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とある夜の小話集

だいたい実話。それ以上でもそれ以下でもない。

バカップル...

会社帰りの電車で、堂々といちゃついているバカップルに遭遇した。バカップルはちょうどワタシが座っている席の真正面に座っていた。目のやり場に困ってどこかあらぬ方向を見ようとしたけれど、どの角度もあまり見たくもないおっちゃんばっかりいたので、迷ったあげくに真正面を見ることにした。バカップルからすると、ワタシがガン見しているように見えたかもしれないが心配するな、キミのカノジョはワタシのタイプではあらへん。ワタシの心の中は「無」だ。なめんな。

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食べログ...

ひとりで入ったカレー屋で店主と話をした。店主は「食べログで2点(5点満点で)を付けられたことがある」と悔しそうな顔をして言った。2点はショックな点数だ。ならいっそ1点にしやがれというくらいには。ちなみにこの店のカレーはワタシ好みの味で、なぜそんな低い評価になったのか想像できなかった。2点を付けられた理由...、それは「メニューの文字が小さい」だった。ワタシは心から店主に同情した。


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キャスケット...

高校時代の友人がTwitterで「Charみたいにカッコよく年をとりたくて、最近キャスケットをかぶっている」とつぶやいていた、かっこいい自撮りとともに。なるほどねぇ、と帽子がいっさい似合わないワタシもノリでキャスケットをひとつ買ってかぶってみた。ケンドーコバヤシみたいなのが、あるいはジャンプしてブロックを叩く、オーバーオールを着たイタリア男みたいなのが鏡の中にいた。

さや姉のサムネイルやけども主役はケンコバさんね笑

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古書コーナー...

最寄りの駅を降りてすぐ、小さな商店街の入口に新刊と古書を売る書店がある。古書コーナーで熱心に本を物色している男がひとり。「せどり」をしているようだ。古書店で本を安く仕入れてアマゾンやヤフオクで高く売る、今は知らないが、数年前まではサラリーマンの副業としても人気があったと記憶している。

男はバーコードリーダーを手に片っ端から古書のバーコードを読み取っては、仕入れる本を探しているようだ。バーコードリーダーを使って端から順番に本の中古市場価格を調べる作業を「全頭検査」という。チラチラと男の様子を見ながらふと古書の棚を見ると、わりと高額で取引されている本が1冊目にとまった。デザイン関連の本だ。何故知っているかというと、以前持っていてヤフオクで売ったことがあるからだ。男がバーコードで調べる前にワタシが買おうかと思ったけれどやっぱりやめて譲ることにした。男はその本を手にとってバーコードリーダーでピッ!とやった。そして元の位置に戻した。ワタシは震えた。


ドあほ...

某電気メーカーの商品名が何度聞いても「どこでもどあほ」、「外でもどあほ」と聞こえてしまうので一度検討されたほうがいいよって思っている。が、無理だ。商品が「ドアホン」だから頭に何をつけても「どあほ」からは逃れられない...。「もう無理やし...」ワタシは諦めて棒立ちになった。

以前そのCMに出演していてにこっと笑いながら「どこでもドあほ」と言い放った女優さんのフォトエッセイを、先ほどのせどりの兄さんがいる古書コーナーで見つけたので、バーコードで調べて仕入れられてしまう前にワタシが買った。

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以上、だいたい実話の小話集おわり。
続くのか...