作品採点:β
これまで味わい堪能してきた漫画、アニメ、ドラマ、映画。それらを独断と偏見で超主観的に点数をつけていこうという試みである。意味は作品それぞれを採点することでその作品の解像度を少しでも上げること、自分で作品を価値を推し量ることで悦に浸れること、暇空茜がやっていて真似をしたくなったなどが挙げられる。
なお、採点という形式の都合上どうしても悪く言う作品もあるので悪しからず。
①ドラゴンボール
ドラゴンボールヒーローズというアーケードゲームを通じて始めて知ったバトル作品。少年漫画の始祖、どうなりゃキャラが立つとか敵キャラに感情移入するだとかの、メソットを可視化した作品だと思う。いやそれは手塚治虫か、世代じゃないからわからん。とにかく原点
絵のうまさが異常だ、漫画が湧きまくってる昨今で絵のうまさで言えばトップだと思わせるのやばすぎる。男心をくすぐるキャラ、展開の立て方。最高
唯一物申すなら、というか少年漫画の宿命なんだけど、帰納的じゃないんだよな。名作ってある地点へ執着していくものだと思うから、ちょいとドラえもん的というか。だけどそれを凌駕する長所が何個もある作品
90点 基準やな
②HUNTER X HUNTER
俺は高2あたりでアニメから入った勢。
ハンターハンターはとにかくキャラよね。鳥山明って多分キャラをそこまで重要視してないっていうか、とにかく絵、なんだよな。どうすりゃキャラの引き立つ絵になるか、絵としてよくなる技はなんだ、モーションはなんだ、みたいな。どうやれば絵として読者を楽しませれるか的なところがあると思ってる。だから戦術とかない、基本脳筋。
富樫はキャラの立て方が鳥山とは真逆。とにかく賢さ、言葉遣い、勢力関係、一人一人の個性がキャラをどうよくさせるか、富樫は絵は二の次。
メルエムとか顕著だよね。言葉遣いからして上品
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ドラゴンボールは、もう、、
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同じボスでもこの差。別にドラゴンボールが劣っているとかじゃないんだが、鳥山にメルエムは作れないよね。ブウの写真も、偏向的に切り取って使った節はあるんだが、物語を平均してハンターは全員上品だよ。感覚的に
ヒソカvsクロロ戦とか、もう最高だよな。バトル漫画の完成形。全部は理解してないけど。クロロがバンジーガムで飛ばした頭脳を避けて「見えてたよ」で頭プレスした後ゴムで頭脳が返ってきてクロロにブチあてたあそことかもうやばい。ヒソカの「知ってる♡」で絶頂よ
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ドラゴンボールにはどんでん返しとか、あんまないやん。「スーパーサイヤ人で覚醒」とか脳筋しかない。ゴムの性質を生かしたり念を賢く運用する意外性。富樫まじ賢い
富樫は完璧主義だと思うのよ。物語を1から100完璧によくさせようとする、小賢くやろうとするたちなの、絵を除けばね。
だから時折、空回る。戦略とか、ちょいと理解しがたい節がある。富樫は100%ハンターの知識やら仕組みを知ってるから、それ前提で物語を描くよね。でも読者には80%しかハンターを理解してない者もいれば、60%、40%しか理解せずに読む読者もいるわけ。そうなりゃ100%の知識を前提として読まなきゃ理解できない作品なら、理解に苦しんで読むのを辞める読者もいるわけよ。
俺も100%してるわけじゃない。だから暗黒大陸編とかわけ分からんし、ヒソカvsクロロもクロロ何してるかわからん。でも時に50%の理解でもわかる部分ができてて、ぶちあがる。良さの緩急が激しい作品だと思う。
もうちょいドラゴンボール的に、ルールに縛られず描いてもええんちゃう?あんま肩に力入れすぎると休載期間が伸びる。頼んだぞ富樫
93点
③進撃の巨人
来たね、諌山。俺が中3の時、はじめしゃちょーが進撃のアニメ一期を同時視聴してたのを見て知った感じ。
のめりこんだよね。もうやばすぎ、この作品を読むために俺は生きてきたんだと思わされた。結論見てきた作品で最も面白いと思う。
多分初見は、座標とかが出てくるまでは何となく理解できていた気がする。そっからは「?」の連続。中学の知能なんてそこが知れてるわけ、ただ原点に向かっていく帰納的な展開に目を見開いた。そっからyoutubeで考察やらを見て、進撃をゆっくり咀嚼していき、今に至る。
ぶっちゃけ今でも100%理解はしてない。多分93%とか。進撃の能力とか、始祖のあれこれとか、不戦の契りとか。まぁ理解に及んでない部分はちょこちょこあるんだが、7%以外の部分よね。
何から話せばいいのかわからないが、進撃は物語として美しすぎる。「スーパーサイヤ人で無限に強化!」とかがないからいい。すべてに意味がある。
まずは巨人の弱点についてだ。弱点はうなじ。はじめはそういうもんなんだ、とただ受け流す要素だった。うなじにある理由なんてないと思っていた。だが巨人の正体は人間で、操縦席がうなじに位置していた。弱点に意味があった。
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他にも壁、ただ巨人を守るために太古の人類が作り上げたものだと思っていたのが、実は壁自体が巨人で、どうして巨人で、壁に守られていたのか意味があった。それもとても重要な。ラストフェーズに関わるような。
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普通の作品なら『壁外には超大型巨人や鎧の巨人などがうじゃうじゃいて、エレンの巨人は修行によって強化されていく。そして地球全体の巨人を駆逐し、海や氷の大地、砂の大地をアルミンたちとみて、ハッピーエンド』こういう進行になるはずだ。現存する作品はすべてこの程度。
進撃は、すべて渦巻いている。理由がないものに理由があり、理由があるものにはもう一つ理由がある。裏を突かれたと思えば、もう一枚裏があり、その裏にも裏がある。言葉にするなら次元が違う、比喩ではなく。
それでいてしっかり地盤として厨二性もある。そして知性も。
言葉使いがメルエム的というか、ベクトルで言えば心に訴えかける感じ
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怪獣8号とか酷いよね、というか他が優れすぎてるだけなんだが。
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これが一ボスのセリフよ。「お前との戦いは楽しかった、夢のような時間だった」だ?ちょいと稚拙すぎやしねぇか。
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同じ誉め言葉でもこの差よね。一敵として見習ってほしい。メルエムの言葉遣いから滲み出る鮮やかさたるや否や。
脱線したが、進撃は派手であり、知略的。それでいて哲学的だ。
唯一非の打ちどころがあるとするなら、序盤の画力だろう。あればド下手やね、あの下手さが巨人の怖さを引き立てているみたいな意見もあるが、終盤の巨人も大概怖い。
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諌山は5巻あたりまで、作画をやり直した方がいいと思う。こんな生涯歴史に名を遺す作品にもかかわらずあの出来だぜ?未来人に顔向けできないやろw。
あと硬質化の色ね。なんで壁の中に眠る巨人とエレンやらが硬質する色が違うんだ?灰色と透明なのはなに?
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これさすがに統一しても良かったやろ。伏線にもなったやろうに。鎧の巨人も硬質化状態やからわかるんやけど、なんなんこれ?
まぁそれこみで諌山一の可愛さでもある。生まれてきてくれてありがとう
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96点
④NARUTO
多分これ系の作品って思い出補正でどれだけ面白くなるかが決まるんよな。俺は高2あたりで漫画を読んだんだが、まぁ呪術やらハンターやらドラゴンボールみてたからね。
バック・トゥ・ザ・フューチャーが、バック・トゥ・ザ・フューチャーをパロディしたドラえもんを先に見たせいで面白くなくなった現象ね。これに関しては運。ドラゴンボールより先に見てたら、俺の漫画癖も変わってた。
80点 (敬意点がほとんどを占めてる)
⑤寄生獣
この作品すごいらしいね。なんかのマイナー誌で連載されてたにもかかわらず絶大に売り上げた、みたいな。
この作品の良さは、帰納性と、寄生生物への造形の深さね。あと思想的。
敵キャラがこうもリアリティを帯びて、一生物として構造を説明した作品はないんじゃない?実際に現実に起きた事例を元に作った感というか、歴史実学書を思わせる細かさ。
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設定厨系の作品って読むのにカロリー使うことが多いんだけど、寄生獣に関しては内容がスラスラ入ってくるよね。漫画的用法、魅せ方、言語化できない見えない部分が高度なんでしょう。
戦闘描写も知略的でいいですね。寄生生物の特性をフルで生かした戦いが描けていると思う。
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組織論やら、その辺の合理思想もいいね。国家単位で寄生生物を害虫としてフルボッコにしてく件もフィクション味がなくていい。寄生生物も合体やら身代わりやらで抵抗するけどあっけなく押しつぶされるとか。それでも後藤に勝てなくて痛み分け、みたいな物語の緩急のつけ方もうまい。
人間ドラマもいいね。シンイチやらミギーやら田村やら。寄生獣を感覚的に見抜く能力を持つ人間もなんかいいよね、意味わかんないんだけどぬるっと感覚的に納得できる感じ。その辺の塩梅が作者研ぎ澄まされてるわ。
実学的なんだな。これ見ときゃ寄生生物侵略してきてもどうにかなる、と思わせる力がある。とても面白い作品です。
94点
⑥呪術廻戦
アニメから入った勢。普通に見れるし分かりやすいしかっこいいし最高。まぁ少年漫画として普通すぎるのだが、こういう王道物は未来永劫増産されていく宿命にある機械的に。仮面ライダーだね。呪術もナルトもチェーンソーマンも、仮面ライダーや。時代ごとにとっかえひっかえで作り上書きされ続ける。仮面ライダー好きやしこの傾向に文句はないけどね。
世界最強のなんとか!特級最強はこいつ!みたいなベタなランキングも好きよ。Tiktokで流れてくるけど見るもん、A+S+とか。
まぁ、好きです
87点
⑦かぐや様は告らせたい
こういうのもやってくぜ。かぐや様は中3の時アニメから入りました。
高木さんとか5等分やら純正恋愛モノしか見てこなかった当時の俺に激震走ったわけね。こんなギャグ的に恋愛を楽しめるものなのか、と。
やっぱ俺の性癖はギャグにエロスがエッセンスとして組み込まれてるものなんだと気づかせてくれた作品。互いに貶しあい、いじりあい、蔑みあう。でもその刃の裏には信頼関係があり、適度に傷つけてもいいという暗黙の了解の上で成り立っている関係。
お互いにボケ、突っ込み、笑かしあう関係。俺の性のツボをイタ気持くらい刺激してくれる作品。
ギャグセンスが抜群よね。作者はコント師になって演者に脚本を売ればいいと思う。そんくらいギャク漫画として質が高い。
テンプレギャグものにしては目新しさがある、それもギャグのレベルが高いという要素だけで新鮮味を感じさせる純粋戦闘力の高さ。脳筋のくせに賢い。
ドラえもん的なのにのめり込めた希少な作品です。恋愛ってすごい
89点
⑧聲の形
初の映画レビューは聲の形にしときますか。いつ見たか覚えてない。多分中学のどこか。
基本的に映画って漫画やドラマに比べて短いから、キャラに感情移入したりいまいち世界観に入り込めなかったりと、個人的に作品として制限のある表現方法だと思うのだが。
それを差し引いてでも、どの作品にも劣らない見ごたえ、目を背けがちなタブー要素から生まれる思慮深さのある作品だ。
聲の形とはまた違う話なんだけど、映画って完結させたら駄作になると思うの。そういうのって漫画やら小説やらドラマのやることだと思う。1から100ね。対して映画は、1から100詰め込もうとすると、どうも行き詰まり感がでるというか、胃もたれする。
物語の1から100あるうちの、60~から80を描く、みたいな。一ある人生のうち帰納的で物語要素の強い部分だけを映し出す。それが映画であり短編(?)作品のとるべき姿だと思うわけですよ。
聲の形は、いじめとか、障害とか。それらを巡る一出来事を、簡潔に、質素に、滑らかに描いた作品で、ちょいと言語化がむずいんだが、タブーを元に主人公が変わり成長していくさまの一部を映し出した、映画とはこうあるべきだ!と映画の完成形を象徴する作品の一つだと思うわけです。
「映画を見たことない人間に一つだけ映画を見せるとしたらなんですか?」と問われれば、年齢がある程度いっているのであれば『聲の形』と答える。それくらい洗練された、映画という映像作品において研ぎ澄まされた完成度を誇る作品だと思う。
多分この作品を悪く言う人間は存在しないんじゃないの?変なフェミニスト以外はみな見入ると思う。地球に生まれ落ちたなら一回は見ましょう。原作読んでないから読みたい
91点
⑨千と千尋の神隠し
宮崎駿の作品を採点するのか…恐れ多すぎてゲボ出そう…
いうなれば駿の子供の出来に点数をつけるみたいなもんだ。世が世なら殺されてる。あくまで一意見だから、駿の人格を否定するわけじゃないから、そこんとこは...ね?
絵がやばいと思う。作画が一級品、これを超える映像作品はないと思わせるほど、細かいし、世界観の禍々しさを際立たせる大きな要因の一つだ。音も幻想的なキャラにあった最適なものばかりだ。違和感なく空想のキャラに音を当てはめるなんて大概できることなんかじゃない。
千と千尋に限らずジブリとは、一言でいうなれば、童話の究極系、なのかな。
ぶっちゃけこういう「答えは君次第だ」みたいな作品(エヴァとか)とか、どうしても没頭できないたちにある。ちょいと普段作品を見る脳とは別の、いわゆる芸術脳てきな。俺は備わってない部位でもある、芸術とかよくわからんし。
ジブリも芸術の一つなわけ。もちろん短絡的に「絵がいいね」とか「キャラが可愛い」とか、作品を表面的に楽しむことはできるよ。だってピカソの絵だって「なんか禍々しい」とか「やばい」くらいの感想は持てるわけだからね。
でもピカソがあの絵で言いたかったのって、そんな単純なことじゃないだろ?!もっと人間の醜さとか、汚い部分、もちろん綺麗な部分まで、人間とはこうだ!みたいな、俺の想像が及ばない部分まで、真意があったりするんだろ?知らんけど
俺は理解できない不思議なものに対しては、やっぱ嫌悪感を抱いちまうんだ。「なんでこんなわけわからない作品が伸びてるんだ」とか「みんな目を覚ませ、こんな意味の分からない作品を評価してはいけない!」とか。結論ジブリはわからんのよ、良さ。
どの作品も同じ感想を持つ、童話として完璧だ、最高傑作だ、と。(風立ちぬとか蛍の墓とかは別か)
だから、ジブリの点のつけ方わからん、ベクトル違いすぎるもん。ドラゴンボール的に絵に重きを置いて測るなら、90点あたりが無難だろう。駿、怒んないで!
90点
⑩ONE PIECE
高2の頃全巻メルカリで買って読んだ。
この作品が評価されてるのって、リーチの多さがデカいと思うんだよな。
とにかくジャンプの看板、一時代を築いた不屈の金字塔。そういう栄光で漫画が面白く見えてしまう魔法にかかっている人が多数いるんじゃないかと思っている。単純に作品として質も高いんだが、どうも後々生まれる天才漫画家に見劣る部分も否めない。尾田栄一郎にも独自の良さはもちろんあるんだが、俺好みではない。
ずっと漫画を描き続けるという才能はピカイチなんだけど、作品としての評価だからね。長いな、しょうがないけど。尾田栄一郎リスペクト
83点
⑪ワンパンマン
中学の頃、弟と一緒にアニメ見ました。
やっぱ無双いいね。あるようでなかった設定よね、無気力な一般人が敵をワンパンして萎える、みたいな。
ストーリーわかりやすいよね、アニメ。漫画も躍動感半端ないし、非常にいい!成人向け仮面ライダーみたい!熱くていいぞ!
87点
⑫ブルーロック
キャラ立ちもいいし、厨二だし、画力もバカ高いし、漫画的用法も高次元で使えてるし、言うことないよな。
少年誌はこういうものを指すんだよ。俺が頂点だ恐れおののけゴミども、っつー漢魂よ。
88点
⑬1Q84
小説も批評しますよ。俺が唯一読んだ村上作品。
申し訳ないけど、4巻までしか読めてない。そこまでの過程での総評なんであしからず。
ほんとに上品だよね、景色の彩度が高ぇから情景がありありと浮かぶ。どこか単調で堅苦しい文字使いなんだけど、滑らかさもある。宝石の原石にローション塗ったみたいな。煌びやかで美しい鉱石がローションのテカリでより際立ってる的な
内容は「死」と「エロス」。小説は、殺してパコって追われりゃおもろくなることを知った。
普通におもろいんだけど、結局時代負けしてると思うんだよな。やっぱ小説は即効性がない。NetflixやらYouTubeやったら10分~15分で得られる笑い、面白ってのが、小説やと数時間とか平気でかかる。動画やとゲームやら家事やらの片手間でもできるしね、誰が馬鹿正直に文字なんて読むねん、映像化するにしても近代的な内容でもないしな。
文字書きとしては得られるもんあるし、これからも村上作品掘るぜ。
88点
⑭殺戮にいたる病
快楽殺人者が出合い頭女をブチ殺して死体でパコるっちゅーエログロサスペンスなんだけど。
初めてまともに読んだ小説がこれ。高1の頃ひろゆきが薦めてた切り抜けが回ってきたから買ったんだけど、ページをめくる手が止まらんかったね。
主人公の異常なさまが上品な表現と言葉遣いで感じられないんだな。絞殺される様子とか、リアリティ溢れすぎ。胸部とか陰部を刃物で切り取って持ち帰るんだけど、描写上手すぎて目瞑ったもんね。理解不能な感性のはずなのに、変に納得できてしまう。
ラストの主要キャラが交錯しあう切羽詰まった感じマジで面白すぎた。ほんま記憶消したいわ。我孫子武丸マジで天才だ。
92点
⑮ルックバック
最近映画化して話題の作品。
綺麗だよね、絵もコマ割りも言葉遣いも緩急も。
才能あるやつのくどいくらいの執念、高め合う二人の友情、if世界で再び出会い交わる世界観、どれも頭抜けた描き方で藤本タツキの才能が顕著に出ている作品や。
短編とかこうあるべきだね。変に設定を練って描くべきじゃないよな、無茶読みやすかったしバカ感動した。
93点
⑯映画:ルックバック
おい、俺が物申したいのはこれだよ、映画版ルックバック。
結論、この映画はルックバックの天才性を引き出しきれなかった消化不良の駄作!ルックバックを漫画的にのっぺり映像化した同人映画だと思っている!
この作品を評価してるのは、漫画版ルックバックを知らない方だけだ!詐欺だよなこれ。映像作品としてはとるに足らない、煩悩作品といっても差し支えない。
まず良さ。シンプルに話が面白い、絵が綺麗、くらいやな。ほとんどが漫画版ルックバックの恩恵によるもので占められている。
対極に悪さ。まずカメラワークが単調、要所しか画面に躍動感がない。そこを際立たせるために、道中をあえてしっとりさせたという言い分もわかるが、だとしても手抜き感が否めない。
そんで映像的用法がまったくない。最後の藤野が思い出をフラッシュバックするシーン。なにあれ?漫画じゃ藤野と京本の場面を一枚絵として堂々と描き置くのはわかんねん、漫画的にそれが限度やしエモさも際立つ。ただ映画で一枚絵を単調に垂れ流すてなに?もっと躍動感持たせろよ。漫画の表現をそのまま持ち出すって何事や。完全に漫画版をリスペクトして原作再現しましたっつー免罪符で怠けてんの見え見えや。
冒頭の藤野が漫画カリカリ描きとめる長いシーンいらんて。少女が頭ひねらせながら書き留める20秒。なんなんあれ、エモくねーし時間返してくれ。ホリエモンも見に行ったらしいけど、あのシーンで帰らなかったか不安やな。どうせスマホ見てたと思うがな!
天才の作品が汚されたようで悲しいです。
87点
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