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ソングライティング・ワークブック 第151週:Cole Porter(1)

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パースペクティヴ

Cole Porter(コール・ポーター)は1891年インディアナ州ペルー生まれ。Jerome Kern(ジェロム・カーン、1885年生まれ)より若く、George Gershwin(ジョージ・ガーシュウィン、1898年生まれ)より年上。ついでに、Irvin Berlin(アーヴィン・バーリン、『White Christmas』など)、Richard Rodgers(リチャード・ロジャース、『The Sound of Music』が一番有名か)は1902年生まれ、Frank Loesser(フランク・レッサー、『Guys and Dolls』が有名か)は1910年生まれ。ちなみに服部良一は1907年生まれ。クラシカルの有名な作曲家でPorterと同じ年に生まれたのはSergei Prokofiev(セルゲイ・プロコフィエフ)。

ジャズの作曲家、演奏家と比べれば、Duke Ellington(デューク・エリントン)が1899年生まれ(Francis Poulenc、フランシス・プーランクと同じ)。Louis Armstrongが1901年生まれ(Joaquin Rodrigo、ホアキン・ロドリーゴと同じ。Giuseppe Berdi、ジュゼッペ・ベルディが死んだ年でもある)。

なぜこんなことを書くかというと、Jerome Kernは『All the Things You Are』をはじめとして、今はジャズのスタンダードとなっている歌をたくさん書いたけれど、本人は自分の曲がジャズ解釈されるのを嫌っていた(ブロードウェイで40年間仕事をしていたのだから、流行りには敏感だっただろうし、ジャズを参考にした作曲をしたこともあっただろうけれど)―ということを思い出し、「そういえば、そもそもKernはジャズより古い人だったはず」と調べたことがあったからだ。好き嫌いと世代を単純に結びつけることはできないけれど、ジャズがジャズと呼ばれ広まったのはKernが大人になってからということになる。1950年代から60年代初頭に生まれた人にとってのラップ・ミュージックというのに近い。ちなみに1885年生まれの有名な作曲家にAlban Berg(アルバン・ベルク)がいる。

ジャズとの関係で言えば、今年(2024年)はGershwinの『Rhapsody in Blue』の初演から100周年になる。若くして大成功を収めた人だということがわかる。Ethan Iverson(イーサン・アイヴァーソン、かつてBad Plusというバンドにいたジャズピアニスト)が『The Worst Masterpiece: 'Rhapsody in Blue' at 100』という題でNew York Timesに書いている。

ここにあげたソングライターたちのなかでは、Cole PorterとFrank Loesserが、曲と歌詞両方を書いた。


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