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品質向上を目指し社内の仲間達に語った計25回のスピーチ資料をまとめてみた

はじめに

当社ARIに2012年に入社して約9年が経ちました。多くの方々のおかげで、入社当時から比べるとグループ全体で大きな成長を遂げることができました。

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一方、拡大する事業や組織と引き換えに、特に直近3か年はいくつかの事案で品質問題が露呈しました。その反省を踏まえ、全社を挙げて品質向上に取り組んで来ました。(その様子はこちらをご覧ください。)

そんな活動の一環として、全社員に品質への意識向上を喚起する目的ではじめたのが、毎月の全社朝会(LOVE会)での「品質よもやま話」です。

当初はプロジェクトマネジメントやQA(品質管理)に関わる内容をと思っていたのですが、テクニカルな話だけでは総合的な品質向上にはつながらないとの想いから、結果チームの在り方や個人としての仕事のスタンスのようなことまで(というかむしろそっちを中心に)話をしてきました。

ちょうど年度の節目もあり、試行錯誤の歴史を振り返る意味でスピーチスライドをまとめてみました。2018年11月から約3年で全25回分になります。(年次会議や半期キックオフなどで朝会を休会した月もありました)

内容自体は世間でも言い古されたことがほとんどですが、個々でも強く、集まればもっと強い、プロフェッショナルなチームになることを目指して、自分なりの言葉で何かを伝えようとした一人のマネージャーの腐心の記録として、他の同士の方々の何らかの参考になれば幸いです。

またARIという会社がどういう組織を目指しているのか、どういう人材を求めているのかもある程度表現できているのではないかと思います。多くの方にARIという会社をより深く知ってもらえるきっかけになれば更に望外の喜びでもあります。(もちろんARIの社員のみんなにも!)

以下発表順に年度ごとに並べてみました。少し数がありますがお付き合いください。

2019年度(#1~#8)

#1:品質向上への取組み

初回は、なぜ全社を挙げて品質向上に取り組むのか、その目的と目指すところについてお話しました。PM一人に責任を押し付けるのではなく、チームや組織でPJを支えるの考え方に理解を求めるのが狙いでした。

#2:関係の質を上げる

守りだけを固めて品質は高まりません。第2回目は情報発信や学び続ける組織になっていくために育みたいカルチャーについてお話しました。外部への情報発信などがほぼ出来ていなかった時期でもあり、一人で始めることに抵抗があるはずだと考え、組織として発信するカルチャーを手に入れるために広く理解を得るところから始めようという狙いでした。

#3:組織の解像度を上げる

前回取り上げた関係の質。第3回目は特に上司部下の関係の質を高めるために、肝となる相互理解を深めることの大切さについてお話しました。

#4:自分のことを棚に上げる

第4回目は、やるべきことをやれる組織となるために、特にマネージャー陣に向けて、自分のことを棚に上げてでも言うべきことを伝える姿勢についてお話しました。自分自身のこの取り組みを行う上で自分自身に言い聞かせるように話したことを覚えています。

#5:言った言わない問題を撲滅する

第5回目は、問題が発生した多くの現場で共通の課題となっていることが多い議事録の重要性についてお話しました。

#6:我々に求められる素養

第6回目は、宇宙飛行士の選抜試験での逸話を通して、我々に求められる素養についてお話しました。究極の技能職の適正が人間力で判断されているという話を本で読み、自分達の進むべき道は間違っていない、是非みんなに伝えたいと思いお話しました。

#7:がんばらない努力

第7回目は、毎回土壇場になると人力でがんばらないといけなくなる事態を防ぐために必要な「言語化力」についてお話しました。この影響だけではないですが、ここから少しづつ言語化という言葉が社内で使われ出した気がします。

2020年度(#8~#15)

#8:ものごとは拒絶から始まる

第8回目は、自分のアイデアを勇気をもって売り込むことの大切さについてお話しました。結構Youtubeネタは多いです(笑)

#9:敗軍の将こそ、兵を語れ

第9回目は、上司は常に学び続ける姿勢を忘れず、武勇伝ではなく失敗談から得た学びこそ部下に伝えようということをお話しました。言うは易し、行うは難しの典型かもしれません。

#10:顧客は個客

第10回目は、目の前のその一人のお客様から信頼を勝ち得ることの大切さについてお話しました。「また一緒に働きたい」。その一言の重みと嬉しさこそが、人と仕事をする醍醐味だと信じ、常に誰を幸せにしようとしているのかを意識して仕事に向き合ってほしいと思っています。

#11:未来の自分を救う

第11回目は、今の努力がまだ見ぬ自分の苦境を救ってくれることがあることを自身の体験を元にお話しました。学び続ける姿勢を我々のアイデンティにしていきたいと思っています。

#12:情報の価値は相手が決める

第12回目は、情報発信の重要性と今後の取組みについてお話しました。Qiitaで全社発信を始めたのがこの時期です。一年後にこうした成果に繋がりました。

#13:SIとは異文化コミュニケーション

第13回目は、システム開発を進める上で違う立場の方々の背景を理解することの重要性についてお話しました。私のおすすめ書籍の著者が社員の同級生だったという偶然から生まれた気付きに関するエピソードです。ここから研修も生まれましたし、とてもありがたい出会いでした。定期的に発信の場を持つことのメリットは、常にネタを探そうとする姿勢が生まれ、機会を拾いやすくなることだなぁと思っています。

#14:勇気を出して越境しよう

第14回目は、新しい出会いや発見を見つけることの大切さについてお話しました。コロナ禍でオンラインコミュニティも活性化する中、自分も素敵な出会いを得ました。社員のみんなにも是非そうした体験をしてもらいたいなと思い話しました。これでグルメYoutube好きがバレました(笑)

#15:見えないものを見よう

第15回目は、自分と違う考え方に出会ったときにおすすめしたいアプローチについてお話しました。対人関係で特に問題となりがちな、自分を変えずに相手を変えようとする関係改善から脱却するためのヒントになればと思い、話しました。

2021年度(#16~#25)

#16:自分から動く

第16回目は、プロフェッショナルとしての進化の過程と一番最初に意識すべきことについてお話しました。実はきっかけはこのYoutubeでした。ちなみに高松さんの動画や書籍はコンサルタントの方だけじゃなく、エンジニアの方にもおすすめです。

#17:バス停のその先へ

第17回目は、日々仕事をする上で何をゴールとするか、その参考にしたいスタンスについてお話しました。実はスピーチの導入には毎回結構気を使っていて、できるだけ社員のみんなの身近な話から入ることで、興味をもってもらえるように気を使っています。

#18:ARIのDNA

第18回目は、我々の成長の源泉でもあったクラウド技術への向き合い方についてお話しました。構造を変えるような新しい変化に敏感になるために常にアンテナを張ろうというような主旨ではあるのですが、「新しいことが正しい」のようなミスリードを生みやすいメッセージでもあるので話すべきか迷いました。繰り返し発信していきたいと思います。

#19:芸は身を助ける

第19回目は、一見どう役に立つかわからないことが将来の自分を救ってくれるかもしれないというお話をしました。短期的にメリットがないことも中長期の利益を見越しやると決めることこそがリーダーシップの出番です。これは社員に言っているようで、実は研修方針を決めるべき経営チームの一員である自分自身に言っていた内容なのかもしれません。

#20:ビルドトラップを避ける

第20回目は、目の前の作業ではなくその先にある成果を意識することの大切さについてお話しました。お受けする案件の形態やスタイルが徐々に変わりつつある中で、常にアウトカム(成果)を意識した仕事のやり方を当たり前にしていきたいというメッセージです。

#21:道の真ん中をきれいにする

第21回目は、チームで仕事をするときに大事にしたい考え方についてお話しました。自分の過去の経験で、特にITの仕事を進める上で一番ネックになるのが、想像力と愛の欠如だったと思うのです。道の真ん中を少しだけ相手方まで掃除するというマインドを広く浸透実践していきたいと思っています。

#22:期待を合意する

第22回目は、期待を合意することの大切さについてお話しました。言ってないことも問題ですが、聞いてないのも問題なんですよね。お互いに歩み寄る姿勢、自らコミュニケーションを起こすちょっとした勇気こそが、期待のギャップを埋める手立てだという内容をお話しました。

#23:温故知新

第23回目は、アジャイル開発への取組みについてお話しました。遅ればせながらではありますが、現場の自立性を尊重しながら全社で取り組んでいくことを宣言しました。

#24:ANDで考える

第24回目は、トレードオフを恐れず新しい選択肢を探す考え方についてお話しました。事業の中ではそう簡単に割り切れない問題も多々あります。選択と集中といった大胆な意思決定が取れる場面だけではありません。敢えてトレードオフに向き合うことで成長と進化を手に入れるという方法もARIでは取ってきました。そんなお話をしています。

#25:細くても支える柱になる

第25回目は、特に若手に期待したい組織の中での在り方についてお話しました。「ぶら下がるのではなく、どんな細くてもいいから支える側になれ」というのは、最初の会社のボスに教わった教えでした。今でも心に残っています。そんなチームにしていきたいと思います。

過去のスピーチはここまでになります。9月以降もまた継続して社員のみんなに発信していく予定です。

最後に

発信するのはいいけれど社員の心には届いているのか?発信側の独りよがりになっていないのか?という点は皆さんも気になるところでしょう。実際のところはわかりませんが、回数を重ねたことの成果か、ここで話した言葉を社内で使ってくれている人も出てきて、一定の納得感は得られているのではないかと思っています。なんだかんだでアフリカのことわざ?として引用した言葉が一番社内に浸透した気がします(笑)

アフリカ

もちろん言葉だけでは組織は動きませんし、経営はそんな甘い話だけでは立ち行かないのは間違いありません。ただこの9年ARIの経営に携わる中で痛感したのは「実行」仕組みづくりの大切さです。ラムチャラン氏の『経営は実行』という書を手に取って以来、実行のプロセスをどう具体化するのか、「Execusion Excellece」をどう実現するかということが、自分のマネジメントの主たるテーマでした。

社員一人一人の心に経営の意志を届け、行動を促し、そしてその先にいるお客様に成功を届ける。こうした「実行」の仕掛けに、言葉の力は欠かせないことを私は改めて学びました。更なる発展に向け、まだまだ道半ばですが、研鑽を続けていきます。

なお弊社では仲間を絶賛募集中です。最新募集職種の一覧はこちらをご覧ください。ご興味ある方は遠慮なくお問合せか私のTwitterでDM頂ければと思います。


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