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仕事を上手に任せるポイント

マネージャーにとって仕事を任せる技術は非常に重要だ。でもとても難しい。実務能力が高い人であればあるほど、つい自分でやってしまう。自分でやった方が説明するコストがない分速くて楽だからだ。いつしかプレイングマネージャーという肩書きに安住してしまう人も少なくない。

野球の世界で良いノッカーは、守備がぎりぎり頑張って手が届くところに打てる人だという。仕事で言えば、相手のスキルを見極めながらいい具合の難易度を設定して仕事を任せられるということなのだろう。

自分も若いうちはなかなかうまくできなかった。今も正直得意ではない。ただ最近少し気付いたこともある。今までは、相手がその仕事を受け取れるかどうか勝手に判断していた。自分起点のベクトルだった。
ただ最近は、相手がどう受け取りたいか(どういう仕事の任され方が一番気持ち良くて、安心できて、パフォーマンスを発揮できるか)ということを前提に、任せ方を変えるようにした。

例えば、相手が安請け合いはせずじっくり仕事を見てから判断したいタイプなら納得してもらうまで時間をかけるし、先ずやると決めてやり方は後から考えるというタイプなら、即時に動き出す。
また、ある程度指針は出してその後の設計と実行はしっかりやるというタイプなら自分の方針を出すし、任したら相談するまではそっとして欲しいタイプならもちろんそうする。

今思うと、人を動かす的に言えば「相手の立場に身を置く」ということで、マネージャーとしては基本の「キ」なのだろうが、恥ずかしながらここにたどり着くのには結構時間を要した。結果、以前よりうまくいっていると感じている。

もちろん、丸投げにせず定期的に状況を確認したり、内容まで踏み込んでレビューしたり、問題が起こった時の責任を取る姿勢だったり、任せるためにやるべきことは沢山あるが、それもこれも結局は部下それぞれに対して一人の人間として向き合えるかどうかにかかっている。

仕事を任せられるかどうかは、その可否の原因が相手ではなく自分にあることに気づくことから始まる。任せ上手のマネージャーがあふれる組織にしていきたい。

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