傾聴力 大津秀一さん

1000人の患者を看取った医師が実践している傾聴力のお話

聴くこととは話し手にストーリー(人生)を話してもらい、自身で実感してもらうこと。職業柄、緩和ケアでの「生きる意味」を模索するような重い事例が多かった。日常で頻繁に出会う場面ではないが、解釈は仕事や家庭でのコミュニケーションに応用可能だと感じる。


悩んでいる・困っている人を助ける傾聴力

人生には4つのペイン(物理的・精神的・社会的・スピリチュアルペイン)がある。スピリチュアルペインとは、「存在意義」など概念的な痛みのこと。私の解釈では、話し手がどんなペインを持っているのかを聴くことが、困っている人を助けることへの第一歩である。全てのコミュニケーションには「話し手のニーズ」が含まれていると考える。その後は?

話し手にストーリーを話してもらうことで、ご本人に抱える問題を再認識してもらう。会話の中で、新しい意味付けをしてもらう。そのために時間をかけた傾聴が必要となる。アイスバーグ理論と同じだと思いました。表層の会話からは見えない背景がたくさん隠れており、それも含めて聴こうとすること・話し手に改めて整理してもらうことが助けにつながるのだと思います。


聴く技術(私のきになったところだけ抜粋)

・聴く環境を整える(落ち着いた環境、礼儀正しく、態度を明確にする)

・沈黙も大事にする


まとめ

聴く力は、話が上手である必要はない。気の利いた回答をする必要はない。答えのない質問もたくさんある。支持的立場を取りながら、聴く技術を使いながら、時間を掛けて、話し手の人生(悩み)に新しい意味を持たせることが傾聴なのだと感じた。

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