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人間のさんか [歌詞]

人間のさんか
曲:Elitetao 詞:Sagishi

揺れる根 もたれた
雪は笑みを照らし

薬指にさわる罌粟の手紙
生産される性と言葉で
流れる制度 大人へ

朗らかに微笑んだ
女の唇 静かに近づき
頬にひとすじ 痣を沿って
踊るように囲って
口紅の痕がいやに熱く
火照る胸に浸した

「まれびとは来ない
「稜線をゆく足跡がある
「まさかりを貸してくんねえか
「柱廊を振りむくとだれもいなかった

蝶番に矢をはさんだ
だれかがドアを開けて
深く真二つに折れることを望んでいる

男女の関係のような冗談を包装紙でまるめ
ぽいっと捨てたけど、数年で焦りがつのる

「このまま何もなくて
「生きていて良いんだろうか

くちなしの花が舌に青く咲くころ
ホテルで夢を癒した 湖畔の椰子を食べて
甘いねとうなずきあった
清らかな挨拶をされてもわからない
隣にいるのに顔さえ見られない
幼い思い出をこぼしてゆく…

朗らかな微笑み 男の私語
ささめきたつ騒音
ささやかな沢、鳴り響き
宵闇が近づき(夜は来ない)
時計が回り記憶が剝がれ

「だれも悪くないはずだけど
「他人の不幸を笑っちゃう
「不快なものを遠ざけちゃう
「気づいたらすぐ死んじゃう
「死んじゃうから楽しんじゃう
「信者になって行くまでいっちゃう!

シリアスなシリアルな
ナンバー掲げた僕たちは
半端に背負って飲む価値観
<リベラルスイーツ>僕は知らん

「分かったつもりでいることほど
「恐ろしいことはないのに
「友人のような顔をして立ってる
「眼に見えざるものを見て
「耳に聴えざるものを聴く
「そうして四千の夜を…

朝枯れた片割れが
剝れた頭の中から招かれた
求めた乙女のほとから子供
成長してからはたかれた
なだらかな バラバラさ
折々四季をないまぜに流された
わずかな風、明日から晴れ
かすかな汗が額を照らす

「忘れられない恋ほど
「人類の諧謔はない
「開闢以来の勘違いがゆっくり
「触り続けた皮膚を押しては戻す

球体の球根の幽体の幽玄の収斂の
終焉の流刑の風景の発見の再現の
懊悩の丘陵の紺碧の鳴動の胎動の
肺胞の溶解の境界の韜晦の彷徨の
衝動の双眸の女神の精液の烙印の
生命の命令の精霊の閉経の泥濘の
悠久の恋慕の躍動の錯誤の末路の

「だれも悪くないはずだけど
「他人の不幸を笑っちゃう
「不快なものを遠ざけちゃう
「分かったつもりでいることほど
「恐ろしいことはないのに
「友人のような顔をして立ってる
「眼に見えざるものを見て
「耳に聴えざるものを聴く
「そうして四千の夜を…
「気づいたらすぐ死んじゃう
「死んじゃうから楽しんじゃう
「信者になって
「亡者になって
「奴らになって
「生きて笑っちゃう


詩を書くひと。押韻の研究とかをしてる。(@sagishi0) https://yasumi-sha.booth.pm/