朝倉未来vs萩原京平　〜現代のスター性とは〜

来る10月2日に、朝倉未来vs萩原京平の試合を見た。

今や日本格闘技のみならずトップYoutuberとしても話題の中心にいる男、朝倉未来。対する萩原恭平は格闘技ファンからしてはかつての五味やKIDにも似たスター性と殺気を纏った注目の若手ホープ。

朝倉の持つ全国クラスの幅広い世代への求心力と、萩原の持つ格闘技ファンへの確かなカリスマ性の求心力が、多くの注目度を集めた好マッチメイクだった。

その証拠に、生中継するU-NEXTは大会開始前に、視聴者が殺到しサーバーがダウン、一時間遅れの開始となった。

試合は、一方的に朝倉未来が萩原をテイクダウンしては削る、といった相手に何もさせない戦い方で圧勝。本人いわく「相手の苦手な/弱いところで戦う」というそのままを体現して見せた。

試合内容は盛り上がったものではなかったかもしれないが、それまでの両者の入場や表情で十分なほど緊張感を味わって楽しめたのだった。

朝倉未来はクレベル戦で負けはしたものの、確かに進化していた。フィジカルの強化に加えてレスリング力が上がっている。負けを自分でうまく消化して進めたのだと思う。

萩原京平も負けはしたものの、華があることは存分に見せつけられたと思う。確かにMMAファイターとしての技術の差は見せつけられたかもしれないが、そこはこれから猛追してまた再戦を目指すのだろう。

だがしかしやはり新時代の格闘家は今やかつての五味やKIDのようなオーラを持っているだけではスターの座になれないのかもしれない。朝倉のようにそれが計算であっても自然体であったとしても物語（ストーリー）をファンに見させられないとダメなんだなとも個人的には痛感した。

そういった意味でも萩原京平のストーリーはここから始まった。それも、最高な形だと思う。今後の彼の活躍からも目が離せない。