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Vol10.持久力を付けるためのトレーニング

自粛期間、スポーツができない状態が続いている人が多いと思います。やれることといったらランニング、自重トレーニングくらいしかないかもしれません。

自分も以前、ランニングくらいしかできない時、毎日ランニングしていたのですが、実際トレーニングをしてみると、息がすぐ上がってキツかったことがあります。ランニングしてたのに、キツいのはなぜ?と思うようになりました。

持久力をつけるためにはランニング!と思っているそこのあなた! その考え方は危ないです。ランニングもただ走っているだけでは、あまり意味がないかも、、しれません。では、どのようなトレーニングが、持久力を高めるのか、見てみましょう。 

○持久力の測り方

持久力の指標として、「最大酸素摂取量」という値があります。最大酸素摂取量は、体重1kgあたり1分間に取り込むことのできる最大の酸素量です。単位はml/kg/minとなります。持久力と聞けば、シャトルランを考える人が多いと思います。シャトルランは、最大酸素摂取量を推定するための運動です。

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文部科学省がこのような指標を出してくれています。自分は、最大酸素摂取量は50ml/kg/分でしたが、シャトルランは120回でした。まあまあ近い値は出せているのかなと思います。
なぜシャトルランでやるかというと、最大酸素摂取量を測るのはとても大変だからです。計測する機械が必要なので。ちなみに、トップのマラソン選手は、75〜80ml/kg/分くらいあるとも言われています。バケモノですね、、、。

○最大酸素摂取量が伸びるメカニズム

酸素摂取量が増えるということは、その名の通り、より多く酸素を取り入れられるようになるということです。つまり、持久力が上がったと言うことができます。では、酸素を多く取り入れられるようになるのはなぜでしょうか?

いくつかの要因がありますが、主な要因として、運動によって体内のミトコンドリアが増えるからです。ミトコンドリアでは、酸素を取り入れて、ATPというエネルギーが生産されています。キツい運動をし、エネルギー枯渇になった時に、体が順応しようとし、ミトコンドリアを増やします。筋トレによって、筋肉がつくのと同じような仕組みです。ミトコンドリアが増えることで、長い時間パフォーマンスを発揮することが可能になるわけですね。

○最大酸素摂取量を増やすトレーニング

最大酸素摂取量を増やすトレーニングとして、有効とされているのが、HIITと呼ばれている、高強度インターバルトレーニングです。田畑式トレーニングもその一つであります。このトレーニングのやり方は、興味がある人は調べてみてください。簡単な例で言うと、20秒全力で運動し、10秒レストを繰り返し行うといったトレーニングです。やったことがある人は分かると思いますが、正直めちゃくちゃキツいです笑。

今回紹介する論文では、この高強度インターバルトレーニングに、ウエイトトレーニングを入れた方が、最大酸素摂取量がより増加するということが言われています。田畑式トレーニングを考えた田畑さんの論文なので、昔の論文ですが、興味深いものです。

参考文献

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm1949/45/5/45_5_495/_pdf


○参考文献から分かること

まずは、高強度インターバルトレーニングが、持久力を上げるために効率が良いということが分かり、さらにウエイトトレーニングを同時にやると、より効果が出るということが分かりました。実験では、週に5回も田畑式トレーニングをやっていたので、相当キツかったと思いますが、最大酸素摂取量は確実に大きく伸びています。

最大酸素摂取量は、体重に大きく影響されますが、実験前後で体重は変わっていません。ですが、ウエイトトレーニングによって、筋発揮能力が大きく向上しているため、体の筋量が増加し、体脂肪が低下したとも考えられます。

サッカー、バスケなど、持久力が求められつつ、筋発揮も求められる種目において、このような高強度インターバルトレーニングとウエイトトレーニングを組み合わせて行うトレーニングは、非常に大切であることが分かりました。

みなさんもぜひ、練習メニューを考えるときには、このような理論を参考に、考えてみてはいかがでしょうか?

#運動生理学
#HIIT
#田畑式トレーニング
#最大酸素摂取量


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