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日本の業務生産性向上の鍵はバーティカルSaaS化

現場の課題

ビジネスにおける日本の強さの根源は現場にあるとよく言われます。
実際、過去の自分の経験で言うと、業界や会社サイズを問わず、気が利いて勤勉かつ多能な現場担当者達の力で、現場が運用されていることが少なくありませんでした。

実際こうした現場の負担を少しでも下げようと、非戦略的的業務における単純作業を自動化省力化すべく、RPAを導入するという事案も増えてきました。

ただこうした自動化が仮に進んだとしても、現場における戦略的・付加価値業務の生産性をどう高めるか?という課題は、以前として大きな課題です。
デジタルトランスフォーメーション(DX)などの言葉が叫ばれ、デジタルを駆使してビジネスモデル自体を見直そうという掛け声はありますが、結局現場の観点からすれば、経験から来る効率的な「段取り」や、効果的な判断を生む「セオリー」など、現場に埋もれた「暗黙知」をどう仕組み化して再現性を生み出すかというのは、今後も重要なテーマとなっていくでしょう。

そういう意味で、割り切ってERPを使う欧米式ではなく、現場を優先するべく、パッケージを複雑にカスタマイズしたり、自前のシステムを持つケースが多い日本では、業務システム自体にこの暗黙知が詰まっていることも少なくありません。

バーティカルSaaSの波

一方クラウド業界においては、2017年頃から「バーティカルSaaS」という言葉が登場しました。これは業界・機能特化型SaaSのことで、多くの業界や機能を想定している「ホリゾンタルSaaS」と比較して使われています。

今米国のSaaSのM&A数でも、いまやトレンドはバーティカルにシフトしています。法人も一般消費者もクラウドやサブスクリプションモデルに馴染んできた昨今、SaaS業界はより専門性に特化したサービスが今後の主体となっていくことは間違いないでしょう。

バーティカルSaaSのネタは日本企業の現場に埋もれている

人手不足など企業現場を課題を解決するためにも、ターゲットを特定することで専門的なノウハウを詰め込み生産性向上を図る「バーティカルSaaS」へのニーズは、今後更に高まると思います。

一方でこうした専門領域の珠玉ノウハウは、現場を持つ企業の中からしか生まれない、と確信しています。必要は発明の母なのです。実際バーティカルSaaSの多くは、起業前の実務経験を元に企画していることかと思います。

こうしたスタートアップを支えるエコシステムは、昨今充実を見せていますが、実際そのリスクがとれる人材にも限度があるのは現状です。

そう考えると、各業界や特定業務に特化した形で、自社向けに開発したシステムをその企業自身がバーティカルSaaSとして世に広められれば、IT投資回収の観点や社会的なノウハウの再利用という点で非常に有効だと思うのです。

ある婚礼事業者の事例

例えば以下は、婚礼宴会事業で日本をリードするPlan・Do・See様(以下PDS様)での事例です。

弊社が開発した基幹システムの「Phorbs」は、PDS様のこれまでの婚礼業務ノウハウの粋を集めて作られました。結果事例記事にあるとおり、ウェディングプランナー様の業務効率を大幅に改善する成果が出ました。

この実績をベースに、PDS様は婚礼業界向けのバーティカルSaaSとしてPhorbsをローンチしました。通常、同業他社に自社の秘伝のノウハウを公開することに抵抗を持つ企業が多い中で、PDS様は業界全体への貢献も見据え、Phorbsを広く利用してもらえるようにSaaS化されました。(本当に気前が良いし、実際のパーティーや接客のクオリティに絶対の自信をお持ちなのだと思います。)

(引用元)https://analysys.co.jp/

弊社はこうした取組みを、裏側から初期構想段階よりご支援させていただいています。

業務システムをバーティカルSaaSに進化させるには?

「自社のノウハウをバーティカルSaaSの形で世に広めたい。
サービスの効率的な立ち上げと事業継続性を確保することで、同業他社の生産性向上に寄与しながら、新規事業化も同時に果たしたいー」

そう思われる企業は、世に一定数いらっしゃると思います。

ただ単一企業向けのシステムをバーティカルSaaS化するにあたって必要なことは、意外に多くあるんですよね。

・万人にわかりやすいUI/UX
・マルチテナント化
・最適なインフラ基盤構成
・課金請求システム
・ユーザーサポート体制
・サービス&料金設計
・規約系の準備
・ヘルプやマニュアルの整備
・マーケティング企画&実行
・デモ環境整備           などなど・・・
またそうした仕組みの継続的なシステム保守運用業務も当然必要です。

こうした業務を一般企業が自前ですべてまかなうのは、相応の負担になることは間違いありません。

その問題を解決できれば、社会に効果的なバーティカルSaaSを多く生みだし、業界の生産性向上に貢献できるのではないか?そう思えてなりません。

我々は過去多数のクラウドシステムの開発運用ノウハウがあります。それらに磨きをかけ、こうした業務機能を完成度の高いレベルでトータルでご支援できるようになりたい。

SIerとして顧客に要求されたシステムを作り運用していればよいという時代は終わりました。
「ITシステム」を「サービスプロダクツ」として昇華させる新たな価値提供の事業モデルを実現させることで、エンジニア社員達にも「SI的業務」と「自社サービス運営的業務」を交互に経験できるような多様なキャリアを積ませることが可能になるでしょう。
社会もクライアントも社員も嬉しい、そんなモデルを志向しています。

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ARアドバンストテクノロジ株式会社(略称ARI (http://www.ari-jp.com/ ) )取締役執行役員|ITコンサル、ネットサービス事業者から独立を経て現職。昭和49年生まれ双子座 O型兵庫県出身|PMP、情報安全確保支援士、AWS SAA、実行のプロを増やしたい
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