カタールのメンバー発表の感想

素人ですが勝手にポジションごとに考えていきます。

まずは攻撃陣(以下、順不同、試合出場無しも含む)

今大会選ばれたCF。
上田・前田大・浅野拓
*11/8に中山離脱と町野の追加招集が発表

4年で呼ばれたCF

大迫勇・武藤嘉・永井・岡崎・川又・杉本・北川・鈴木武・オナ阿・林・小林悠・田川・細谷・古橋・鈴木優・小川航・西村





このポジションは大迫勇也の存在が全てかと思います。森保体制発足から彼の1トップで中島、南野、堂安を並べていくユニットはウルグアイなどと試合でも効果を発揮していましたし、彼らがカタールまで軸となるようないきおいでした。ただ中島はポルト移籍で失敗、南野もリヴァプール移籍で苦戦、大迫はブレーメンでFWで使われず、国内復帰後も調子が整わないが続き、堂安もPSVで苦労している間に伊東が台頭。結果ユニットが崩壊しました。特に大迫は彼同様な最前線で起点となり、アタッカー陣とポジションを好感しながら相手のゴールを奪うというタスクができる選手を森保氏が探していて、杉本、川又、武藤、小林悠などはそういったプレーヤーとは違うにも関わらず無理にそこにはめ込まれ個性を発揮しずらい状況だった印象が強いです。一時期、大迫の不在を永井が埋めたのですが彼の持つ爆発的なスピードという姿はとてもシンプルででおそらく森保氏が戦術家の監督でない、適材適所ができないとしても、ハマれば点を取りやすい安易なものですので頼ってしまったのだと思います。永井が離脱すると同時期に武蔵、オナイウ、北川、優磨らリオ世代がJから欧州に羽ばたきました。代わりに起用されましたが彼らが若いからか、それとも活かし方が上手く行かなかったからか(こちらの側面が強い)誰もポスト大迫→CFの軸になれず。それならと今度は当時J2だった岐阜のから神戸にいった古橋や東京世代の選手の小川、田川、林らを押し上げましたが、これも上手くハマらず。上田が大学からプロ入りし鹿島で活躍、大然も2度目の欧州行で成長し、教え子の浅野もセルビアで復活。カウンター・プレス戦術に立ち戻り、結果として足の速い、若めの選手が優先されたという結果でしょう。ただ本当にそれでいいでしょうか、確かに今大会はドイツ、スペインという過去W杯を制したことのある。世界4大Lと呼ばれるリーグを抱え、常に世界でトップ10に入る異論のない強豪国です。当然本大会でも守りに走る展開の試合が想像できます。しかし日本人がパワー、空中戦、肉弾戦に強い国ならいいです。たしかに高身長の選手がJができて30年以上たち珍しくなくなってきています。でも日本人の特徴は敏捷性、長距離を持続的に走れる、運動量、技術の平均レベルが高い、冷静なプレーが披露しててもできる、小さいが体幹などの考えが根付いている、強い主張が少ないなどチームで戦うことに向いていると思う強みばかりです。ハードワークができて奪われても即時奪回でき、こまかいパス&ドリブルワークで相手の守備網を掻い潜りゴールを目指すのが良いのではないかと思うのです。カウンターでドンの受動的ななサッカーは場合によっては必要でしょうがとても心身が疲れます。ボールを保持しながら主体的にゴールを奪い、リードしている展開で試合を進めるほうが心身が落ち着いて試合を進められます。どちらの勝ち方も必要ですが私だけでなく優先すべきサッカーのスタイルではないと多くのファン・サポーターは思っている人が多いはずです。



続いてアタッカー陣を。(以下、順不同、試合出場無しも含む)


今大会選ばれたアタッカー。
三笘・南野・鎌田・伊東・久保建・堂安・相馬



4年で呼ばれたアタッカー。
宇佐美・中島・江坂・香川・小柏・満田・宮市・水沼・森島・仲川・鈴木唯・荒木遼・岩崎・安部裕・伊藤達・奥川・坂元・三好・乾・原口・水沼・遠藤渓


個人的には上記で述べた日本人の特徴が活かされているのが2列目と3列目のポジションだと思うのです。大きな選手は自分よりも小さい選手が細やかな動きで攻めてくるのはとても厄介に思っているはずです。同じ団体球技のバスケやラグビー、バレーなどは肉弾戦や空中戦が競技の特徴、関係性が深く身長というのが無視できません。それらの競技よりは競り合いだけで点が奪える状況などがサッカーは圧倒的に少なく、世界トップで活躍した歴代の名選手もビッグマンばかりでないのがこのスポーツの面白さの一つだとおもっています。日本人は細かいステップワークやスピードの発揮し方で点を前線で量産する素養はあると思うのです。
 その意味では今回最終的に残ったメンバーはサイズ関係なく欧州で攻撃陣でアクセントになって得点に関与して通用している選手ばかりです。(国内組唯一の選出の相馬も運動量とテクニックでアクセントになってくれそうですがボールの受けどころが高くなりすぎたり、相手に合わせた技術の使い方は三笘よりは悪かったりします)
 左で残ったのは三笘と相馬です。前者は川崎でブレイクしてからは代表選出から一気に切り札→主力→欧州挑戦とレギュラー格となりました。(もし活躍できなかったらそうでなかった可能性も)。相馬についても五輪世代でアクセントになっていたので驚きではありませんがもし彼に期待しているならもっと早くA代表を経験させておけば三笘ではない選択肢として最終予選で使えたかもしれません。代表立ち上げ当初は中島がつとめていましたが、彼の不在もベテランの乾が務めていましたし、原口も長友とプレーエリアが重なるという問題を無視して活躍しずらい状態でプレーしていました。南野を途中からは左で使っていましたが彼の特徴は使われて活きることと中央が活躍出来るメインエリアの選手で機能は正直していませんでした。原口も結果クラブでコンバートされた内側で使っても良さがいきず。最終的な選考から外れたようなかわいそうにもみえる4年でした。同様に適所なエリアで起用されない問題が理由で遠藤渓や森島がはずれ。仲川もケガで定着する機会を失い。岩崎は選出されるのが遅すぎ、宮市も久しぶりの招集で注目されるも負傷。安部は自ら選んだステップアップ先で苦戦。奥川については招集時はコロナ禍であったとはいえその前(19-20・ザルツで9点)もその後(ビーレでも21-22・8点)も好調であったため呼んで試す機会は20年11月しかなかったのかという声は絶対に無視できないでしょう。旬な選手を旬な時に呼ぶというのはメンバーの固定をしようとするW杯直前ならまだしも代表では大鉄則に思います。レベルが落ちるアジアカップでならぶっつけ本番ででも呼んだ可能性はあります。
 最終予選までに戦力・起用できる選手やフォーメーションを増やすという事が出来なかったのは監督としての引き出しの無さを自分で見せてしまっているのです。

続いてボランチ・CH・DH陣を。(以下、順不同、試合出場無しも含む)

今大会選ばれたボランチ・CH・DHの面々。
柴崎・遠藤航・守田・田中碧

4年で選ばれたボランチ・CH・DHの面々。
青山敏・山口・天野・稲垣・小林祐・大島・橋本・原川・野津田・脇坂・川辺・三竿健・井手口・田中駿・旗手・松本泰・渡辺皓・松岡・藤田譲チマ





このポジションも非常に日本人の特徴がでやすいポジションだと思います。運動量とアイデア、細かな技術、アドレナリンが出ている状態での冷静さなど、サッカーにおけるチームの心臓や司令塔と言われるポジションで多いに役立つはずです。コーカソイド(黒人系)、ネグロイド(白人系)の選手と身体のサイズや骨格の差があるので身体をぶつけあう、競り合う場面のあるサッカーでは中々、Jができる黎明期までは通用しない点もあったのでしょう。ただハーフの選手や日本人選手の外国進出、スポーツ医学の向上で埋まってきた点もあると思います。瞬間的なアイデアが幼少期からストリートで遊びを行っている南米や欧米の選手などに負ける点もあるでしょうが、逆に教育水準が高いので練習で多種多様な攻め方やセットプレーの多様性などを考えて、仕込んでいく。準備するプレーを多く用意すること等でフォローできるかと思います。


欧州主要リーグ挑戦した(日本からの挑戦、欧州で育った選手やプロデビューをした選手は除く)

名波を第1波とし。
中田英、小野、稲本、小笠原、中田浩、戸田、藤田俊らを第2波。
長谷部、阿部を第3波。
田坂、細貝、梶山、井手口、山口蛍、森岡、柴崎、遠藤航、小林祐、風間宏らが第4,5波
守田、橋本、川辺、田中碧、斉藤未が第6波。
藤本寛が第7波。


とアバウトですが分けました。
 名波氏の挑戦前に風間八宏氏が挑戦しています。Jリーグ創成前の挑戦なので便宜上割愛します。当時は筆者も中高生だったので日本人選手が各々クラブでどの程度立場を確保していたのか等が記憶でしかありませんが、やはり小野がUEFA杯(現行のEL)を獲得したのは衝撃とでした。中田英もヴィオラやボルトンではそうでしたが2列目でトップ下といえる役割から後ろに移っていった記憶があります。稲本はアーセナルでこそ稀代の名手ヴィエラとGシウヴァという大物がいた為レギュラーを獲得できませんでしたが決してデビューイヤーなどは悪くありませんでした。長くプレミアを中心にプレーしたのはインパクトが大きいです。
 成功したとはっきり言えるのは長谷部がブンデスを制したとこからでしょう。これにより日本人ボランチが欧州で成功するのは難しいという常識が崩されたと思います。北京世代の細貝、ロンドン世代の森岡、柴崎や遠藤航らもそれをキッカケにか欧州で出番を得ています。特に遠藤航のブンデスでデュエル王というのは今まで日本人挑戦の常識を覆す事例となっています。ですが11月8日ブンデスの試合で接触し、脳震盪が起きてしまいました。最新の情報では一時意識不明でしたが、検査で異常なしと所属先のシュツットガルトが監督経由で発表しています。戦力としては代表に欠かせない存在ですが、一個人の事を考えると脳震盪は短期間で連続でおきると生死にかかわってくると聞きますのでしっかりとした静養してほしいと思います。
 ただそうなると田中碧と守田と最終予選の途中から抜群のトライアングルをみせていた433が成立しなくなります。柴崎では守備の不安がありますから鎌田をいれた451を軸にW杯は挑むのでしょう。守田や田中碧(手負い状態)が守備のタスクが増えるのは強豪国のドイツやスペインと戦う点で明らかにマイナスかと思います。やはりここでも他の選手を積極的に起用して選択肢を増やすリスクケアを森保監督がしていないせいで手薄な状態で挑むことになっているのです。
 
川辺はスイスで、橋本もロシア(現在はスペイン2部)で今季22-23シーズン所属先で活躍しています。しかも代表戦でのパフォーマンスも決して不合格とするようなパフォーマンスではありませんでした。柴崎よりもCLで好調な旗手ですら優先されないあたりは森保監督の選考するメガネが曇っているとしか思えないのです。

 


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