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パパ活してたら間違って異世界に召喚されてお詫びとして女神とパパ活してたら人類最強になっていた件(5)

「お前は最初の頃、もっと女神らしかっただろーがっ」
「あれは仕事用じゃ。勇者でもないお前にそこまでしてやる必要はない」
この女神──アストラエアは、俺を間違ってこの世界──異世界に召喚した駄女神だ。
「それで俺はこの世界でどうやって生きていけばいいんだっ」
「知らん。どこへなりと行けばよかろう」
「こ、この野郎⋯⋯」
しかし、怒って前みたいに飛びかかるわけにはいかない。俺には固有スキル超回復があるが、女神の雷撃魔法を受けると、それはもうものすごく死ぬほど痛いのだ。
「お、俺を追放するっていうのか。こういうのはな、追放すると復讐に燃えた俺がレベル999になって最強パーティを率いて女神を倒しに帰ってくるんだぞっ」
「そ、それは嫌じゃ⋯⋯」
「しかも耐性無効のチートな状態異常スキルでお前を麻痺させようが盲目にさせようが俺の好き放題というわけだ。後は何が言いたいか⋯⋯分かるな?」
アストラエアは青ざめている。俺の実力に恐れをなしたのだろうか。
「わ、分かった。お主の言う通りにする。それで、わしは何をすればいいのじゃ?」
よし、と俺は心の中でガッツポーズをした。俺が現世で必死にパパ活をして培ったコミュケーションスキルがこんな所で役に立つとは、若い時の苦労は買ってでもしろという諺は本当だったんだな。
「そうだな、それならお詫びとして、俺とパパ活をしてもらおうか」
「パパ活? 何じゃ、それは?」
この駄女神はパパ活を知らない。ババくさい女神といえやはり女神は女神、清純派ということか。腐っても鯛だな。
「パパ活というのはな、俺みたいな素敵なおじ様と、お前みたいな美女が(おえっ)一緒に楽しく過ごしてお手当てを⋯⋯」
「お手当て?」
「いや、すまない、こっちの話だ」
お手当てを出すのか? 俺が? この駄女神に?
しかし、お手当てを出さないわけにはいかない。なぜなら、お手当てを出すことによってのみ、パパ活は成立するのだ。お手当てを出さなかったら、それはただの恋愛だ。この駄女神と恋愛をするなどありえない。
「よし、分かった。その対価として、俺がその勇者ギデオン?とやらの代わりに、この世界を救ってやろう」
そう言った途端、アストラエアの表情がパッと明るくなった。
「ほ、本当か!? 本当にこの世界を救ってくれるのか!?」
「うむ、おじに二言は無い」
なぜなら、いつも顔合わせの後、即ブロックされ、二回目に会うことが無いからである。
「さーて、そうと決まったら、お前にはまずその口調をやめて、キャバ嬢みたいなドレスもやめて、立派なパパ活女子になってもらおうか」

つづく

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