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幸福を求めて/希望を求めて

Tr6-5 幸福を求めて

1でのバトルExtendの楽曲名が「〜のために」だったのに対し、2が「〜を求めて」になっているのはお気づきの方も多いかと思います。
当初は2も同様に「〜のために」で統一しようと思っていたのですが、「復讐」や「自由」など、何気に旅の目的が被っているキャラがいるよねという事が楽曲名を決める段階で判明し(笑)
2の楽曲名をつけるにあたってのルールで、シリーズ通して同名の曲が存在する事で煩雑になるのをなるべく防ぐ為、2では「〜を求めて」のシリーズに統一する事にしました。

その代わりと言ってはなんですが、共通シナリオラスボス曲の曲名に「〜のために」を使う事にしてたりします。

曲名づけの段階で改めて宮内Dとパルテティオの旅の目的についてを考えた時に、お金?成功?などいくつかのワードが出てきたのですが、彼の目指したものを考えると、たとえ過去に自分を騙した相手であろうが、最終的にはみんな巻き込んで幸せにしてしまう、「幸福を求めて」行動していると表現するのが一番しっくりくるよね、という事でこの楽曲名に行き着きました。
個人的にとても気に入ってます。


Tr6-6 希望を求めて

アグネアのテーマに関しては最終的に「至る〜」シリーズとは少し外れたアレンジの方向性になり、テーマとは別のメロディがつく事により最終的に歌物アレンジとして「きぼうの唄」となった事は該当の解説で記載した通りなのですが、順番としてはまずこの「希望を求めて」のバトルExtendを制作した上で、そこに新たなメロディを作曲して乗せていくという作業を行いました。

元々のアグネアのテーマが、ケルト音楽をモチーフにしている事もあり、フレーズが細かく動くのが特徴だったので、歌物のフレーズとしてはちょっとそぐわない部分がありました。
バトルExtend自体はそれでも成立しますので、シンプルにそのテーマモチーフをバトルアレンジする事で形になったのですが、「唄」にするにはやはり口ずさめるようなシンプルなメロディラインが必要になります。

そこで、この「希望を求めて」を伴奏にして新たなメロディラインを乗せる事により、歌物として成立をさせつつ、しっかりアグネアのテーマとの共通項も持たせる良い落とし所を見つけられたのではないかと思います。

結果的にシナリオ上でも旅の過程で紡いできた言葉を歌に乗せて完成される曲ですから、本来のアグネアのテーマに新たなメロディが乗っかる事になる形は、当初想定はしていなかったとはいえ、制作上のアイディアでより良い形が見つかった面白い例なのではないかと思います。
中々初期段階の発注でここまで演出を考えて曲のアイディアを構築するのは至難の技ですから、2で制作の方々との関係が深まり、より柔軟な音楽作りが可能になった本作の特徴的なエピソードかと思います。


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