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戦略図鑑②【ハンニバル・バルカ】

21.02.13筆

0.はじめに

【ハンニバル・バルカ】ってご存知ですか?
紀元前247年生まれで今のギリシャがあるあたり、地中海の覇権を握っていたカルタゴの将軍です。
「戦略の父」と呼ばれていたそうです。
有名な戦績としては、古代ローマとの対戦で、カルタゴ軍9万に対し、ローマ軍30万という3倍以上の兵数差があったにもかかわらず、連戦連勝し、劇的な勝利をかざったとされております。
どんな戦略を用いたのでしょうね。

●この戦略のポイント
1.「敵の敵=味方」という永遠の基本戦略
2.「相手の意表」を突き、形成を逆転させる
3.他人に依存する要素が増えると、計画は崩れやすくなる

順に見てみましょう。

1.「敵の敵=味方」という永遠の基本戦略

これは、「敵はローマ」と周辺民族や支配国家に告げ、共通の敵を作る効果で戦いを有利に運んだ戦略です。当時、巨大なローマの周辺にはガリア人という民族や支配され属領国家となっている邦が多数ありました。
そこでハンニバルは、ローマの支配から独立する最大のチャンスだと鼓舞し、同盟関係を取り、軍勢を集めて率いたのです。

2.「相手の意表」を突き、形成を逆転させる。

敵の意表を突き、相手を混乱させて戦う戦略です。
実際に敵軍が防衛線をはっている裏手に回り込み、敵が想像していない場所を主戦場にすることをしていました。
1で味方を増やしたことによる地の利もあったかと思います。敵の冷静さを奪うことで形成を逆転させました。
ある時には、戦闘象(戦闘に用いられる像)を率いてアルプス越えをし、ローマ軍に驚きを与えて混乱してを、引き起こしました。

3.他人に依存する要素が増えると、計画は崩れやすくなる

これは、ハンニバルの失敗から学ぶ一つの教訓戦略となります。
ハンニバルが後に負ける戦の敗因は、自分がコントロールできない要素に依存しすぎたことだと言われてます。
つまり、ローマと戦うにあたっても、ハンニバルと同盟を組むかどうかは相手次第であり、島国特有の物資供給に関しても他国に依存してしまうと他国の一存でストップされるとその時点で戦えなくなるということ。
教訓としては「相手にコントロールされず、こちらが相手を強制できる計画をたてよう」ということです。

4.おわりに

基本的な戦略と思いますが、行動が伴いますよね。
敵はあいつだと言って回ることも、それを聞かせるだけの説得力も必要です。
実はそれは、すごく大変なことで、今も昔も人は惰性の生き物だということは変わっていません。
よく言えば、習慣。悪く言えば、惰性。と言った感じでしょう。
アメリカの有名なリンカーンの行った奴隷解放宣言に有名な逸話がありますね。
奴隷解放宣言を行った数日後、奴隷たちは元いた主人の元へ自ら帰ったというやつです。
結局何をしていいか分からず、今まで通りが1番しっくりきてしまうのです。
人を動かすことはとんでもないウルトラ Cであることは間違いなく、それをやってのけたハンニバルはやはりすごい人だったのだと思います。


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