようんじゃ戦略的行動に出ることがないように制度設計をする必要が出てきます。

パレート最適とは、資源が無駄なく配分された状態のことを指します。世の中に、財やサービスが無限には存在しない以上、これらを最適に配分すべきであることになります。

マッチングの価値創造

マッチング理論は、ともすれば経済学的な机上の空論に見られがちで、平坦に眺めているだけでは、なかなか現実のサービスに応用できる考え方はないように思えます。

しかし、マッチングの本質は財やサービスの配分の問題であるという視点で見れば、マッチングによってどのような価値を生み出すかがサービスの価値の源泉であることが見えてきます。

私は、マッチングの価値は以下の3つに大別できると考えています。

1 検索の手間を省力化
一般に、モノを買うときには、できるだけ安く、良いモノを買いたいと思うはずですが、それを探すためには知識や労力がかかります。
そこで、モノを集約し、単一の評価軸で分類して検索しやすくしてやることによってそのマッチングサービスを使うメリットが生まれてきます。
例えば、価格ドットコムは同じ商品を価格順に表示することによって、安いお店を見つける手間を省くサービスです。
統合ECサイトのamazon・楽天などもこのカテゴリに分類されますね。

2 ニーズの発見
商売を始めるとき、まず、世の中にすでにあるニーズに対して商品開発をし、それを広告して顧客を集め、収益を上げていきますが、ニーズが隠れていてそもそも世の中に供給すべき商品がないことがあります。
そのニーズに合わせてニッチな商品を供給するタイプのマッチングもあります。

例えば、職人同士が仕事をシェアするスマホアプリ「助太刀」は、職人個人が職人と仕事をシェアできるサービスです。
従来、ゼネコンや工務店が仕事を受注して、必要な人員を手配していましたが、職人が自分で職人を探すことができれば、様々な発注に対応することができます。
職人同士がコミュニケーションするインフラが生まれたことで、新しいニーズが生み出され、収益化ができました。

3 財・サービスの再定義
Uberなどがこの例に該当します。
スマホでタクシーの配車をするというサービスは昔からありましたが、普通のドライバーがタクシーのように運送サービスを提供するという発想が斬新でした。サービスの再定義をすることにより、従来のサービスよりも低価格を実現できるようになりました。
もちろん、タクシー会社に所属していないドライバーのサービスの質が低かったり、犯罪事件が発生したりというトラブルが発生するリスクがあるので、そのような事象をいかに解決するかが成功のポイントとなります。

マップ化すると

マッチングの形態には、BtoB(事業者同士)、BtoC(事業者と消費者)、CtoC(消費者同士)といった形態があり、上記の分類と掛け合わせると既存マッチングビジネスを以下のように分類できます。

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(引用元)https://www.airbnb.com/ https://www.uber.com/ https://www.ubereats.com/ https://suke-dachi.jp/ https://www.monotaro.com/ https://www.pairs.lv/

従来はインターネットの利便性+手間省力化でビジネスを大きくすることができましたが、市場参入者が増えてくるにしたがって、単純な掛け合わせだけではよいサービスが作れないという状況があります。

新たなニーズ、財・サービスの掘り起こしをしたり、pairsのように、従来と違った視点でマッチングを図るなど、市場をよく研究した上でアイディアを練ることが重要になってきます。

収益モデルとの組み合わせ

マッチングビジネスのほとんどが仲介手数料、つまりマッチングの成約によってその何パーセントかを手数料として徴収することによって成り立っています。
それ以外にも、掲載料、広告料、オプション料といった収益化の方法があります(オプション料とは、基本は無料でも、メッセージの送信数や掲載頻度などの機能を追加することの対価として追加料金を取る費用体系のことを指します)。

こういった収益モデルを上記のビジネスとどう組み合わせるかが描けて、初めてマッチングビジネスは一つのアイディアになると言えます。

マッチングビジネスって、本当に奥が深いですね。。。

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