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【OpenAIサム・アルトマン】world coinはBI(ベーシックインカム)を実現させるか?

openAIのサムアルトマンが推進するworld coinは、BIが視野に入っているようだ。

眼球を特別な装置でスキャンして世界中の人々にworld IDを付与するというプロジェクトである。

なんともワクワクさせるプロジェクトなのか。

ただ、それがどういう使い道や課題解決につながるのか?


worldcoinとは世界規模の包括的なアイデンティティと金融ネットワークを形成する

以下、worldcoinのホワイトペーパー(趣旨説明)である。

まず、
「Worldcoin は、人類の大多数が所有する、世界規模の包括的なアイデンティティと金融ネットワークを作成するという使命を持って設立されました。」
ということ。

「世界 ID」という生体認証IDの射程

さて、worldcoingの軸にある「世界 ID」という生体認証IDの射程範囲はいかなるものか?

ホワイトペーパーによると、成功すれば下記のような恩恵があると述べられている。

  • ワールドコインは経済的機会を大幅に増やす

  • プライバシーを保護しながらオンラインで人間とAIを区別するための信頼できるソリューションを拡張する

  • 世界的な民主的プロセスを可能にする

  • AIが資金を提供するUBIへの潜在的な道筋を示す可能性がある

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これを受けて、思った疑問、考えてみたいことを以下にメモしておく。答えがある人は是非、コメントで教えてほしい。

1.プライバシーに配慮したIDができたとしてメリット

まず、プライバシーに配慮したIDができたとしてメリットはなにか?

「世界 ID」を使用すると、各参加者は、特定の状況で必要以上の個人情報を共有することなく、自分が固有の個人であることを証明できるという。

例えば、クラウドワークスみたいなクラウドソーシングサイトでは、個人認証が重要な役割をする。なぜなら、個人に紐づかなければ無責任な仕事をするかもしれないから。
その際に、免許証などのIDを出さずに「世界ID」に紐づいたクラウドソーシングプラットフォームはそれだけでは人を特定できないニックネームや数字などで本人確認ができる。たしかにプラットフォームに個人を特定されないメリットはあるだろうが、そんなインパクトはあるだろうか?

また、その個人認証を信じて取引する相手からすれば、あまりインパクトはない。免許証よりも生体認証のほうが、IDと生物個体の結びつきは強いだろうが、それでも、その結びつきが「ない」可能性は消えない。

つまり、他人の免許証を盗んでプラットフォームに登録するのと同じように、世界IDも盗めてしまうだろうから本質的な違いはない。
スマホのようなもので、サイトにアクセスする際にいちいち眼球のスキャンがあるなら、たしかに盗難リスクは低いが、それでも物理的な脅しや拘束による抜け道はある。

(そもそも、世界IDという監視社会や一生自分の行動履歴に責任を負うかもしれない環境を作るインフラをディストピアと捉える見方ももちろんある)

2.BIの原資はどうなるのか?

サムアルトマン自身も、(world IDが直接BIにつながるわけではないとしているが)これがBIにつながる可能性も期待しているようだ。(特にAIにより職を失う人が増えることを懸念しているみたい)

world IDはBIにどうつながるのか?

まず、生体認証IDがうまくいけば、そのBI事業者(政府?国連?)が平等にみんなにお金を配ることができる。
現状のIDシステムであれば、銀行口座とのひも付きだったり、データベースの分散により、70億人全員にスムーズに金を分配することはできない。だから、そういう実行手段としてのメリットはたしかにあるだろう。(もちろん上述の脅しによる不正受給などは消えないが)

ただ、原資はどうなるのか?

結局現実世界で、パンや米を買わないと人は生きていけない。
現在のworld coin は1coinでいくらかのドルなどの現実通貨と交換できるようだが、その安定性は保証されていない。

ビットコインはどうか?これも決済手段の提供など現実的な価値がある程度ベースになっているが、それでも現実通貨との交換は投機に支えられているといえるだろう。

世界IDというインフラを提供する価値をベースに原資を獲得していくということなのだろうか?

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いずれにしても、久しぶりにワクワクするようなプロジェクトを発見できてよかった。

日本のベンチャーやスタートアップ業界も、数百億、数千億くらいの規模の企業に注目して 成功者のように知見をシェアとかしていないで、企業としての事業というような枠組みを超えてもっとワクワクするようなものにチャレンジしなくてはいけない。

こういうある種のやばい行動、じゃないと人は動かないよなぁ

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