241022 電球と戀の胃もたれ
續きを書く
ガウデイになつたような氣持ちだ
だがいつかは終わるのだろう
終わつて また次が始まる
それだけだ
萩の花に似た光が
一瞬だけ 溟闇に燈つて
直ぐに消えた
何かの信號のようだと思つた
生きてゆくことの侘しさが
些細な美しさを塗り潰してしまう夜には
月を光を掬つてきて煎じて飮むと良ひと
そう云つていたのは どなただつたか
あのひとたちはまるで
兄弟のように時を過ごしてきたのだ
「郵便局では番號札をとるのを忘れずに」
整頓されてゐる筈がやけに混沌とした部屋
お茶代と米代を支拂つて外に出ると
秋のもつたりとした日差しが煙つてゐた
泣いたとてほつれぬ思ひの丈を
少しだけ 裾上げしたのは
晴れの日の傘洋品店で修行したと云ふ
あの黑いスウツを着た職人
秋の薔薇のその馨りははなんと
戀の胃もたれとよく似てゐることでせう
電球が 切れた ぱちん