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遺体への考え方にカルチャーショック

みなさまこんには。
元外資系航空会社国際線日本語話者客室乗務員のやすりんなんですから。

秋が深まってきて日本の紅葉を思いながら、ベルギーの雨と曇りのどんよりとした毎日を送っているんですから。

みなさまは、いかがお過ごしなんですから。

先日、友人のお母様が亡くなったのですが、死から葬儀さらにその後まで、日本とは随分と考え方、扱い方が違うんだなぁと思ったことや感じたことなどを綴ってみようと思うんですから。


まず、一通りの流れです。

2023/11/8 (木)、お母様の死期が近いと聞き、老人ホームを訪れました。ベッドに寝ていました。どこが具体的に痛いのかはわかりませんでしたが、数日前から痛みを訴えていて、医者からモルヒネを処方されていました。

2023/11/9 (金)、早朝に老人ホームからの電話連絡で、お母様が亡くなったとのこと。その日の夕方には、家族で葬儀屋さんと打ち合わせ。

2023/11/13 (月)、お母様の遺体にお別れを告げるために、葬儀場へ。

2023/11/16 (木)、火葬。

2023/11/17 (金)、お別れの会。納骨。コーヒーテーブル。

という一連の流れでした。

お母様のご遺体はどこに。。。

わたくしはお母様の死の知らせを聞き、まず思ったのは、誰がどうやって老人ホームにお母様の遺体を迎えに行くのだろうということでした。友人に尋ねると、葬儀屋がする、との答えでした。家族は誰も行かないんですね。。。

その日の夕方から家族が集まって、葬儀屋と打ち合わせがありました。

  • 火葬にしますか、土葬にしますか。→火葬にします。

  • 火葬場の空き状況を確認して、火葬の日を決定。(7日後)

  • 火葬に家族は立ち合いますか。→しません。

  • 遺骨はどうしますか。散骨しますか、墓地へ埋葬しますか、それとも家で保管しますか。→墓地へ埋葬します。

  • では、これから、骨壷を選びます。→別の部屋に展示されているものから選択。

  • お別れ会をしますか。→します。

  • お別れ会はいつしますか。→葬儀場の空き状況を確認し、決定。(8日後)

  • お別れ会は家族だけでしますか、人を招きますか。→招きます。

  • お別れの会は教会でしますか、葬儀場でしますか、それともどこにしますか。→葬儀場でします。

  • お別れ会の招待状を作りますか。→作ります。

  • それに載せる詩は何がいいですか。→お母様が生前に書き留めていた詩を提出。
    (その場で試作して、誤字や脱字などを確認する。帰る頃には数十枚の印刷ができていて、さらに封筒に入れてある。専用切手も渡される。)

  • お別れ会の後、コーヒーテーブル(*)を設けますか。→はい。
    ((*)コーヒーテーブルはお別れ会をして墓地で納骨をした後で、お別れ会の参列者たちに軽食を振る舞う機会です。)

  • コーヒーテーブルはどこでしますか。→数箇所の候補地から選択。その場で空き状況を確認し、決定。

  • そこでは、何を振る舞いますか。
    - サンドイッチは?→はい。
    - ケーキは?→はい。
    - スープは→はい。

で、みんなその後、お父様のお家へ行って、誰をお別れ会に招くのかを話し合って、招待状の宛名書きをしていました。ご近所の親しい人には、直接、それをポストに入れました。さらに、招待状にはpdf版もあり、Eメールやワッツアップで送ることもできます。

また、葬儀場のホームページにも、家族の了承を得た上で、誰が亡くなりいつお別れ会が行われるのかが記載されていました。それを見た人が直接、弔いのメッセージを書き込むことができ、遺族がログインしてそれを読むことができます。

遺体への考え方にカルチャーショック

わしはお母様が息を引き取ったという知らせを聞いてから、お母様のご遺体のことが心配でした。火葬の日まで、誰もついていてあげないのだろうかと。お母様は寂しくないだろうかと。ひとりぼっちでかわいそうじゃないかなと。。。この考え方は日本的なんでしょうね。

友人に尋ねてみました。

「お母様のご遺体はどこにいるの?」→「別の葬儀会場に保管されているよ。」
「火葬前にもう一度会える?」→「もう会えないよ。」(その後、予約したら会いに行けることが分かった。)
「お母様のそばに誰もついていてあげないの?」→「あげないよ。」

ご遺体をひとりぼっちにすることが、わしにとってはかなりのカルチャーショックでした。
その後、こちらの人にそのことを話したら、地域や時代によっても考え方が違うとのことで、その人が子供の頃におばあさまをなくした時には、葬儀までご遺体を家に置いていたとも言っていました。

なので、一概には言えませんが、わしは今回、欧州の「個人主義」を死期から葬儀までも感じたのでした。


日本では遺体に対する執着がある、なんてことを聞いたことがありますが、欧州でも土葬が普通だったわけですから、死体への執着はあるわけですよね。エジプトのミイラなんかはその例ですよね。

みなさんはどのように感じられますでしょうか。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
それでは、また。

追伸、お別れ会に訪れる際、お香典は要らないそうです。


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