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【詩】ネイビーブルー雑巾🪣

あの時の気持ちが色褪せるのこわくて

繰り返すのをやめた

でも

あの時の気持ちをもう一度味わいたくて

また繰り返した

でも

あなたが笑ってくれた

締め付けられ切り取られた胸の無痛感覚

探せば見つかると世界中の引き出しを
あけたり しめたり 不合理ですか?

それともありきたりな明日が
きっと 輝いてると 闇雲に

     過去への盲信が
     原動力となった
     そんなわたしは
     無様でしょうか

未来があるのは知っている
でもわたしには汚れた雑巾
あなたたちは無条件に
なんの疑問も持たず
いつも新品が与えられ

           屈託なく笑う
           その口元が
           憎くて
           憎くて
           仕方ないんだ

  世界はよく笑う子を歓迎し
  わたしにはいつもおさがり
  よく喋る子はかわいがられ
  わたしにはつめたい眼差し

      すみっこ
      生乾き
      虫を追い
      路頭へ

顔を上げると皆
大人のような顔つきで
また『あの』眼で
見下ろすようにわたし

          ぴちょん
          ぴちょんて
          この汚れた雑巾から
          滴り溜まった
          この水を

   何度ぶち撒けようとして
   心に言い聞かせてきたか

でも

そんな忌むべき雑巾を
大事に大事に
持っているのは

   いつか新品だった
   あの時の気持ちを
   手放せない勇気のなさが
   全てを招いたと
   とっくに知ってる戒めの

人が
  社会が
     わたしの大事なモノに
               熱湯をかけ

おしえ さとしても

望んでわたしは
あのすみっこへ
生乾きの雑巾を

それでも

抱えて
無様に
生きる

洗えば
使える

わたしの心

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