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慶應義塾大学総合政策学部特別招聘准教授に就任しました。

こんにちは。千正康裕です。
10月1日から慶應義塾大学総合政策学部招聘准教授に就任しました。

既に、初回の授業を終え、授業後に提出してもらった学生のレポートも見ました。熱心に参加してくれる学生が多く、またレポートを読んでいると、自分がした話を学生がどのように消化してくれているのかが分かり、とても楽しいです。

厚生労働省を退官してから、ちょうど3年です。
役所を辞める時から、これから特技を生かした色々な活動をしていこうという思いで走ってきましたが、一つこれはやった方がよいのではないか、社会に貢献できるのではないか、と思っていた活動が大学で教えるということです。

これまで、単発の講義をしたことは何度かありましたが、毎週一コマ秋学期を通して授業を受け持つのは初めてのことで、新しいチャレンジにわくわくしています。

授業をするにあたって、専任の教員や研究者とは異なる言わば実務家として、どのような価値を学生に提供したらよいか、色々と考えました。

自分が教えられるのは、もちろん政策のことなのですが、学術的なことは、専任の教員にかないません。自分の役所時代やその後の経験もベースにしながらリアルな政策形成のプロセスを伝えていきたいと思うに至り、「セクター横断型の政策形成」という講義にしました。

単に、今の政策形成プロセスを身近でない国の仕事として、伝えるのでなく、学生に自分ごととして、なにか課題解決をしようとするときの、解決策(政策)を作ることの難しさ、そして解決策(政策)について合意を取ることの難しさも感じてほしいと思います。

政策の社会的合意というのは、最もステークホルダーの多い複雑な調整過程です。このプロセスを理解し、政策提案の手法を学ぶことを通じて、「自分に決定権はないけど、変えたほうがよいこと、実現したほうがよいこと」があった時に、どのように動いていけばよいのかという知恵を得てほしいと考えています。

学生の中には、公務員志望の人もいますが、みんなが将来政策を仕事にするわけではありません。民間企業などに就職しても、社内・社外との意見調整の連続だと思います。もちろん、仕事の中でも生活の中でも政策との関わりが出てくることもあるでしょう。自分が実現したいことについて、賛同者をどう集めて、反対者を説得していけるかという力があれば、きっとやりがいのある仕事や活動ができて、成長し、社会にも価値を提供できる人になれるのではないかと思っています。

この授業が、そんな学生の皆さんの将来の一助となれば幸いです。
また、自分自身も若い学生の感性から、新たな気づきを得られることを楽しみにしています。




株式会社千正組では、多くの方が政策や政策提案について学ぶことができる定期購読マガジン「政策人材のための教科書」を発行しています。下のリンクから紹介記事をお読みいただけますと幸いです。

政策人材のための教科書 ~現場の声を政策につなげるために~|株式会社千正組|note



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