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Mr.Children30周年記念すべき日に『歌々の棲家 named Mr.Children』の感想

5月10日はMr.Childrenメジャーデビュー日
今年は30周年という特別な年なだけあって
ファン界隈は勢いが止まりません

ということで
今日はこの本の感想を書いてみたいと思いました



購入してから早2ヶ月
チビチビ読んでなかな進まなかったのを
半分以上を一気に読んで、やっと完読できました


巻末に近づくにつれ著者である音楽ライター森田恭子さんへのリスペクトがどんどん大きくなって、読み終わってそれが大きな感謝へとなりました


30周年を迎えたMr.Childrenというバンドにずっと関わってきて
このタイミングでこのバンドへの愛情溢れた本を書き上げて出す
ということを成し得た凄さ、
尊敬しかありません

きっとこんなことを書くと気を悪くするファンがいるかもしれないけれど
解散とか、継続不能になってしまったり、なんらかのカタチでバンドが終わってしまった時にこういったバンドの軌跡的な本が出て売れたりするのだろうなぁとは思う

解散するときや引退する時にベスト盤を出すと必ず売れるという アレ的な感じ

でもこの本は
今もまだまだファンから見たら
全然衰える様子もなく
逆に進化し続けているバンドの記念すべき30周年というこのタイミングで出版されました
読み終わってそれがすごく嬉しかった

内容は著者のモリキョンさんが ライターとして
Mr.Childrenと関わってきたインタビューの様子や ライブを観て感じたことがなどが描かれています

森田恭子さんを知る方はすでに知っていると思いますが
簡単に経歴を紹介させていただきます

音楽雑誌『PATi・PATi』創刊時よりライター・編集として活動。
その後ご自身で編集を携わるボーカル専門誌『BREaTH』を創刊。
2003年にご自身で製作・発行を行う音楽カルチャー誌『LuckyRaccoon(ラッキーラクーン)』創刊
FM COCOLOにて『おとといラジオ』DJを務めたりしている方です

Mr.Childrenの歴史とともにモリキョンさんご本人の経歴も一緒に描かれています

この方 Mr.Childrenデビュー4ヶ月前に、彼らの曲を選曲しラジオでオンエアしたという神のような方です
5月5日にNHKラジオの『今日は1日ミスチル30周年三昧』という番組内でも
「初めてMr.Childrenの楽曲を公共の電波で流した」とおっしゃってました
すごいお方なのです


私がこの本の中で一番惹かれたのが
インタビュアーの思惑という項目です
ここではインタビューをするときに、”どこまで踏み込んで質問するか
など取材時の駆け引きなどについて、インタビュアーとしての葛藤のようなことが書かれています

その中でもバンドの取材は意味があるのか?という場面で
えらく共感したのが
”Mr.Childrenの音楽に救われたとかいう話は嬉しいけどそういう人は雑誌のインタビューは読まないと思うんです”
という桜井さんの言葉
インタビューする側にしてみれば確かに、
"では 今自分がしていることはなんなのか?”って思ってしまうでしょう

私自身、映画を観るとき
まずは、作品を観たい!と思ってしまう
メイキングの意図などはどうでもいいのです
俳優さんたちがその役を演じるのにどんな苦労をしたとか
そんなことはどうでもいいのです

それと同じニュアンスを感じました

とわいえ、昔は音楽雑誌も好きなアーティストが載ってるものはよく買って読んでました
でも、楽曲に関しても映画と同様で、聴いて好きになる、好きだから聴く
これが全てで、確かにどうゆう思いで作られた曲なのか、とかあまり興味がなかったです

それは昔からずっとそうで
アルバムに関しての思い入れとかって読んでてもあんまり興味がなかったかも、

そして
”音楽を聴いてどうゆう気持ちで作ったんだろうって想像する方がインタビューを読むより素敵な気がする”
との桜井さんの言葉に激しく共感しました
そうなんだよ、そうなの、
そこがまた、曲に愛着がわくところなんだよ、と

それを聞いたモリキョンさんも
”がっかりするどころか 説得力のあるためになる話だった”
と思ったそうです

けれども
”それでも読みたい人がいるなら読んでほしいから書いている”と

私も、映画にしても自分で感動したり、観終わって消化不良だった時などはやっぱり作品の真意を知りたくなりそれこそ、そういったインタビューや作品についての記事を読みたくなる時があります

自分の感じ方と他者の感じ方が違うのが また,おもしろかったりします

モリキョンさんの「旅立ちの唄」に関して(作者の意図)の桜井さんへの質問を「言いたくありません」と返されたくだりを読み、モリキョンさんの解釈を踏まえてまたじっくり聴いてみようと思いました

映画の話もちょいちょいあって
その中でも桜井さんが「エンニオ・モリコーネ」の映画サントラ曲を聴いているという話のところで「ミッション」という映画の題名が出てきて
なん〜となく その題名で昔観た 若かりしロバートデニーロの映画が思い浮かんだのだけど、
”日本では公開されてない映画だと思う”
とあったので、「ミッション」なんて題名の映画いくらでもありそうだしなぁ と思いながら読んでいました
後で調べたらそのなんとその映画がまさに「エンニオ・モリコーネ」が楽曲を手がけている作品でした。
モリキョンさんは映画を観ずに「ミッション」のサウンドトラックを聴いて感じたことが書かれていて、映画の内容イメージそのままのだな、と感心してしまいました。
私も聴いたら映画のシーンを思い出したりするかなぁとちょっと聴きたくなりました

後もうひとつ

「状況がどうであろうとその中で楽しみを見つけたい
条件によって楽しかったりそうじゃなかったり
いちいち左右されるのはあんまりよくないと思うから」

という桜井さんの言葉に
ここもえらく共感してしまって
その後に続く

「そうなっちゃうこともあるかもしれないけど、
あんまりそうはなりたくないと思うんで」

この付け足し部分があっての『桜井さんの言葉』って感じが出ていて、本当に読んでいて嬉しくなってしまいました

私自身、最近、自分の外の状況がどうであれ、フラットでいたいなぁと
そうありたいなぁと思ってます、
でも、外の状況に振り回されることもあるのだろうけど、
なるべく、自分の内でちょっとでも幸せを感じられたらいいなぁと思ってます

多分この本の中の感想を事細かに書くと終わらなくなりそうなので
とにかく、著者のミスチル愛に満ちた本でメンバー4人の特徴もモリキョンさんならではの表現が素敵でした

差し色のピンクが可愛いいEpilogueを読んでいて、
音楽ライターならではのEpilogueだなぁと感じながら
モリキョンさんに比べたら全然比にもならないくらいしか音楽聴いてない私だけど
すごく共感できる最後のページの言葉たちが
胸に沁みてちょっと泣けてしまいました。

読んでいて(Mr.Childrenファンだからこそ)とても楽しめた一冊でした
森田恭子さん、ありがとうございます

最後まで読んでいただきましてありがとうございました






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