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改めて、ブロックチェーンゲームとは何だろうか? 前編

今回は、Web3基礎知識マガジンの一記事として、今回はブロックチェーンゲーム(BCG)について扱っていこうと思います。ビットコインが史上最高値を更新し、第4のバブルが到来している今、あらゆる界隈が盛り上がっていますね。

そのなかでも目立つ分野の中にブロックチェーンゲームがあります。
超大手ベンチャーキャピタルであるa16zは2024年に期待する9つの項目という発表をしましたが、そのうち2つは、ブロックチェーンゲームに関するものでした。これについては過去にTwitterでまとめているので見てみてください。

盛り上がっているとはいっても、資金調達の波が来ているというよりかは2023年に多く資金調達が行われたプロジェクトたちが、2024年に入りプロダクトをリリースしはじめた、という状況です。


またバブルに伴いエアドロップの件数も増加しており、これはブロックチェーンゲーム界隈でも顕著です。

そういった感じで2024年も大きく動きがありそうなブロックチェーンゲームについて、改めて基礎的な事項を含めて、ブロックチェーンゲームという概念についてまとめておこうと思います。

そして以前からと同様に、ブロックチェーンゲームに対する懐疑的な声も所々で上がっています。これらの内容についても触れていきます。

また、今回はNoteを前後半の2つに分けています。

この前半記事ではブロックチェーンゲームの一般的な情報と特徴、その実態を、後半はブロックチェーンゲームの性質に関する分類と、最近になってきて新たな動きが確認されている事、今後のブロックチェーンゲームの変化について書いています。


ブロックチェーンゲームとは?

ブロックチェーンゲームとは、デジタルゲームのシステムの一部に、ブロックチェーン技術を使用したNFTやトークンなどのテクノロジーが使用されているゲームのことです。

特にほとんどのブロックチェーンゲームに共通している特徴として、「NFTを使用している」、「独自のトークンを発行している」というものがあります。

ブロックチェーンゲームを略してBCGと呼ばれたり、主にNFTを使用しているのでNFTゲームとも呼ばれます。
ブロックチェーンゲームが既存のゲームと大きく違う点は、やはり「お金を稼ぐことができる」点にあるでしょう。
今までのゲームの多くは、キャラクターやアイテム、アカウントなどを現実のお金に変換・換金することはルール上できませんでした。お金でゲーム内アイテムを購入することはできても、ゲーム内のアイテムをお金にすることはできませんよね。

これはゲーム内のエコノミクスを破壊する可能性がある行為であり、また製作会社の不利益にもつながるからです。
この点ブロックチェーンゲームは大きく違っており、ブロックチェーンゲームは「キャラクターやアイテムを現実世界のお金と変換・換金できること」を前提にして作成されています。

アイテムやキャラクターをNFTにして、様々なマーケットプレイスで取引できます。またゲーム内で使用するトークンは取引所等でETHやUSDC等各種トークンと交換することもできます。
つまり、ゲーム内のすべてのアイテムが「資産性」「投機性」を持つということです。

そのためブロックチェーンゲームをプレイしようとすると、いくらかの初期投資が必要になる場合も少なくありません。

代表的なブロックチェーンゲームの例

Axie Infinity

https://axieinfinity.com/

Axie Infinityは、Ethereumベースで開始されたブロックチェーンゲームです。現在はRoninチェーンというAxie Infinityの運営元であるSky Mavis社が作成したブロックチェーンゲーム特化型チェーン上で動いています。
プレイヤーは「Axies」と呼ばれる生き物を育て、対戦させられます。AxiesはそれぞれNFTであり、プレイヤーはゲーム内のマーケットプレイスで売買することができます。
最初に有名になった「Play to Earn」ゲームであり、日本での知名度も高いです。


CryptoKitties

https://www.cryptokitties.co/

CryptoKittiesは、Ethereumブロックチェーン上で展開された最初期のブロックチェーンゲームの一つです。
システムとしてはかなりシンプルで、プレイヤーは猫のNFTを購入し、これらを育てることができます。ユーザーは育てた猫を交配でき、交配によって新しい猫のNFTを生み出すことが可能です。それぞれの猫が見た目に関する特徴を持ち、レア度に応じて価値が異なります。
買って、育てて、交配させて、売るというとてもシンプルなゲーム性ですが、ブロックチェーンゲームの歴史の最初期を代表するゲームだと言えます。現在もプレイされているようです。


結局、ブロックチェーン要素はゲーム体験に何をもたらすのか?

ブロックチェーンを使用した要素が現代のゲームに継ぎ足されることによって、ゲームの体験はどのように変わるのでしょうか?実際に実装されつつあるものとそうでないものも合わせて、改めてまとめてみましょう。

ゲーム上のアイテムを現実のお金を使用して取引できるようになる

ゲーム上のアイテムをNFTにしたり、ゲーム内通貨をトークンとしてブロックチェーンを使用して実装することによって、現実の資産との交換が可能になります。実際は既存のシステムでもできないことはなかったのですが、BCG特有の特徴として最も大きな面になっていますね。

この性質のおかげで、「ゲームでお金を稼ぐ」という行為が可能になっています。

ベトナム等の一部の国でAxie Infinityをプレイすることを職業としている人が実際に存在するのも、これらの特徴があってこそです。

NFTにすることで、アイテムが資産として残る

これもブロックチェーンゲームの良い点として良く紹介されるものですね。NFTは資産性を持ち、そのアイテムの情報がブロックチェーンそのものに刻まれるので、ゲームのサービスが終了したとしてもそれとは関係なく残り続けます。

アイテムが残るので、ゲームが消滅しても資産として、或いはプレイしていた思い出や証拠として残るので良い、という論点で紹介されることがあります。

ですが、実際のところはどうでしょうか。サービス終了したゲームのアイテムの価値とはどれほどのものでしょうか?

またサービスが終了したゲームのアイテムを別のゲームで使用できるようにすることができるという話もあります。

しかし、完全に外部のアイテムを導入するには、ゲームバランスへの影響を考慮せねばならず、また規格の統合などの技術的な問題も存在します。そういった理由からか、現在このようなコラボレーションは現在はあまり行われていません。

先述の話と合わせて、これは本当にブロックチェーンゲームが可能にした良い点かどうかは、まだわかりませんね。今後のプロダクトに期待しましょう。

中央集権的な運営に任せるのではなく、プレイヤーがガバナンスに参加できる

ブロックチェーンゲームの中には、ガバナンストークンの働きをするトークンを出し、最初は中央集権的に始めるがその後どんどんDAO化させていく、という方針があるゲームがあります。

運営をDAO化することによって、ゲーム内コンテンツやバランスの調整にユーザーがガバナンスという方法で参加することができます。
これは確かに新しい視点ですね。ゲーム内のバランス調整にユーザーが参加できるゲームはほとんどありません。

熱心なユーザーの目線に立つと、ゲームバランスの調整に参加できるのはとても良いことのように思えます。ですが、完全なDAO化を行うとバランス調整だけでなくその他の様々な点にもガバナンスを通す必要性が出てきます。それこそストーリーの作成や法規制に関しても同様ですね。

また、法人を持つプロジェクトの完全なDAO化は難しいという問題もあり、ブロックチェーンゲームプロジェクトが完全なDAO化を行うことができるタイミングはまだ訪れないと個人的には考えています。実現すれば利点にもなりますが、いつ実現できるのだろう、という問題はあります。

ブロックチェーンゲームはゲームなのか、それとも仕事なのか?

またブロックチェーンゲームが良く批判される論点として、「ゲーム性そのものがおもしろくない」というものがあります。

確かに現状のブロックチェーンゲームの多くは、ゲームとしてはかなりシンプルになっていると言っていいでしょう。現実世界のお金との変換ができる以上、一歩トークノミクスの設計を間違えるとゲームがすぐ崩壊してしまう脆弱なバランスになってしまう可能性があるので、意図的に抑えているとも言えます。

なので、ゲームのシステムそのものをシンプルにすることでリスク管理がしやすくなるという点があります。 また、現実のお金を自由に出し入れすることができるゲームは今までほとんどなかったため、そもそもエコノミクスの前例がほとんどなく、持続可能なエコノミクスの作成はまだ開拓中です。
現状はまだ黎明期と言えるでしょう。

しかし、プレイしている人は既に存在する様々なゲームをプレイしてきている「目が肥えた」ユーザーたちです。ブロックチェーンゲームを見る視点も、すでに存在する大手のゲームと比べることになります。
そうなると、ゲーム体験としては劣る、という判断になるのは自然なことでしょう。

またAxie Infinityでは平日より土日のほうがアクティブユーザー数が減る、という現象が確認されています。ゲーム性の問題だけでなく、稼げる以上プレイヤーの目的が「遊ぶ」から「稼ぐ」にすり替わってしまいます。そうなると、気分はもう労働と大差ありません。

平日はやって、土日にはやらない。となると、それはもう完全に労働でしょう。

全てのブロックチェーンゲームがこうというわけではありませんが、まだ大多数のブロックチェーンゲームは労働っぽいという感想を聞きます。

しかし少しづつ変化していっているようで、後半では「ゲーム性重視のブロックチェーンゲーム」についても書いていきます。

まとめ

今回は一般的なブロックチェーンゲームの説明と、当初語られていたそれらの特徴と実態の比較を行いました。

この記事では全体的にブロックチェーンゲームに対して、かなり辛口な発言をしています。

しかしブロックチェーンゲームの良さや、これから期待できることも少なからず存在します。これについては、次週以降に掲載する予定の後半戦で語ります。後半もお楽しみに!



さいごに

私が代表を務めるクリプトリエでは、企業によるNFTのビジネス活用を簡単かつ迅速に実現する、NFTマーケティング・プラットフォーム「MintMonster」を提供しているほか、法人向けにweb3領域のコンサルティングや受託開発サービスを提供しています。Web3 / NFTのビジネス活用にご興味ある企業様はお気軽にお問い合わせください。

NFTマーケティング・プラットフォーム「MintMonster」公式サイト

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