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2023年4月新入社員39名へのスピーチ

今年も我がARアドバンストテクノロジ株式会社(ARI)では、新卒新入社員を迎えることができました。今年は過去最大数となる39名の方々が揃いました。
これから約2か月の新人研修が始まりますが、その皮切りとなる入社式でスピーチの機会を拝命しています。

自分が新入社員の時に頂いたスピーチを覚えていない(当時の皆様、すみません・・・)のと同様に、恐らくみんな忘れていまうでしょう。そこでもし気が向いたら参照してもらえるように、こちらに書いておきたいと思います。

ちなみに昨年のものはこちらです。

はじめに

新入社員の皆さん、ようこそARIへ。コロナ禍という危機を乗り越え、教育課程のご卒業本当におめでとうございます。

お目にかかるのは10月の内定式以来でしょうか。大変ご無沙汰しています。またこうして入社式を迎えられることを嬉しく思うと同時に、親御さんから社会を代表して大事な若者達を預かる感覚もあり、身が引き締まる思いです。

私は2012年10月にARIに参画させていただきました。以来一貫して技術部隊の組織マネジメントに携わってきました。今では技術共通領域の担当役員として、人材育成や採用、品質管理、技術環境の向上や社外への情報発信の強化などを管掌しています。特に今年からは人材開発室という、皆さんの新人研修やその後のメンターフォローなどを支援する教育部門も直接担当範囲になりました。より接点も多くなるかと思います。是非よろしくお願いします。

当社の大切にしている価値観

私たちはクラウドやデータAIを活用して、企業の事業成長をご支援する仕事をしています。具体的にはお客様の求めるシステム開発を行ったり、自らサービスを企画開発しサービスを提供しています。私たちの仕事は、常に変化する技術環境に対応しつつ、お客様のニーズに合わせた最適なソリューションを提供することです。そうして多くの企業の問題解決と成長を下支えすることが、社会全体への貢献につながると信じ、皆でその技を磨き続けています。

またARIではいくつか大切にしている考え方があります。

先進性ある技術を通して、顧客の問題解決と社員の幸せを創造し、社会の未来発展に貢献する

ARIグループ普遍的価値観

弊社の経営理念と言える普遍的価値観でも示しているような、顧客の問題解決と社員の幸せといった一見相反するように見えることを共に追い求めることで、更なる成長を目指そうとする「AND思考」、チャレンジできる文化を大切にした「失敗していい、つくろう」の精神、自分と他人を同じように大切にしつつ、自分のやるべきことに向き合うことの大切さをうたった「ARIの人らしさ三要素」などです。今後目にしていくことも多いと思いますが、実践を通して言葉の意味を腹に落してもらえたらと思います。

大いなる岐路に立つIT業界

さて、ChatGPTをはじめとするLLM(大規模言語モデル)やGAI(汎用人工知能)の進化が大いに注目を集めています。こうした技術はデータを収集し、分析し、予測して、その結果を基に意思決定を行うことができます。そのため、今後はLLMやGAIがより重要な役割を果たすことが予想されています。

こうした技術革新がもたらす影響の1つは、仕事の変化です。例えば、自動運転車の開発が進められていますが、これによりタクシーやトラックの運転手などの職業が少なくなる可能性があります。同様に、GAIが複雑なデータ処理を担うことで、人間が行っていた仕事がなくなる場合もありえます。

しかし、こうした新技術がもたらす影響はすべてマイナスばかりではありません。人間が手作業で行っていたタスクを自動化することで、生産性を向上させることができます。また、データの分析や処理を行うことで、新たなビジネスチャンスを創出することもできます。

私たちIT業界のプロフェッショナルとして、LLMやGAIがもたらす変化を理解し、それに適応することが重要です。私たちはこうして新しいテクノロジーを活用し、常に改善を続けることが求められています。新技術を上手に活用することで、より良いサービスを提供し、顧客のニーズに応えることができます。

新しい技術の世界では、年功序列はありません。皆さんの中から、ARIにおける新しい技術シーンをリードしてくれる方が出て来てくれることを大いに期待しています。

先人に学ぶ「挑戦することの大切さ」

こうした未曾有(みぞう)の技術革新前夜に立ち向かう我々は、いまどうあるべきなのでしょうか?業界の偉大な先人に、その姿勢を学ぶことができます。

皆さんはグレース・ホッパーという方をご存じでしょうか?

グレース・ホッパー氏は、コンピュータ科学の分野において、功績が認められた女性の1人です。彼女は、イエール大学で数学の博士号を取得し、海軍予備役に入隊し、最終的には少将まで昇進しました。また、彼女は、COBOLという開発言語の開発者でもあり、1940年代にアメリカ海軍向けに開発された電気機械式計算機、「ハーバード・マークI」のプログラム開発に携わっていました。彼女は、ある時、蛾が原因でマークIIの動作が停止した際に、蛾を取り除いて修復しました。この出来事が「バグ」という用語の由来となったとされています。

凛々しく映る彼女の軍服姿の写真は、本当にカッコいいです。

そんな彼女が残した言葉が、我々に多くの示唆を与えてくれます。今日はその中から、これから社会に飛び立つ皆さんに伝えたい言葉を2つ、紹介させてください。

“A ship in port is safe, but that's not what ships are built for. Sail out to sea and do new things.”
港にいる船は安全ですが、船はそのために造られているのではありません。大海原に出て新しいことをするために航海するのです

“If it's a good idea, go ahead and do it. It is much easier to apologize than it is to get permission.”
良いアイデアなら、どうぞやってください。許可を得るより、謝る方がずっと簡単です。

リアルコンピューターおばあちゃん、グレース・ホッパーはすごいぞというまとめ

この言葉に解説など野暮なことはしなくても良いでしょう。挑戦し前に進むことの大切さを教えてくれます。
1900年代に軍隊やコンピュータサイエンスという世界で、女性が活躍することが如何に大変だったか、想像に難くりません。
彼女の言葉から想像される「職業人としての在り方」は、まさに前例が通用しなくなりつつある現代のIT業界にこそ、また光り輝くものだと思います。

とにかく「自分で考え、自分から動くこと」

最後に皆さんに求めることをお伝えしてスピーチを終えたいと思います。

それは「自分で考え、自分から動くこと」です。

自分が成長するために、みんなが成長するために、何かやってみた方が良いと思ったことがあれば、自分から動いてみてください。何か困ったことがあれば、自分から相談してみてください。動いてみなければ、何も始まりません。

そんなことぐらい自分で考えろと言われないか、余計なことをしなくてよいといわれないか、聞いてはいけないことを聞いて怒られないか。

1つ注意することがあるとすれば、独りよがりであってはならないということです。研修も含めて、仕事はチームで行います。チーム全体に自分の振る舞いがどういう影響を与えるかは、相手の立場で十分に考えることが必要です。自分から動くということと、自分のことだけ考えて動くというのは全く別のことであることは、しっかり認識しておきましょう。

誰かの指示を待ってからしか動けない39名のチームと、それぞれがチーム全体のことを考えつつ自分から動ける39名のチーム。どっちがいい成果をあげそうでしょうか?

船は港にいることが仕事ではありません。何か良いアイデアがあれば、船を出しましょう。問題があれば、また港に戻りやり直せば良いのです。

今はまだ単なる2023年新卒同期という集団かもしれません。ただ2ヶ月後、新人研修という港を効果的に活かした、39人の個性と行動力に溢れた強力な船長達が集うイケてる海賊団になってくれていることを期待して、祝辞に代えさせていただきます。

いざ、新世界へ。

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