見出し画像

「本を囲んだ語り部屋」2024/1/14 稲泉連さん『「本をつくる」という仕事』

日曜朝のX(Twitter)スペース「本を囲んだ語り部屋
年始初回の1/14は稲泉連さんの『「本をつくる」という仕事』を取り上げました!!

書体、製本、活版印刷、校正・校閲、書籍用紙、装幀、選書・流通、作家、本書は「本」に携わる人々の想いを明らかにする取材記録です。flierの要約には『本書に登場する本づくりに関するプロフェッショナルたちの本に対する想い、そして「本をつくる」という仕事の歴史などを知れば知るほど、本という文化の重厚さ、奥深さが分かってくるだろう』と書かれていました。

今年最初の語り部屋では改めて「本」を知るための1冊として本書を取り上げました。いかに多くの人の手を介して「本」が出来上がっているのかを知る良い機会となりました。要約の要約をしてくれたオカちゃんからは「本の要素ごとのプロジェクトX」という言葉があり、様々な人たちの丁寧な仕事が裏にあることを感じることができました。

語り合いの中ではオカちゃんの「本をビジネスにしていく上でのトレードオフ」というお話が印象に残りました。様々な人々の丁寧な仕事をビジネス文脈で見ていくと効率性とのトレードオフも出てきます。一方で「一冊の作品がもたらすイメージは内容だけによって作られているのではない」という点が本の奥深さのように思います。「製品」ではなく「作品」としての本をビジネスの文脈に載せていくことは難しい取り組みだと感じました。

絶版になった本を復刊するというサービスやプロジェクトがあることを知り、ビジネス文脈の中で「作品」を継承していくエコシステムの存在も素晴らしいと思いました。自分が好きなポッドキャスト「ゆる言語学ラジオ」ではパーソナリティのお二人が手に入りにくい本の中から推し本を探し、書店や出版社と一緒に復刊を行うという企画をしています。多くの人を巻き込み行動に移させてしまう「本」という価値に改めて気づかされます。

後半では本を書かれている立場でもある荒木さんに上がってきていただきました。目の前のものの裏側にある世界を想像する力はビジネスを見る目につながるというお話、その上でバンドルとアンバンドルの視点で価値を再定義していくお話も印象的でした。活版印刷の発明で大きく世界が変わったように、現代もデジタル化の中で大きく変化し続けています。その大きな潮流の中でどのように知識と知恵を重ねていくのか、いろいろ考えていくきかっけになったように思いました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?